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- ロケーション撮影における器物破損事故防止のために
私たちの生業である企業映像制作は、クライアントあってのビジネスです。 企画から納品まで一貫して請け負う場合でも、最終的な責任主体はクライアント企業であり、対外的にはクライアント企業が制作していると認識されます。したがって、私たちのあらゆる行動は、クライアント企業の社員と同等の責任と品位が求められ、その結果についても同様の責務を負うべきです。 映像制作の各工程の中でも、特にロケーション撮影は、出演者、スタッフ、撮影対象物、撮影場所、機材、ロジスティクスなど、人や物の動きが頻繁となるため、最も事故発生のリスクが高いと言えます。 これはNG 器物破損はなぜ発生するのか 私たちの撮影場所は、クライアント企業のオフィスや製造工場といった施設が中心であり、その土地、建物、設備、什器、商品などに一切の損傷を与えてはなりません。一時的に撮影のために借用する場合であっても、100%原状回復することが当然の義務です。 あるいは、企業PR映像制作にために、クライアントの手配で歴史的建造物などでの撮影を行った場合、そこで私たちが起こした事故はすべてクライアントが非難を受けることになります。絶対に避けなくてはならない事態です。 クライアントからの指示を待つまでもなく、私たち制作スタッフ、技術スタッフは常に安全を意識しています。しかしながら、残念なことに事故は時折発生してしまいます。 その要因として最も大きいのが、以下の現状です。 撮影スタッフの寄せ集め 映像制作業界においては、社内スタッフのみで撮影に関わる全ての役割を担うことは稀です。制作、演出、撮影、照明、音声、美術、出演者、ケータリング、ロジスティクスなど、各分野の専門家が、その都度、得意分野やスケジュールに合わせてキャスティングされます。多くの場合、各担当にはチーフに加え、アシスタントも配置されます。 このため、スタッフ一人ひとりの経験値はもとより、安全管理に対する意識レベルにも差異が生じます。各々の専門領域においては熟練したプロフェッショナルであっても、安全管理に関する経験値や意識は一様ではありません。 「何をやると危険か」「何をやらないと危険か」を熟知しているスタッフもいれば、経験の浅いアシスタントの中には、ロケ場所やその設備の保全、保安に対する責任感が希薄な者も存在します。 もちろん、クライアントやプロデューサーは通常、ロケ地の交渉段階から安全管理に細心の注意を払っています。そして、スタッフ間のコミュニケーションが円滑な現場では、事故は起こりにくいものです。 しかし、経験の浅いスタッフが、自身の専門外の領域に不用意に手を出すことが、時折事故を引き起こします。例えば、手が空いたからと善意で片付けを手伝おうとして、電源が入ったままの高熱の照明器具に触れてしまうといったケースです。本人にとっては親切心からの行動であっても、照明技師にとっては「勝手に触るな」という領域です。 事故の原因は「人」にある 撮影スタッフが寄せ集めにならざるを得ない状況において最も重要なことは、 自身の担当領域における安全管理は、その担当者自身が責任を持ち、チーフはアシスタントの責任をもつ という意識を徹底することです。そして、他のチームの作業を手伝う際には、必ずそのチームのチーフの指示を仰ぐべきです。 そして、プロデューサーは、こうした意識を撮影に関わる全てのスタッフに浸透させる責任があります。 プロデューサーには撮影スタッフ全員の管理責任があるからです。
- 長年の友・MAオペレーターの苦悩
私たち映像制作の仕事をする者にとって、いつも作品作りの終盤にお世話になるスタッフが MA スタジオのオペレーターです。彼、彼女らはいつも私が編集した映像の最初の批評家です。訊かない限り批評を口にすることはありませんが(笑)、映像の出来不出来はその顔を見ればわかります。そして台本に書かれたナレーション原稿と私がつけた音楽、手配したナレーターの名前から、私がこの後完成させたい映像のイメージを的確に掴んでくれるのもMAオペレーターです。 この頼もしいスタッフが抱えている苦悩を想像してみました。 1.技術的な挑戦 MAスタジオオペレーターは常に最新の音響技術や機材に精通していなければなりません。デジタル技術の急速な進歩により、新しいソフトウェアやハードウェアが次々と登場します。これらの新技術を習得し、効果的に活用するためには膨大な時間と労力が必要です。また、異なるフォーマットや規格への対応、複雑な機材のトラブルシューティングなども求められ、技術的なストレスは絶えません。 2.クリエイティブな要求 技術面だけでなく、クリエイティブな面でも高い要求に応えなければなりません。 監督 や プロデューサー の意図を正確に理解し、それを音響で表現することが求められます。時には抽象的な指示や曖昧な要求を具体化する必要があり、 クリエイティブ な解釈力と表現力が試されます。 3.時間的制約 映像制作の最終段階で行われるMA作業は、常にタイトなスケジュールと締め切りのプレッシャーにさらされています。短時間で高品質な仕上がりを求められるため、長時間労働や徹夜作業も珍しくありません。