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  • 映像制作における価値観の多様性と、その衝突がもたらす感情について

    私たち映像制作業で働く人には、大きく分けて二つのタイプがあります。 ひとつは、自分の価値観に絶対的な自信をもち、他人にもそれを勧める人。 もうひとつは、自分の価値観だけがすべてではないと考え、他人の価値観を尊重する人。 私の考えとしては、前者はテレビ番組や映画、アート系の映像分野に多く、後者は私のような企業系の映像制作に関わる場合が多いと思います。私の仕事はクライアントあっての映像づくりですから、ある意味当然かも知れません。 それでも、自分の価値観を持っていないわけではありませんから、クライアントにとって良かれと思って行った作為が気に入ってもらえないと、ちょっと傷つきます。毎回気をとりなおして軌道修正をして前に進んでいます。 さて、ところで映像に関する評価・価値判断すなわち価値観は千差万別であることはわかっていても、人はこの「映像」に関する価値観については、他人に異なった価値観を聞かされると、特別に傷つく面があるように思います。 なぜでしょうか。 1. 映像は感情に直結しやすい 視覚と聴覚の複合的な刺激:  映像は、視覚と聴覚という二つの強力な感覚に訴えかけます。この複合的な刺激は、感情を強く揺さぶり、個人的な体験や記憶と結びつきやすいのです。そのため、自分の作品に対する否定的な意見は、まるで自分自身を否定されたように感じてしまうことがあります。 物語性と共感:  映像には、物語が宿っています。観る人は、物語に共感し、登場人物の感情を自分事のように感じることがあります。そのため、自分の作品が共感を得られなかったり、物語の解釈が異なったりすると、深い落胆を味わうことがあります。 2. 自己表現の媒体としての映像 アイデンティティの投影:  映像制作は、制作者の思想、感情、世界観を表現する重要な手段です。作品を通じて、自分のアイデンティティを表明していると言えるでしょう。そのため、作品に対する批判は、自分自身の存在意義を問われているように感じられ、深く傷つくことがあります。 創造性の結晶:  映像作品は、制作者の創造性の結晶です。長時間にわたる構想、撮影、編集といったプロセスを経て完成した作品に対する否定的な評価は、その創造性を否定されているように感じられ、大きな打撃となることがあります。 3. 社会的な評価と結びつきやすい 実績と評価:  映像制作の分野では、作品が社会的な評価を得ることで、制作者のキャリアが左右されることがあります。そのため、作品に対する評価は、個人的な感情だけでなく、社会的なステータスや将来にも影響を与えるという側面があり、より深刻に受け止められてしまうことがあります。 フィードバックの直接性:  映像は、多くの人々に公開される可能性があります。そのため、SNSなどを通じて、直接的なフィードバックを受ける機会が多くなります。匿名の誹謗中傷など、建設的でない意見も目にすることがあり、精神的な負担が大きくなることがあります。 4. 客観的な評価基準の難しさ 主観的な要素の強さ:  映像作品に対する評価は、非常に主観的な要素が強いです。美的感覚、文化的背景、個人的な経験など、様々な要因が評価に影響を与えるため、客観的な評価基準を確立することが困難です。そのため、自分の作品が評価されない理由を客観的に理解することが難しく、自己肯定感を損なうことがあります。 多様な解釈:  同じ映像作品であっても、観る人によって解釈は様々です。制作者が意図したことを正しく理解してもらえない場合、誤解や不満が生じることがあります。 これらの要因が複合的に作用することで、映像に関する価値観の衝突は、他の分野よりも深く傷つくという現象が生まれると考えられます。寛容な社会はますます遠いものになりつつある今、映像制作に関わる者はその寛容性についていつも考えている責任があると思います。クライアントの意見は、あくまでその会社のアイデンティティを守るためのものであり、個人の評価ではないと受け止め、より広範な価値観の把握に努めましょう。   【関連記事】 美しいと は 映像制作のセンスと美の基準要素   ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 美しいとは

