映材
撮影現場で使用する機材、備品、消耗品全般を指します。カメラ、照明器具、特殊撮影機器など、撮影に必要なあらゆるものを取り揃え貸し出すビジネスを指す場合もあります。
一般的に「映材」と呼ばれるもの
撮影機材・アクセサリー・周辺機器
レンズ・アクセサリー・周辺機器
音響機材・周辺機器
モニター機材・周辺機器
照明機材・周辺機器
特機(クレーン、レール、移動車、ドリーなど)
インカム
サインボード
養生材
発電機
各種足場、固定器具
幕
バック紙
フィルム
テープ
バッテリー
フィルター
ジェル
ケータリング・消え物
ほか
撮影スタジオ、ポストプロダクション、音楽スタジオの運営を行っている場合もあります。
映像制作会社としての視点
日本の映像制作業界において、「映材」業は制作現場の重要なパートナーとしての特徴を持っています。
1. 職人的なメンテナンスと「技術力」
日本の映材業者の最大の強みは、機材の徹底した整備体制です。
精緻なメンテナンス
特にレンズに関しては、専門の技術スタッフ(メンテナンスマン)が常にキャリブレーション(ピントやズレの調整)を行っています。
「映画屋」の伝統
フィルム時代からの流れを汲む業者は、機材を熟知しており、現場の意図に合わせてマウントを改造したり、特注のアタッチメントを製作したりする「エンジニア」に近い側面を持っています。
2. 「人」と「機材」のセット提供(特機・照明)
特にクレーンやドリーなどの「特機」、あるいは「照明機材」を扱う業者の場合、機材だけを貸し出すのではなく、熟練のオペレーター(特機助手・照明助手)を一緒に派遣するのが一般的です。
理由
特殊な機材は設営・操作に高度な安全管理と技術が必要なため、業者のスタッフが現場で直接操作を担うことで、撮影のクオリティと安全を担保しています。
3. カテゴリ別の専門分化
日本の業者は、その出自や得意分野によって大きく3つに分かれます。
映画・シネマ系映画やハイエンドCMがメイン。
ARRIやRED、ヴィンテージレンズに強い。
放送・ENG・配信系テレビ番組やライブ配信機材に強い。
機動力のある一体型カメラが豊富。
特機・特殊撮影系クレーン、ドリー、雨降らし、送風機など
「特殊効果」に特化。
4. 独特な商習慣:24時間・年中無休の対応
映像現場は不規則なスケジュールで動くため、多くの映材業者は早朝の機材ピックアップや深夜の返却に対応する体制を整えています。
「前日出し・翌日返し」
撮影日の前日に機材を受け取り、撮影翌日の午前中に返却するスタイルが定着しており、実質的なレンタル料金の計算もこれに基づいた「デイ料金」設定が多くみられます
5. 育成の場としての側面
老舗の映材業者は、若手カメラマンや照明技師の「修行の場」としても機能しています。
業者の機材室で数年間アルバイトや社員として機材の知識を叩き込み、そこから撮影助手(アシスタント)として現場へデビューしていく、という徒弟制度に近いキャリアパスが今も一部に残っています。
日本の映材業者は「機材のコンシェルジュ」「技術的なバックアップチーム」と言えます。
執筆者・神野富三
株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
大学時代のラジオ番組の構成演出に始まり、映像ディレクター・プロデューサーとして、40年以上の業界経験を基に映像業界に関する知見を発信しています。
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三和映材社
京都で映画撮影機材レンタルからスタートした照明・特機を扱う総合機材レンタルグループ。
米国Panavision(パナビジョン)社の日本総代理店として 国内外の映像制作者様に最高のクリエイティブツールを提供する一方 大阪本社ではポストプロダクション事業も展開。 撮影からフィニッシングまで一貫してプロフェッショナルな映像制作をサポートしています。
京映アーツ
装飾&小道具という立場から台本を読み解き、監督や作品の意図をくみ取り、リサーチ、考察、想像、行動を繰り返しながら、あらゆるシチュエーションの道具を調達。撮影スケジュールに合わせて道具の管理、設置から現場操作、撤収まで一貫して行なっていきます。
高津装飾美術
映像分野への小道具レンタルだけには留まらず、装飾請負業務、CM、ディスプレイ、演劇、一般の方へのレンタル、時代祭への企画演出、博物館等への展示装飾の業務を精力的に行っています。
東宝映像美術
映画や大型テーマパークを通じて培われた技術力を活かし、見る人を楽しませる「劇的空間づくり」をしています。
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映像制作会社として活動をスタートさせたトランスフォーマーは、劇場配給やビデオ販売に加え、映画美術、音響効果など、映像の川上から川下までをマルチに支えるプロフェッショナル集団です。