この時間的制約は、オペレーターの身体的・精神的な健康に大きな影響を与えることがあります。 4.複雑なバランス調整 音楽 、 ナレーション 、 効果音 、環境音など、様々な音要素のバランスを取ることは非常に繊細で難しい作業です。各要素が互いを邪魔せず、かつ全体として調和のとれた音響空間を作り出すには、高度な技術と豊かな感性が必要です。このバランス調整は、作品の質を大きく左右する重要な工程であり、オペレーターにとって大きなプレッシャーとなります。 5.クライアントとの調整 監督、プロデューサー、音楽家、ナレーター等、多くの関係者と密接に連携しながら作業を進める必要があります。それぞれの要望や意見を聞き、時には対立する意見の調整役となることも求められます。このコミュニケーション能力と調整力は、技術的スキルと同様に重要ですが、人間関係のストレスも伴います。 6.聴覚の疲労 長時間にわたり集中して音を聴き続けることは、聴覚に大きな負担をかけます。聴覚の疲労は判断力の低下につながり、作品の質に影響を与える可能性があります。また、長期的には聴力障害のリスクも懸念されます。 7.常に変化する視聴環境への対応 視聴者の環境は多様化しており、劇場、テレビ、スマートフォン、タブレットなど、様々な再生環境に対応した音響調整が必要です。それぞれの環境で最適な音質を提供するための知識と技術が求められ、この多様性への対応は大きな課題となっています。 8.著作権と法的問題 使用する音楽や効果音の著作権管理も重要な責任です。意図せず著作権侵害を犯すリスクがあり、常に細心の注意を払う必要があります。また、各国の放送規制や音量規制にも対応しなければならず、法的な知識も求められます。 9.技術の陳腐化 音響技術の進歩は急速であり、習得した技術や購入した機材がすぐに陳腐化してしまうことがあります。常に最新の技術動向をフォローし、スキルアップを続ける必要があり、この継続的な学習と投資の負担は大きいものです。 10.評価の難しさ MAスタジオオペレーターの仕事は、完成作品の中で目立たないことが多く、その貢献が正当に評価されにくいという現実があります。優れた音響は作品の質を大きく向上させますが、観客に意識されにくい面もあり、この「縁の下の力持ち」的な立場がモチベーション維持の課題となることもあります。 これらの苦悩に直面しながらも、MAスタジオオペレーターは作品の完成度を高め、視聴者に豊かな音響体験を提供するために日々努力を重ねています。彼らの専門性と創造性は、映像作品の不可欠な要素として、エンターテインメント産業を支える重要な役割を果たしています。 長年の友 ナレーション録音、 ミックスダウン が終わり、立ち会っていたクライアントが満足してお帰りになった後に、MAオペレーターが発する言葉は、私たちディレクターへの労いだったり、辛口な批評であったり。時に煮えきらないクライアントへの愚痴であったり(笑)。私の自慢話であったり・・・。 しかし、その時間は、ようやく映像が完成した安堵感があいまって、私にとって長年の友とと語り合うような穏やかな時間です。 【関連記事】 映像制作の変遷・ MA 「音つけ」 動画・映像制作で初めて MA スタジオを使う人へ 映像作品の 音楽を 1曲で済ます動画作家 動画は短尺であっても 音楽は 3曲以上使いたい 映像にイントロや溜めのある曲を使ってみる ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- 空耳ナレーション
映像制作とナレーションの空耳 この度、とってもショッキングなことがありました。 先日、 MA (映像に音声をつけるスタジオ作業)スタジオでナレーションの録音を行い、 ミックスダウン を含め10分の映像の音つけ作業を目論見通りの時間で終えました。 で、自社に音声データを持ち帰り映像に貼りあわせる作業をしていると・・ ギョッ! ナレーションの読みが間違っているではないか! 具体的には「先ほど」が「先こど」、「後ほど」が「後こど」に聞こえるのだ。 「おかしい・・・」 スタジオではオペレーター、ディレクターはもちろん、クライント、代理店合わせて合計6人の人間が、何度も聞いて確認したはずなのだ。 映像ビジネス30年、こんな経験は初めて。 中でも僕は非常に細かいことに気付く性格で、この手の間違いには確実に気付いてきたはず。それがスタジオを出るまで気付かないとは・・・。 かなりのショックである。 「俺も耄碌したか・・・」 MAミキサーも すぐさまMAスタジオの担当者に電話してチェックしてもらうと 「確かに『先こど』って言ってますね」 「僕もこういう経験は初めてです」 とのこと。 ディレクターも さらに同じく音声データを持ち帰ったディレクターに電話してみると、すで聞いたようで 「びっくりしたんですけど、読み間違えています」と開口一番。 いやー、こんなことってあるのか? リテイクの相談もあり、ナレーターの所属事務所に連絡してみると、 「(マイクを吹かないよう)破裂音を抑えようとして、そういうことが起こることがある」と教えてくれました。 ナレーターさんを責めるつもりは全くありません。