    映像を制作する仕事をしている以上、私は美しさに対する価値観も一定の規範を持っています。「映像は美しくなければならない」と考えています。しかし映像に対する価値観が多様であるのと同様、美しいということも更に多様な受け止め方がされています。この美しいとはどういうことなのか、考えてみました。 美しさに対する様々な視点 客観的な美 対称性、調和、バランスなど、ある程度の客観的な基準に基づいて美しいと感じるものがあります。例えば、黄金比や自然の風景などが挙げられます。 主観的な美 個人の経験や記憶、感情、価値観に基づいて美しいと感じるものがあります。例えば、故郷の風景や好きな人の笑顔などが挙げられます。 文化的な美 各文化圏で異なる美の基準が存在します。例えば、西洋の美と東洋の美は、その特徴が大きく異なります。 時代的な美 時代によって美の基準は変化します。例えば、中世の美と現代の美は、異なる価値観を反映しています。 美しさの要素 美しさには、様々な要素が絡み合っています。 視覚的な要素 形状、色彩、光、陰影など、視覚に訴える要素。 聴覚的な要素 音色、リズム、メロディーなど、聴覚に訴える要素。 触覚的な要素 肌触り、温度、重さなど、触覚に訴える要素。 感情的な要素 喜び、悲しみ、感動など、感情に訴える要素。 精神的な要素 思想、価値観、理念など、精神に訴える要素。 美しさを感じる理由 美しいとは 鶏が先か卵が先か・・・ですが。 ストレス軽減 心地よい。美しいものを見ることで、ストレスが軽減され、リラックス効果が得られます。 創造性を刺激する 美しいものに触れることで、創造性が刺激され、新たなアイデアが生まれることがあります。 幸福感を与える 豊かさを感じる。美しいものを見ると、幸福感や満足感が得られます。 コミュニケーションを円滑にする 共通の美意識を持つことで、人とのコミュニケーションが円滑になります。 美しいものに関する価値観、感受性はシンプルでもあり、複雑でもあり。それだけに人間関係にとってとてもセンシティブでダイナミックな問題を引き起こす悪魔的なものだと、私は感じます。だから私は家族やごく親しい人以外とは、あまりこの話題を持ち出さないようにしています。   【関連記事】 映像制作における価値観の多様性と、その衝突がもたらす感情について 映像制作のセンスと美の基準要素   ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その1)

