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タイムラプスが記憶する名古屋駅と私

更新日:9月20日

弊社のYouTubeチャンネルで最も高い再生数を誇る動画は、1993年から1999年まで、名古屋駅ビルの建設を定点撮影したタイムラプス映像です。この映像は、私自身がプロデューサーとして手がけたものであり、名古屋という街の変遷と、私のキャリアの歩みを象徴する作品です。




撮影にまつわる苦労と旧駅舎の記憶


撮影は、約5年間にわたり、工事の進捗があるたびにJR東海太閤ビルや名古屋国際センタービルなど、複数のビルの屋上から、都合約50回のロケを敢行して行いました。撮影場所の確保には、各ビルの管理室との調整が不可欠でした。

カメラ位置のズレは致命的ですから、毎回同じカメラ、同じ三脚で臨みました。

また撮影終了後には、カメラ位置のわずかなずれを補正するため、当時は最新鋭の機材を備えた東京のスタジオに編集を依頼した記憶があります。

解体前の旧駅舎のロケハンでは、明治時代を思わせる大理石の階段や、用途不明な地下室の存在が強く印象に残っています。当時はデジカメがなく、写真で記録できなかったことが今でも心残りです。



JR東海とともに歩んだキャリア


私の映像制作のキャリアは、1987年の国鉄民営化とJR東海発足と共に始まりました。JR東海のハウスエージェンシー「アド東海」(現在のJR東海エージェンシー)とのご縁から、鉄道や駅ビル関連の業務に携わるようになり、やがてJR東海本体のテレビCM制作も手掛けるまでになりました。

他社(TYO)の制作でしたが、あのクリスマスエキスプレスキャンペーンのCM(🎵山下達郎「クリスマスイブ」・出演:牧瀬里穂さん)のロケも見学させてもらいました。

また、JR東海の予算で制作した鉄道ビデオは、通常の制作費をはるかに上回る予算をかけ、「特急ワイドビューひだ」「さよならキハ80」「花と列車」といった、鉄道ファンに今も語り継がれる名作として結実しました。



時代の変化と映像制作の現在地


旧駅舎の解体から30年以上、タワーズの完成から27年が経過しました。改めてこの映像を見ると、当時の解像度640×480ピクセルという小さな画面で業務を行っていたことに驚きを覚えます。この30年間で、映像制作ビジネスは大きな変化を遂げています。


名古屋駅周辺は、ミッドランドスクエアやJPタワーといった高層ビル群の建設、そしてリニア中央新幹線の着工により、今もなお活況を呈しています。一方、古くからの中心街である栄や錦の人気の低落は、時代の移り変わりを象徴しています。

この建設記録映像は、私自身の歴史を振り返る機会を与えてくれるとともに、映像制作ビジネスの変遷と、社会の変化を再認識させてくれる貴重な資料です。


 

【執筆者】

名古屋を中心とする地域の企業や団体の、BtoBビジネス分野の映像制作を専門に、プロデューサー/シナリオライター歴35年、ディレクター/エディター歴20年の株式会社SynAppsの代表が、映像制作を外注しようと考えている、様々なビジネスフィールドの企業担当者への情報提供として書いています。

株式会社SynApps 会社概要はこちら → [当社について] [当社の特徴]

 

 


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