やはり何がショックかと言ったら、この明らかに別な言葉に聞こえる音を見逃した(聞き逃した)自分です。 人の喋りというのは普通、ネイティブの言語に関しては文脈で予想しながら聞いているので、少々子音が聞き取れ無くても、母音とイントネーション、アクセントで意味を理解できてしまいます。翻って、人はあまり厳密に音声のひとつひとつを聞いているわけではないのです。むしろ予想した通りの音に聞いてしまう(聞きたい音に聞こえてしまう)傾向さえあります。 しかし、プロはそれではいかんでしょう。 この道のプロならば、これは気付かなければいけません。 ということで、今回は自戒の意味を込めて、こういうことがあった、ということを告白、記しておきます。 ちなみに、この録音の顛末はどうなったか?クライアントに連絡すると・・・ 「え? 神野さん、考えすぎですよ〜。」 「ちゃんと『先ほど』に聞こえますって!」 「え、ほんと?」 で リテイク なし、と相成りました。 僕って気にしすぎ!? 【関連記事】 映像制作と言葉- ナレーション は子守唄 映像作品と ナレーション 動画の ナレーター に有名人を起用する ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- 「絵にならんなあ」という嘆き
「絵にならない」 我々のような仕事をしている者が「カメラを向ける対象が具体的に無い」、あるいはイラストやCGにしようにも、どんな輪郭を描いて、どんな色をつければ「それを表している」ことになるのか思い付けず、頭を悩ます時に使う表現です。 「実態がない」 たとえば「ソリューション」とか「インレグレート」という単語は、その前後の文脈にその具体的な要素、要件が書かれていないと、100人が100通りの想像をしてしまいます。 ですから、まずもってカメラを向ける実態がありません。 IT企業様ごめんなさい この嘆きがよく発生するのがIT事業のみなさんのお仕事。 一般的な多くの職業の現場は、特徴ある場所、機材、服装、手技などがあり、その様子を捉えれば、その仕事の様々なプロセスを映像化できます。 最大の悩み ところがIT産業の皆さんが行っている業務を表すハードウェアは、コンピュータ端末(周辺機器含む)と モニター に向かう人、通信回線(具体的には電線と接続機器の箱)周辺、あとはモニター画面に表示される文字の羅列や図表、グラフィック画像などです。 これらをどう組み合わせても、そう簡単に「ソリューション」とか「インテグレート」は表せません。できたとしても「なんとなくそんな感じ」。さらには、どのIT企業様も同じ絵になってしまいます。これが最大の悩み。 困った時の会議風景 列挙したような絵、構図を使い尽くすと、あとはミーティング風景や洒落たオフィスや、都市空間のなんとなく ネットワーク っぽい絵?みたいなことになっていきます。 イラストやCGならば、フロー図のような絵柄はよく使います。 充分足りる? これだけ羅列できれば十分のような印象を持つかもしれませんが、昔の VP (企業がつくるビデオ映像。たいがいは10分から20分くらいあった)だったら、これだけでは、まず「絵が足らない」ことになります。 ですから最近のビデオ(映像、動画)は数分程度に収めることが多いのも、こういう「撮る絵がない」ことにも理由があって、 モーショングラフィック やアニメなどの手法で映像化することが増えたからです。これらの手法は映像の流れ(構成?)が単調にならざるを得なくて、3分を超えると視聴離脱が避けられなくなるからです。 嘆き節でおわり? 嘆くばかりで恐縮ですが、この時代「映像をつくろう!」と言ってくださる企業はIT関係が多いので、我々映像制作会社の人間は、嬉しいような困ったような状況なのです。 実際のIT企業の PR ビデオでよく使用される絵柄は、その企業が提供するサービスや製品、そして企業文化などを視覚的に表現するために、様々なものが活用されています。 一般的な絵柄と、それらが表す意味の一例 抽象的な図形: 円や三角形、波線など。 革新性、成長、つながり、変化などを象徴的に表現します。 例:企業ロゴに組み込まれた抽象的な図形は、その企業のアイデンティティを象徴します。 技術的な要素: 回路基板、コード、サーバー、クラウド、グラフなど。 IT企業の技術力や専門性を強調します。 例:ソフトウェア開発企業のPRビデオでは、コードが高速で流れる様子を表現することで、開発スピードの速さをアピールします。 人との繋がり: 人々が笑顔でコミュニケーションを取っている様子、チームで協力している様子など。 人材の重要性や顧客との関係性を重視していることを示します。 例:コンサルティング企業のPRビデオでは、クライアントと社員が一緒に問題解決に取り組んでいる様子を映すことで、顧客との共創を強調します。 都市や風景: 未来都市、自然風景、オフィス空間など。 企業の活動範囲や、提供するサービスが社会に与える影響などを表現します。 例:グローバルに展開するIT企業のPRビデオでは、世界中の都市の風景を映し出すことで、グローバルな視点を持っていることをアピールします。 データや数字: グラフ、 チャート 、数字など。 企業の成長や実績、データ分析能力などを視覚的に表現します。 例:データ分析企業のPRビデオでは、大量のデータが可視化される様子を映し出すことで、データ分析の重要性を強調します。 「絵にならんなあ」という嘆き 【関連記事】 カメラに写 らないモ ノやコト BtoB映像制作・「映 らない権 利」職場の撮影時には全員に肖像権の確認を 撮影し ない映 像制作もある ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- 会社案内ビデオの撮影を社内に根回しする