    ※この記事は2020年2月に掲載したものですが、2024/9一部改稿しました。 「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は高額な手術 民間の医療保険の多くにオプション設定されている「先進医療特約」は、厚生労働省が定める「先進医療」として指定している医療を、認定されている医療機関で受ける医療行為(たいがい手術)に対する費用を保険で支払ってくれるのものだ。 その先進医療のリストから、この4月に外れるのが「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」。もともと「単焦点」であれば、公的健康保険が適用されるが、多焦点になると自費治療なのだ。けっこうな額の手術なので保険適用はとても助かる。 これは眼内レンズではありません! 単焦点と多焦点 多焦点と言っても遠近2焦点と遠中近3焦点のものがあり、昨年の秋に3焦点レンズがようやく先進医療でも承認されたばかりだったのに、約半年で多焦点自体が先進医療からはずれることになってしまったのだ。 単焦点だと、遠でも近でもいいのだが、どちらにせよ一定の距離にしか焦点が合わないため、それ以外の距離を見るためには必ずメガネが必要になる。だから、せっかく保険が効くなら多焦点(3焦点)を入れておこう・・・というのが人情だ。 ただし、多焦点にも欠点があり、光を3焦点分に分散するため、全般的にコントラストが低くなってしまうこと。ほんの10数%とのことだが、こればかりは体験してみないとわからない。 しかも、3焦点というのも40センチ、60センチ、5メートル・・・というように、3距離でそれぞれ固定なのだ。つまり3つの焦点距離の画像がいっぺんに目に入ってきて、自分の目の筋肉では調整できない。 眼科医は「それを脳が切り分けるようになるのですよ・・・」と言うのだが、それっていったいどういうことなのか? 映像制作マンが一番気になること 3焦点距離の画像が常時見えている状態とは、果たして映像制作をする私たちにとって、どういう影響を与えるものなのか・・・。一番気になることと言うより、何が起こるのか心配、というのが本音だ。もしかしたら映像ビジネスに致命的な問題でも起こりはしないか!?と。 ネットを検索しても、映像制作を職業としている人の体験記やブログはヒットしない。映像の仕事を長くしていれば、必ず目を酷使しているはずだから、こうした手術を考えなくてはならない人も多い違いない。 ということで、このタイトルとなったわけだ。 昨日右目の手術を終えたばかり で、昨日の午後、まず右目の手術を行い(日帰り手術)、今朝再度通院して眼帯が取れたばかり。残りの左目は来週の水曜日に手術を行い、翌日に眼帯が外れれば手術は完了となる。 私は今59歳 若い頃は視力両眼2.0という目を持っていたが、30歳頃から老眼が始まり、コンピュータで編集するようになった40代の後半から老眼はさらに深化、その上、遠視、乱視も加わって、老眼鏡(近-近2焦点)と運転用のメガネ(遠視、乱視矯正用)が手放せなくなった。 そして昨年には、疲れてくると老眼鏡でも視力が出ないような状況に陥ったため、今回の手術を覚悟したわけだ。白内障の手術というのが主目的だが、同時に視力の回復(メガネ不要生活)を夢見たわけだ。 で感想は? 前置きが長くなった さて、まずは右目がサイボーグとなったわけだが・・・。 その見え方がどうなのか、読者の方は(いるかどうか知らないが)気になることだと思う。 だが、左目はまだ肉眼で、右目だけサイボーグなので、左右の目で見ると焦点がぜんぜん合わない。この状態で画面を見ているのは大変辛い。かと言って眼鏡をかけても見えるのは左目だけだし。 疲れて疲れて、思考もままならない。 ということで、この続きは明日。(たぶん)  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その2)

    手術前の状態 ① 老眼および遠視が両眼とも強度にあり、手元から遠方までまんべんなく眼鏡が必要だった。眼鏡は「近-近」の2焦点眼鏡と運転用に遠視を矯正する眼鏡の、2個を使い分けていた。 ② 両眼ともほんの少し、左右で方向性が違う乱視があった。 ③ 朝からコンピュータに向かっていると午後二時を過ぎるころから、眼鏡を掛けていても左右の焦点距離が違ってきて、画面を見ていると極度に疲れ、めまい を誘発するほどになってきた。 ④ 白内障の程度についてはひどくないレベル。 多焦点眼内レンズには乱視を矯正できるものがあるが、僕の場合程度が進んでいないため眼内レンズでの矯正には適さない、矯正すると乱れが反対側へずれて、しかも程度がひどくなるということで乱視の矯正は行わないこととした。 使用したレンズは AcrySof® IQ PanOptix® Trifocal である。 まず右目を一昨日の午後に手術(手術自体はほんの10分くらいで終わる)、眼帯を被せてもらって帰宅。 翌日(つまり昨日)の午前、再度その眼科医へ行き、眼帯をはずし様々な機器で眼球の様子をチェック。視力については遠くについてはいきなり1.2が出たが、近いところについては0.5前後。 さて、手術から2日目の右目が、いまどう見えているかをお知らせします。 いちばん気になったのは昨日眼帯を取った直後、右目の「色温度」が500-1000ケルビンくらい高くなり、白が青っぽく見えたのですが、今はほとんど左目と同じになってきました。 追記)色温度の変化については前日の手術時の散瞳薬の影響が残っていたかも知れません 遠視で解像度が落ちていた遠方については、裸眼(眼内レンズ)でも文字などは解読できるのですが(視力は1.2出ているらしい)、見え方は今のところこんな感じです。 近いところ(老眼鏡で見ていた距離)については、まだ視力は0.5でした。。 暗いところだと目立つのですが、グレア・ハロと呼ばれる光の滲みについては、こんなイメージです。焦点距離が異なる3種類のレンズを通した光を見ているからでしょうか、光の核の周辺にいくつかの像が薄く重なっているような感じです。 さて、眼科医は「慣れる人は慣れる」と言いますが、来週左目も取り替えたあと、どう変化していくかが楽しみでもあり、怖くもあります。 ただ、いまのところ「後悔」という言葉は浮かんでいません。  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その3)