全社網羅的な会社案内ビデオを制作するとしたら、企業の制作担当者は、どのような作業をしなくてはならないでしょうか。思いつく限り列挙してみます。あくまで思いついたものですので、こんなに必要ないかも知れませんし、もっと必要な場合もあります。 会社案内ビデオの撮影を社内に根回しする 1. 映像を制作する事を経営陣への報告と承認 - 撮影の目的、日程、場所、撮影内容の詳細を経営陣に報告し、最終承認を得る - 必要に応じて、経営陣からのメッセージや出演の調整を行う 2. 社内への周知 - 全社員向けに撮影の概要、目的、日程を説明する全体メールを送信 - 部門ごとの朝礼やミーティングでの説明を各部門長に依頼 - 社内掲示板やイントラネットでの告知 3. 撮影対象部門との調整 - 撮影対象となる部門の責任者と個別に打ち合わせを行い、撮影内容や時間を確認 - 撮影に協力してくれる社員の選定と事前説明 - 撮影当日のスケジュールや注意事項の共有 4. 施設管理部門との連携 - 撮影場所の確保と必要な設備(電源、照明等)の準備依頼 - セキュリティ面での配慮事項の確認(機密情報の隠蔽、立ち入り制限区域の確認等) - 駐車場や搬入経路の確保 5. 法務部門との確認 - 撮影や映像使用に関する契約内容の確認 - 肖像権や著作権に関する注意事項の確認 - 社員の撮影同意書の準備と取得方法の確認 6. 広報部門との連携 - 会社案内ビデオの内容や表現方針の最終確認 - 社外公開時の PR 戦略の検討 - SNS 等での撮影風景の発信可否の確認 7. 人事部門との協力 - 撮影に参加する社員の選定支援 - 撮影当日のドレスコードや身だしなみの指示 - 社員のモチベーション向上策の検討(撮影参加者への感謝の意を表す等) 8. IT 部門との調整 - 撮影機材の社内 ネットワーク への接続可否の確認 - 情報セキュリティ上の注意事項の確認 - 必要に応じて、一時的なゲスト Wi-Fi の設定依頼 9. 撮影対象社員への個別フォロー - 撮影に参加する社員への個別説明と同意取得 - 撮影当日の服装や準備物の指示 - インタビューがある場合は、質問内容の事前共有と回答の準備支援 10. 撮影場所の下見と準備 - 映像制作会社と共に撮影場所の下見を実施 - 必要な備品や設備の準備リストの作成 - 撮影場所の清掃や整理整頓の手配 - ドローン撮影に関する確認、申請 11. 撮影当日のスケジュール作成 - 詳細な撮影タイムテーブルの作成 - 各部門や個人の撮影時間の割り当て - 休憩時間や昼食時間の設定 12. 緊急時対応の準備 - 撮影中断時の代替案の検討(悪天候時の対応等) - 緊急連絡網の作成と関係者への共有 - 救急箱や AED の場所の確認 13. ケータリングの手配 - 撮影スタッフや参加社員向けの軽食や飲み物の準備 - 長時間撮影の場合は昼食の手配 14. 撮影後のフォローアップ - 参加社員への感謝の意を表する文書の準備 - 撮影の様子や完成イメージを社内で共有する計画の立案 - 映像制作会社からのフィードバックの受け取りと社内共有の準備 15. コンプライアンスの確認 - 撮影内容が法令や社内規定に抵触しないかの最終確認 これらの手続きや根回しを丁寧に行うことで、スムーズな撮影の実施と、質の高い会社案内ビデオの制作につながります。また、社員の協力を得やすくなり、会社の一体感を高める良い機会にもなります。撮影の規模や会社の文化によって、さらに詳細な準備が必要になる場合もあります。常にコミュニケーションを密に取り、臨機応変に対応することが大切です。 安心して会社案内動画制作を 近年では会社案内ビデオと言っても、パンフレットの会社案内のような総花的に情報を網羅するようなものは珍しく、ほとんどが採用目的やブランドイメージづくりのために内容を絞った短いものです。撮影先も限られますし、すでに所持している映像素材もあると思います。たぶんここまでの手続きは無用です。ご安心ください。 【関連記事】 インタビューによる採用動画と 会社案内映 像の制作 採用動画と 会社案内動 画を別々に制作すべき理由 1分の 会社案内動 画は「わかりやすい」の? 会社案内パ ンフレットと 会社案内ビ デオどちらが重要? ©copyrigt2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 ブログ 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語索引
- 日本文化における広報活動
広報なんてなくてもいい!? 集団や組織には、広報されることを嫌う人が必ず存在します。旧態然とした文化の企業や団体に多く、情報を囲い込むことが保身となる役職の人たちです。ガバナンスやコンプライアンスが脆弱な組織や人にとっては、広報=セキュリティホール以外の何物でもありません。彼らにとって広報は保身を脅かす落とし穴です。 広報の仕事は社会との対話 アナウンス・・・事業活動や商品に関する PR 、告知 インフォメーション・・・情報提供、広告 コミュニケーション・・・顧客管理、クレーム対応、リスクマネージメント、広告 レポート・・・IR、規制当局に対する報告、ステークホルダーへの情報開示 レコード・・・記録、保存 とっても面倒くさいから嫌われる これらをきちんとやろうとすると、全社各部署が100%機能していて、それぞれが事業や経過を明文化して共有、対外的に打ち出すための企業方針を関連部署と整合させながら、必要な対象に過不足なく公正かつ公平に情報公開、社会と対話していかなければなりません。 おわかりになると思いますが、広報がちゃんとしていると、ちゃんと働いていない部署が明白になってきます。だから広報担当者は結構嫌われます。 男は黙って・・・ 男は黙ってサッポロビール これは昔の広告コピーですが、阿吽の呼吸とか男は黙ってとか・・・。 古来からかどうかは僕は知りませんが、日本では「不言実行」を美徳する生き方が尊ばれてきました。だからなのか、とかく自分の口で自分の事をアピールすると「嘘くさい」「いんちきくさい」と、今でも言われる傾向があります。 翻って、広報という仕事をする人間は「チャラい」とか「軽薄」という先入観も持たれているようです。実際、広報担当というとすぐにテレビや雑誌などのメディアやメディアに登場する人との人間関係をひけらかす人も多いことは事実です。 良い商品さえつくっていればなんて昔のこと 広報活動に非協力的な人たちは同音異口に、日本文化を盾に「よい商品を作ってさえいれば売れる」「よいことをやっていれば認めてもらえる」なんて言います。 これは断言できます。 いくら良いものでも、知らないものは買えません。いくらよい活動でも 社会に働きかける組織である以上、内緒でやっていては意味がありません。今の時代、たいして良くないものをすごく良いもののように言う輩が蔓延しています。そんな中でほんとうによい商品や活動を社会に支持してもらおうと思うならば、こちらも広報するしかありません。 自慢は控えめに ただし日本文化においては「自作自演」は適度にしておかないと、それこそ「よいものに見えない」と思われます。 だから日本における広報の極意は「自慢」ではなく「他慢」です。 「自分で言っちゃーおしまいよ」なのです。 その匙加減「ひねり」をコントロールするのが広報担当者の極意です。 リスクマネージメントに真髄あり そして、もうひとつ大事こと。 それは広報活動によって組織が社会と対話を継続することで、万が一の不祥事や事故に対するイクスキューズ、リスク管理をするための、組織と社会とのパイプが形成されることです。 このパイプを持たない組織は、マスコミやソーシャル ネットワーク 社会の餌食となり炎上するしかありません。 「黙っていることは無いと同じ」「黙っていることは認めたと同じ」なのです。 社会的に存在する組織にとって、広報活動は必須です。 広報しない組織は無いのと同じです。 広報を持たない組織は無防備です。 さて、今は映像の時代。 悪意はすぐに蔓延しますが、その火をを消すのもまた映像の仕事かも知れません。映像を制御するスキルは広報を制御するスキルと、とても似ているのです。 【関連記事】 企業における 広報の 重要性と映像プロデューサーの役割 マーケティング 戦略における広報と広告の違いから動画・映像制作を考える IR【投資家向け 広報 】映像・動画は会社案内ビデオとは別に制作を ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- フリーランス・名古屋の映像制作業界でいくら稼げるか
現在、映像制作業界で働く人たちは、大雑把に言って「動画クリエーター系」と「映像制作会社系」の分けられます。非常にルーズな表現ではありますが、とても的を得ている分類に思えます。 現在、ここ名古屋でも多くの人がフリーランスとして働いていますが、このふたつの系統によって請け負う仕事の相場観が異なります。名古屋の動画・映像制作業界のフリーランスたちの収入の相場観を、このふたつの系統で見てみます。 動画クリエーター系とは おおよそ2010年頃以降に映像制作の仕事を始めた人で、既存のプロダクションに所属していた経験がなく、カメラないしは編集、CG制作などを軸にキャリアを積み、徐々に仕事の範囲を広げ、制作全般を引き受ける窓口になっている人たちです。制作プロセスの管理は独自のスタイルを持っていて、固定的な仲間との協業でビジネスを進める人が多いです。 映像制作会社系とは 2010年頃以前にプロダクションに所属して、制作進行やカメラ助手、アシスタントディレクターとしてキャリアをスタートさせ、制作・演出系の人はディレクターやプロデューサーとなり、技術系の人たちはカメラマン、CGクリエーターとして1人前になった人たちです。映像制作の一通りのプロセスに精通していて、人的 ネットワーク も幅広く持っています。 