    さて、多焦点眼内レンズ置換術、まず右目の手術を受けて4日目。 術後翌日の木曜日に続き、昨日(土曜日)も午前中に術後の診察を受けました。 人工レンズとなった右目の検査の結果、遠目の視力は1.0、近目は0.4。 遠目は0.2落ちたことになります。 誤差の範囲内なのか・・・、直前に1時間くらいコンピュータ 画面を見ていたので疲れていたのかも知れません。 そして、現在の見え方(右目)については、変化した印象はありません。 左目はまだ肉眼レンズなので、右目と左目のレンズ角が違う状態で、景色がぼんやりしていて、ちょっと気持ち悪く、偏頭痛気味ではあります。 昨日の診察で、ドクターが言うには左目の手術も終えると、近いところも急速に見えるようになってくる・・・・というようなことを言っていました。 手術後3日間は寝る前には瞳孔を開いて「癒着を避ける」目薬を3日だけ寝る前に差しました。また今後も3ヶ月間は抗菌薬、抗炎症薬など三種類の目薬を1日3回差さなくてはなりません。 そして、今週水曜日に行う左目の手術のために、今日から左目に抗生剤目薬(結膜炎予防)を1日3回差します。 目薬の指し方に習熟することは間違いありません。 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その3)  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その4)