系統による価格体系の違い 動画クリエーター系 動画クリエーター系の制作予算は外形的な条件(撮影日数、尺、ナレーション有無など)によるグロスの予算で仕事を受注することが多いです。したがって見積明細は撮影、編集、録音といった大雑把な項目です。 映像制作会社系 シナリオ に基づいて項目別に積算した見積書を提出して予算を確定することが多いです。したがって見積書には詳細な項目について単価や数が記入してあり、それぞれの業務の作業内訳や人工賃がいくらであるかも明示されています。 フリーランスとしていくら稼げるか 動画クリエーター系 自分で完パケ受注できるようになることで、フリーランスとして自立したと言うとすれば、この時点での月収(粗利益)は30万円から90万円という印象があります。ディレクター、カメラマン、 エディター を兼ねている例も多いため、1ヶ月に制作できる本数に限りがあることがネックになります。 映像制作会社系 映像制作会社を退職してフリーランスになった場合、その職種によって月収の可能性は異なります。 しかし、制作会社時代に身につけた映像制作全般の知識、経験、技能とプレステージにより、一定の付加価値が付与されていて、数をこなせば月収を増やすことができます。 以下、私の収入相場観です。あくまで目に入る範囲内での印象ですので、これを超える方ももちろんいる可能性はあります。 プロデューサー兼ディレクター兼カメラマン兼エディター 月収目安:50-200万円 プロデューサー兼ディレクター兼エディター 月収目安:50-150万円 プロデューサー兼ディレクター 月収目安:50-120万円 ディレクター兼カメラマン 月収目安:50-100万円 ディレクター 月収目安:35-80万円 エディター 月収目安:25-100万円 CGクリエーター 月収目安:25-80万円 カメラマン 月収目安:25-60万円 ※東京を中心とした都市圏では、3割から5割の上乗せになります。 ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- 昔ながらの会社案内ビデオを考える
10分以上あった会社案内ビデオ 今では一部の大企業がひっそりと制作するだけとなってしまった「昔ながらの会社案内」。 会社案内をビデオ化することが定番だった頃(1985年〜2005年頃?)、その内容はまさに会社案内パンフレットを映像化したもので、尺は短くて10分、長くなると20分にもなることが少なくありませんでした。当時の視聴環境にはインターネットは想定されておらず、視聴はもっぱらVHSテープないしは、会場を設定しての上映会。視聴者はいやでも視る義理がある人でしたので、視聴離脱者のことなどあまり想定していませんでした。ただし、そんな中でも制作者たちは視聴者を楽しませ、飽きさせない工夫しながらクライアントのメッセージを届けていました。 盛りだくさんのコンテンツ 当時よくあった会社案内ビデオのコンテンツ(構成)を振り返ってみます。想定したのは世界にも進出している社員数万人規模の製造業会社です。会社案内という総花的な内容ではあっても、必ずテーマを設けることは常識でした。尺は10分。 昔ながらの会社案内ビデオを考える ①歴史と革新の軌跡 会社設立の経緯と創業者の理念(30秒) 年代順に主要な製品開発や技術革新をハイライト(2分) 国内外での事業拡大の歴史(1分30秒) 現在の主力製品や事業領域の紹介(2分) 最新の研究開発施設と取り組みの紹介(1分30秒) 未来へのビジョンと持続可能な社会への貢献(1分30秒) 社員インタビュー:長年勤務している社員の声(1分) この構成では、会社の長い歴史と継続的な革新を強調します。創業から現在まで、そして未来へと続く会社の歩みを時系列で紹介することで、安定性と進取の精神の両立を印象づけます。技術の進化と共に成長してきた会社の姿を示すことで、視聴者に信頼感と期待感を与えます。 ②グローバルネットワークと地域貢献 日本地図上で全国の拠点を紹介(1分) 主要な国内拠点のハイライト(工場、研究所等)(2分) 世界地図で海外拠点を表示(30秒) 主要な海外拠点の紹介とローカライズの取り組み(2分) 各地域での社会貢献活動やCSR活動の紹介(2分) グローバルと地域の両面で活躍する社員インタビュー(1分30秒) 今後のグローバル戦略と地域密着の方針(1分) この案では、会社の広範な ネットワーク と各地域での存在感を示します。国内外の拠点を視覚的に示すことで、会社の規模と影響力を印象づけます。同時に、各地域でのきめ細かな活動を紹介することで、大企業でありながら地域に根ざした企業であることを強調します。 ③製品ラインナップと技術力のショーケース 主力製品カテゴリーの概要(1分) 各カテゴリーの代表製品をクローズアップ(3分) 製品開発プロセスの紹介(1分30秒) 品質管理システムと生産技術の紹介(1分30秒) 独自技術や特許の紹介(1分) 顧客の声:製品使用の実例と評価(1分) 未来の製品コンセプトや新技術の予告(1分) この構成では、会社の製品と技術力に焦点を当てます。多岐にわたる製品ラインナップを紹介することで、事業の多様性と安定性を示します。同時に、開発から生産までの一貫したプロセスや独自技術を紹介することで、高い技術力と品質へのこだわりを印象づけます。 ④人材育成と企業文化 人材育成の基本方針(30秒) 新入社員研修プログラムの紹介(1分) キャリア開発支援制度の説明(1分) グローバル人材育成の取り組み(1分30秒) ダイバーシティ&インクルージョンの推進(1分) 働き方改革や福利厚生の紹介(1分30秒) 様々な部署の社員インタビュー(2分30秒) 経営陣からのメッセージ(1分) この案では、会社の最大の資産である人材に焦点を当てます。充実した人材育成制度や働きやすい環境を紹介することで、社員を大切にする企業文化を強調します。多様な社員の声を紹介することで、活気ある職場の雰囲気を伝えます。 ⑤イノベーションと社会貢献 会社の企業理念とミッション(30秒) 過去の革新的な製品や技術の紹介(1分30秒) 現在進行中の主要な研究開発プロジェクト(2分) オープンイノベーションや産学協同の取り組み(1分) 環境保護や省エネルギーへの取り組み(1分30秒) SDGsへの貢献や社会課題解決への挑戦(2分) イノベーターや若手研究者のインタビュー(1分30秒) この構成では、会社のイノベーション精神と社会貢献の姿勢を強調します。過去から現在、そして未来へと続くイノベーションの流れを示すことで、常に進化し続ける企業イメージを印象づけます。同時に、様々な社会課題への取り組みを紹介することで、企業の社会的責任を果たす姿勢を示します。 時代を反映 1、2、3、4、5の順で今っぽい内容になりました。 視聴環境がインターネットを通じたものにシフトが進むに連れて、映像の尺は短くなり、テーマや対象もよりセグメントしたものになってきたことはご承知のとおりです。 「会社案内を映像で」とうリクエストは今でもたいへん多いテーマですが、上記をご覧いただくとわかるとおり、一般的な会社案内情報は多項目にわたるものですので、「30秒で」「3分で」とお考えの場合は、情報項目をひとつに絞ることをお勧めします。 【関連記事】 インタビューによる採用動画と 会社案内映 像の制作 採用動画と 会社案内動 画を別々に制作すべき理由 会社案内ビ デオの撮影を社 内に 根回しする 1分の 会社案内動 画は「わかりやすい」の? 会社案内パ ンフレットと 会社案内ビ デオどちらが重要? ©copyrigt2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 ブログ 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語索引
- リモート生番組の最大ネック「配信遅延」
画質度外視はいつまで続く? たぶん半分くらいの映像がスマホのカメラを通じて、携帯電話の通信環境で送られているように見えます。それにしても、なんであれほど汚い映像になるのか?画面が暗いのは照明をあててないからだろうけれど、今のスマホカメラは明るくない環境でも結構、くっきりした映像を映します。日頃スマホで動画を撮って、SNSにアップしている時に見る画質と著しい差があるのはなぜなのでしょうか? 「配信遅延」 実はネット通信にはデジタル通信ならではの遅延があるからです。よく地球の裏側のようなところと生中継でつなぐと起こる、あれです。生放送ですと出演者どうしの掛け合いのタイミングが合わず、出演者だけでなく視聴者側もイライラしますよね? 配信遅延が発生する主な原因 ネットワーク環境: 回線速度: アップロード速度が遅いと、データの送信が間に合わず、遅延が発生します。 ネットワーク congestion: 複数のユーザーが同時に ネットワーク を利用することで、回線が混み合い、遅延が発生します。 パケットロス: データが途中で失われることで、再送が必要になり、遅延が発生します。 サーバーの処理能力: エンコード 処理: 映像データを配信形式に変換する処理に時間がかかると、遅延が発生します。 同時接続数: 多くのユーザーが同時に接続すると、サーバーの負荷が高まり、処理が遅れて遅延が発生します。 配信ソフトウェア: 設定: 配信ソフトウェアの設定が適切でない場合、遅延が発生することがあります。 バグ: ソフトウェアのバグによって、予期せぬ遅延が発生することがあります。 配信コンテンツ: 映像品質: 高画質な映像ほど、データ量が多くなり、遅延が発生しやすくなります。 ビットレート : ビットレートが高いほど、データ転送量が多くなり、遅延が発生しやすくなります。 遅延が気にならないギリギリの通信レートで生中継 送受信するデジタルデータの情報量を抑えれば、それだけ遅延も抑えられます。高画質での送受信は可能ですが、そうすると遅延がひどく、コミュニケーションが成立しないことになりかねないのです。だから画質を犠牲にして、生コミュニケーションを成立させているわけです。 録画番組ならば編集すればなんとかなる あちらとここちらのリモート出演者が、遅延を前提にして、相槌をうたず、返答は相手の声を聞き終わってから、というルールで収録して、間の悪い隙間を編集で削除してしまえば、ひとまず視聴者のイライラは回避できます。 でもなんか変 それは避けられません。人間の対話というのは相槌や間を入れない反応などによって、対話の「雰囲気」もつくられているからです。