    両眼が多焦点眼内レンズに置き換わった 先週の右目に続いて昨日水曜日の午後、左目の置換術を終えた。 術前1度目の手術の記憶があるから、むしろちょっと怖かったが、実際の手術も怖さは先週よりも強かった。これは人間心理によるものだと思う。 僕が手術してもらったクリニックは、ほぼこの眼内レンズ置換術とLASIKを専門に行っているようで、施術日は水曜日午後と決まっている。 先週もそうだったが、今週も10人が13時に集められて、受け付けた順番で術前検査が行われ、10名の検査が終わると、手術自体の順番は予め決まっているようで、その順番にドクターの診察を受け手術の可否を最終判断してもらう。結膜炎に罹っているとか、傷があるとか、何か問題が見つかると中止したり、延期したりするのだろう。 ちなみに、僕が手術を受けたクリニックでは、遡ること2ヶ月くらい前に診察を受け、さらに別の日に、手術の適合性を確かめるため、かなり入念な術前検査を行った。10通り以上の数値データや診断画像、血液検査。また心電図、胸部X線検査のデータも併せて全身の健康を確かめた上で、手術の可否や適合するレンズの選択を行い、適合する術法について、そのインフォームドコンセントも非常に細かに行ってくれた(検査と説明で4時間くらい掛かったかな)。手術を行うかどうかは、そこでの合意がなければ次のステップには進めない仕組みになっていた。 さて、実際の手術だが。 10人の患者は術着に着替えると、「流れ作業」のように、場所と部屋を順番に移動しながら、手術室に近づいていき、そして手術室に入る。もちろん自分で歩いて入る。 手術台の周りは、前の人の手術の布陣そのままに、オペをするドクターがベッドの頭のところに椅子に座り、3〜5人くらい(よく覚えていない・・・)の看護師さんが取り囲んでいる。「はい、次の方いらっしゃい」てな感じで待ち受けていた。 手術するドクターは、診断のドクター(院長)よりもかなり若かった。やはりこうした細かい指先作業は目が良くて、手先も細やかに動く若手の方がいいのかも知れない、と勝手に信じることにした。 歯医者さんの椅子に似たベッドが始めから背もたれが倒れていて、そこへ自分で横たわる。 施術する目の側に顔を倒すように言われ、そうすると何かの液を施術側の目を洗うように目に浴びせられ、拭き取られる。そして施術しない方の目は覆いが被せられ、手術する側の目にはまぶたを閉じないよう、何やら「タガ」が嵌められると、もう目は閉じられない。 ここから先の順番はよく覚えていないが、麻酔は瞳と眼球内にだけは効いているが、体はもちろん頭も明瞭、眼球も動かせちゃうので、「真上を見たままぜったいに動かさない」と言われれば言われるほど、動かしたくなる衝動に駆られ困った。 目の手術で麻酔をかける、というのだから何にも見えない(まっくら)の世界で行われるのだろうと、漠然と思っていたが、なんと丸見えなのだ。 白く光る太陽を見ながらされる手術 準備ができ無影灯が頭上にくると、施術する側の目で見えるのは太陽のコロナのような(ただし真白ないしは青白い)眩い光の玉が中心にあり、周辺も明るい光がもやもやしている。 眩しいこと夥しい。 針の先が何度も目の中に差し込まれたり、液体が注がれたりするのを目撃しながらの時間は、たぶん10分に満たないくらいだと思うのだが、あれ以上長いとたぶん発狂するかも知れない。眩い光が施術の進行とともぐにゃぐにゃ形が変わり、手術の終了と同時に、光が固定して「あ、先生の顔が見えた」とホッとするのも束の間、眼帯が被せられる。 もちろん麻酔が効いているから痛みは無いので安心いただきたい。 ただ恐ろしかっただけ。 手術が終わると、自分で起き上がって、看護師に付き添われて控室(このクリニックではカーテンで仕切られたスペースにマッサージチェアが置いてあり、そこが控えの間)でしばし休息。10分くらいすると血圧を測るのだが、これが術前よりも高いと「もう10分」という感じで、血圧が問題ない範囲に収まるまで休むことになっているようだ。僕は血圧が上がりやすいたちなので、前回も今回も術後20-30分くらいで「はい帰っていいですよ」となった。 さて、両眼が入れ替わり、左目の眼帯を今朝取ったわけだが、その感想は・・・。 やはり、手術してすぐのレンズは、視界に映る像の「滲み」が激しい。先週の右目については、かなり改善されてきているので、この滲みはたぶん日にちぐすりだろう。 右目の時は「色温度が違う!」と驚いたが、どうやらあれは瞳孔を開くために目薬の影響が大きいようなので、今日左目も置換を終えてみると、(以前と色が変わっているのかも知れないが)色相については問題はなさそうだ。 ちなみに、今日測った左目の視力は、遠方が1.2、近目が0.7である。 先週手術した右目は遠方が0.9、近目が0.4。 ありゃりゃ、右目が落ちているじゃないか・・・。 今実際に両眼で世界を見ているのだが、左目は瞳孔緩め薬がまだ効いているので、なんだか気持ち悪い状態。でも、すでに老眼鏡かけずにこの文章が書けているわけだし。 まあ、そのうち良くなっていくだろう、そんな気分ではある。 さあ、映像制作会社の人間が多焦点眼内レンズ置換術を受けると、仕事にどう影響するのか、しないのか。これからが楽しみだ!?  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その6)

    1週間後検査 2月26日(水)に右目、3月4日(水)に左目の置換術を行い、いずれも翌日には眼帯をはずした。だから両眼多焦点眼内レンズという生活を始めて1週間の昨日の検眼結果。 【遠方】(たぶん5m) 右目1.2 左目1.2(乱視矯正して1.5) 【30cm】 右目0.6 左目0.9 【50cm】 右目0.8 左目1.0 慣れれば大丈夫と言うけれど 視力としては普通の生活なら問題無いような数字だが、「近いところの見え方」と「光源が何重にも見える」の違和感には、慣れるのに時間が掛そうだ。 文字を読む、書く、がまだ疲れる 新聞やパソコンの画面を見る(読む)と、どうにも視野がモヤモヤしていて、だから目を凝らしたくなるのだが、凝らしたところでモヤモヤは消えないから、結果目が疲れる。いや、目が疲れるのではなく後頭部が疲れる印象がある。それと、ちょっと気持ち悪くなる。もともと目眩があったので、三半規管の問題かも知れない。 ひとりでロマンチックになっていてもしょうがない 夜間の運転も眼鏡なしでできるが、世界観はもう「ロマンチック」。 あらゆる光源がニジニジと輝き、よく言う「シャがかかった」状態。しかも、光源の周辺には核になる象(光源)の周辺に、滲んだような輪が同心円状に重なるのだ。 まあ「こういうもんだ」だと思えば そう気にならなくなるのかも知れないが、まだ昔のくっきりした画像の記憶があるうちは、違和感を感じ続けるのだろう。 次の診察(検査は)3週間後だ。  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その7)

    ピン送りは自在 多焦点(3焦点)レンズというからには、奥行きのある空間を見ている場合、そのシーンの3っつの距離にある部分だけがクッキリ見える・・・というような想像をすると思うけれど、この焦点問題に限っては、実はこれは眼帯を取った時から、手術前に見えていた世界と、そう変わりない。 ちゃんと見たいところを見れば、他の距離にあるものは「ボケているように意識」する。 すなわち、下のようなイメージだ。 「見よう」としている焦点距離とは異なる、特に遠方にある事物は「意識の外」に出てしまうため、「焦点が合っている、合っていない」ということは認識できないのだ。 人間の目(脳)ってすごい この目の機能(いや、たぶん脳の機能)というのは、凄いものだなあと、改めて思う。だって、今僕の目玉に入っているレンズはフォーカスリングは付いていないのだから、焦点外の事物がボケて見える(正確には「目に入っていない」)という状況は、明らかに脳味噌がそう指令して、そう見えている、かのように見せているわけだから。 慣れるしかない!? 近距離の視力は、少しずつ安定してきたような気がするが、単に「慣れてきた」だけのような気もしないではない。 あいかわらず「ハロー・グレア」現象は酷いが、まあこれも慣れてきた。 パソコンは日常的に使っているMac Book Air13の画面を見ていると、肩が急速に凝り始めるが、27インチに繋いで見ている限りは、なんとか夕方まで仕事できる・・・くらいな感じである。まだ映像編集作業はやっていない。  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その8)

    視力検査 多焦点眼内レンズを両目に入れて、約1か月が経過した今日の通院での検眼結果です。 30cm 右0.6 左0.8 5m 右1.0 左1.0 見え方 薄暗いところは特に辛いのですが、明るい場所でも新聞の文字はこんな感じです。コントラストが低いので、全体的に幕が掛かったように見えます。 ただし視力は出ているので、照明の下であれば識字に問題はありません。 焦点距離は30cm以上の距離が必要ですので、適切な距離に目を持っていかないとダメです。 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その8) 明度の近い隣り合う色の境界線がダブっ重なっているようにも見えるので、グラフィックデザインをする時にはストレスを感じますが、慣れれば重複しているかいないかが、識別できないわけではありません。 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その8) ハロー・グレアについては、1ヶ月経過しても全く改善していません。もう、こんな世界なんだと思うしかないかな、と思い始めています。 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その8) 次の通院(検眼)は6月3日です。  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その10)

    術後3ヶ月目の視力 【遠く】 右1.0 左1.2 【近く】 40cm 右0.7 左1.0 50cm 右0.8 左1.0 70cm 右0.7 左1.0 視力と見え方は別 視力とは「対象物をどれだけ細部まで見分けられるかの能力を表す基準」だそうです。 つまり、どれだけ判読できるかということであって、「見え方」とは別な指標です。上記の僕の視力を見る限り、裸眼でこれだけ出ていれば文句ないでしょ!?と思うでしょうけれど、僕が見ている「見え方」は、映像を職業とする人間にとっては以前と違う点がいろいろあって、同業者の方に素直に薦めるか?と問われたら「いろいろ考えた上で判断したほうが良い」と言います。  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その10)

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その後)

    (その10)で終わりと思っていたが 4ヶ月目の検眼をしてもらったら・・・。 裸眼視力・遠方 右 1.0 左 1.2 裸眼視力・30cm 右 0.5 左 0.5 矯正視力・遠方 右 1.2 左 1.5弱 矯正視力・30cm 右 1.0 左 1.0 30cmの距離はちょっと近すぎて焦点が合いにくく、40cmくらいまでいくと多分両眼とも裸眼で0.8くらいまで見えていると思う。 この視力で文句があるのか!? 3ヶ月目までの診察で、あれこれ不調を訴えていた「しょぼしょぼする」「二重、三重に見える」などの問題について、「収差」を調べる装置で検眼したら原因判明!まばたきをちゃんとやらずに調べたら、像がもうめちゃくちゃ。まばたきして調べたらバッチリ見えてる。これによってドライアイが原因であることがわかり、先生が「ムコスタ点眼薬」とうのを処方してくれた。差したら、これがいい塩梅で、かなり長時間のパソコン作業にも、編集作業にも耐えられるではないか。目が乾くため、焦点の調整も不調となり、目が不自由なことから肩はコル、めまいはする・・・と酷い状態だったのだ。 ドライアイは治らない? (1)まずは葛根湯ドリンクを飲んで眼精疲労を抑える (2)ジクアスなどのドライアイ対策目薬で「涙を足す」 (3)ムコスタで涙が乾かないようにうする という対策を行ってきて、ようやくなんとか仕事に耐えられる状況となったが、「ドライアイは治らない」というネット上の記述が多いので、不安である。いちど2週間くらいパソコンから離れる生活を送ってみたいものだ。 グレアハロー これはもう治りません。偏光レンズのような(偏光レンズではない)対策用メガネを試してみたけれど、僕にはほとんど変化なし。もうこれは「こういうものだ」となれるしか無い。実際慣れてきた。 メガネなしの生活 これに感謝しよう。そして、あまりものを「注視する」のはやめて、なんとなくボーッと視る習慣をつけようと思う。注視するとまばたきをしないので目が乾くのだ。・・・なんて言っても、映像という仕事をしている以上、注視するな!なんて無理に決まってるけれどね。 【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その後)

  • 映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(体験談・その後のその後)

    視力は商売道具 映像制作を仕事とする者にとって、商売道具でもある視力を守るため、2020年の春、両目を多焦点眼内レンズに替えてから、ちょうど3年が経過しました。最終のブログ記事が術後半年くらいの2020年9月2日で終わっていて、その後の経過が気になるというメールをいただきましたので、僕自身の記憶の整理もしたいので、つらつらと書き出してみようと思います。あくまで僕の目に起こった事実であり、その事実が何に起因しているかは僕にはほとんど分かりませんので、僕に起こったことが誰にでも起こるわけではないと思います。誰にでも起こるなら・・・かなり問題ですから。 ①見え方の変化 いわゆる「視力」は変化ありません。一時期、右目が見難くなりましたが、その理由は後述します。また「見え方」も変化ありません。ただし、「ハロー・グレア現象」については今(午後3時の日光が入る部屋)「あれ?どうだっけ?」と思うくらいですから、 「あらゆる光源がニジニジと輝き、光源の周辺には核になる象(光源)の周辺に、滲んだような輪が同心円状に重なるのだ。 」 なんて思っていたことが、今は気になりません。もちろん、ニジニジが無くなったという意味ではなく、気にならなくなっただけです。近いところも遠いところも眼鏡なしで見ています。 ②コントラストの低下と輪郭の複線視は映像編集に影響しているか この辺の見え方も、術後半年間の ブログで書いていたとおりの状態 が継続していて、今も変化ありません。僕は主力機PowerBook Proを待ち歩いているので、対策として、オフィス、自宅、別宅に大型モニター(解像度4K)を常置し、解像度を目一杯まで細かくして、必要に応じて細部を拡大してチェックしています。 ③「眼精疲労」を感じない 眼内レンズを入れる前は長時間目を使うと必ず有った、いわゆる目の奥がズキズキするとか、ドーンとする「眼精疲労」は、術後の生活では経験したことがありません。何時間作業していても平気ですが、さすがに夕方には肩が凝ってきて、頭部への血流が滞る感じはあるので、意識的に休憩を入れストレッチをしています。 ④網膜剥離と黄斑上膜で硝子体手術 実は多焦点眼内レンズを入れる手術をしてから、2021年5月(つまり1年+α後)に両目の網膜剥離がおこり、左目:硝子体手術、右目:レーザーのみの手術を行いました。これが多焦点眼内レンズを入れたために起こったのかどうか因果関係はわかりません。そして2022年7月には右目の見え方の悪化が気になり(飛蚊が増えたのかなと思って診てもらったら)「黄斑上膜」が形成されていることがわかり8月に、硝子体手術で膜を除去。術中に小さな網膜剥離もあることがわかり、これも貼り付けてもらいました。 ⑤飛蚊一掃! この2回の硝子体手術によって両目の飛蚊がほぼ一掃されて視界が気持ちよくなりましたが、右目の黄斑上膜の除去時にどこかを傷つけたのか、視野の真正面中心部から少しそれた場所に小さな視野欠損ができ、今も修復されないので、これはたぶん生涯残るものと思います。普通に両目で見ている限り気付きませんが、カメラのファインダを覗くと明白になります。僕はカメラマンではありませんから生活はもちろん仕事にも影響はありませんが、この手の手術のリスクとして覚悟は必要なのだなとは思います。眼内レンズ挿入のための手術で、黄斑上膜のような目の奥を触るわけではないと思いますので、このようなことは心配無用ではないでしょうか。 ⑥ドライアイの原因がわかった! 実はここまで書いてきたこととは別な大きな症状として、眼内レンズ以前からあった「ドライアイ」がひどくなったことがありました。毎日、夕方近くなってくると徐々に違和感がひどくなり、夜9時くらいになると、しょぼしょぼになってきて、目を開けているのが辛いほどでした。「これは酷いドライアイだ!」と思っていましたし、眼科医も目を覗き込んで、ジクアスなどの潤滑系の目薬を出してくれていました。そのほか、朝起きたばかりの時間(30〜60分くらい?)は目に映る画像のぼやけが(3焦点の画像がずれているようなイメージ)大きく、光量が足りていないと感じるため、新聞は手許照明を点けるか、天眼鏡を用いて読んでいました。この感じは日中になると解消するのか、慣れるのか、感じなくなる、というものでした。 それが!この夏前のある日、いつもの眼科医の代診で診てくれた眼科医が「あ、これはマイボーム腺梗塞」ですよ。と言って、実際に画像に撮って油分が固まったつぶつぶが上下の睫毛の付け根に連続している様子を見せてくれました。涙は水分が蒸発しないように表面に油がのっていて、その油を分泌しているのが睫毛の付け根にあるマイボーム腺だそうです。その腺が詰まって油分がでないため、水分がすぐに蒸発してしまい、ドライアイになるというわけです。今思えば僕の場合、そのつぶつぶが眼球に触れていたのか、目の周辺の汚れた皮脂が目に入っているような不快感でした。 眼科医が、その場でつぶつぶをクリーニング?してくれたら、なんとスッキリ!!「さいきんアイシャンプーという商品が市販されていますから、自分でもできますよ」というので、すぐさま購入して帰りました。それ以来、数日に1度くらいアイシャンプーするだけで、あれだけ悩まされていたドライアイの不快感から7割がた解放されたのです。まあ100%ではありませんが、しょぼしょぼして目が開けていられない(辛いので早寝してしていたほど)という状況から解放されただけでも、めっけものです。 といったところです。 網膜剥離も黄斑上幕も、ほっておくと大変ですが、気づいたらすぐに対処すれば、多くは治療方法がありますので、ご安心を。 参考になれば幸いです。  【関連記事】 「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」記事一覧    ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績   得意分野   品質管理   映像制作研究室   映像制作ガイド   見積もり/問合せ   映像制作用語辞典

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