それが無いとなれば、どこか作り事のようなやりとりに聞こえ(見えて)しまうはずです。 誰が進化させるか? 3密回避、交流自粛が終わると、今のリモート番組というスタイルも終了するのか、はたまた新型コロナ災禍のオトシゴとして残るのでしょうか?もし残るものなら、何らかの進化を見せることになるはずです。たぶんこの状況はしばらく続きますから、早ければすぐにでも進化版が登場するかも知れませんね。やっぱりNHKあたりから生まれるのでしょうか。 リモート生番組の最大ネック「配信遅延」 【関連記事】 研修・セミナー動画のつくり方(3カメ以上✕スイッチングアウト 配信 ・収録) LMSの設定、運用と動画コンテンツの企画・制作 ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- 映像編集はどのように行なっているのか
映像制作会社に発注くださるお客様に、映像 編集 の仕組みと、このプロセスで何が行われるかを理解いただくことは、編集・試写・修正編集をできるだけ短期間に終えるために、とても有意義だと思いますので、説明します。 ノンリニア編集 この言葉を聞いたことがあると思います。いまほとんどの編集作業はこの ノンリニア編集 によって行われています。この対義語はリニア編集なのですが、具体的には「テープ編集」のことです。テープ編集はいまはほとんど行われていません。アナログ時代のすべての期間と、デジタル時代に入ってしばらくの間がテープ編集の時代でした。 ノンリニアは「非直線」と訳せますが、これがどうして映像編集と関係あるのか、よくわからないと思います。ノンリニア編集は、リニア(テープ)編集のように時間軸に沿って順番に編集する必要がないことから、「ノンリニア(非線形)」という名前が付けられました。 つまり、リニア(線形・ 物事 が 順序立て られたり、 段階的に 進行する 様子 )ではない、ということが名前の由来となっています。 ノンリニア編集の一般的な手順 素材の取り込み 撮影された素材、写真データ、作画したデータ、音声素材などをSDカードなどのメディアから編集に利用するパソコンのHDD、SSDにコピーします。この段階では高画質を維持するために、できるだけ 圧縮 されていないデータであるべきですが、パソコンの性能によっては レンダリング 時間が多くなりますので、適切なデータ形式に変換して保存することもあります。編集時点で変換することもできます。 編集ソフトの起動・プロジェクトの設定 Adobe Premiere Pro、Final Cut Pro、DaVinci Resolveなどが業務用としてよく利用されています。編集ソフト上で新しい プロジェクト を作成し、1.で取り込んだ素材を読み込みます。 高画質で重いデータを編集する場合は、「プロキシ」という軽いデータに置き換えて編集することもあります。 素材の整理・タイムラインへの配置 取り込んだ素材を用途別に複数のフォルダに整理し、必要な部分をピックアップして タイムライン に並べます。この操作はフォルダ内のデータファイルをカーソル/クリックでピックアップして、タイムラインにドロップするだけでできます。編集したい順序に素材をタイムライン上に配置します。 カット編集 素材の不要な部分を カット ( トリミング )し、必要な部分だけを残します。別な動画ファイルも同様にトリミングして、前のカットに並べて置き、「つながり」を調整します。この操作もカーソルとクリック、ショートカットキーなどの簡単なものです。 トランジションの追加 カットとカットの間に トランジション (場面転換効果)を追加します。タイムラインには複数のトラックがあるので、同じ時間の場所にカットを重ねて置き、上のカットの透過率を制御して「 オーバーラップ 」させることもできます。 エフェクトの追加 映像に エフェクト (色調補正、ぼかし、特殊効果など)を追加します。こうした効果は キーフレーム という制御ポイントを設定することで、キーフレームの間を連続的に変化させることもできます。 テロップの追加 映像に テロップ (文字情報)を追加します。 音声の編集 音声の音量調整、ノイズ除去、 BGM や 効果音 の追加などを行います。 プレビュー・仕上げ 編集した映像を何度も プレビュー し、修正点がないか確認します。 書き出し 完成した映像を目的の形式(MP4、MOVなど)で書き出します。 まとめ 3分の映像の編集であっても、細かく編集されるものではタイムラインに何百ものカットが重層的に並びます。また現場音、 ナレーション 、効果音( SE )、音楽などの音声素材も重層的に置かれています。それらの素材は フレーム 単位(多くの場合1/30秒)で調整されて置かれています。その微細な調整が集まって数分のコンテンツとなっています。 そのため、一箇所の微細な修正でも全体に影響を与えることがあります。しかも非常に簡単な操作でファイルや設定が変更できるため、気付かぬうちにファイルが動いたり、設定が変わっていることがあります。 ノンリニア編集はリニア編集に比べて非常に自由度が高い編集技術ですが、同時に非常に神経を使う作業でもあります。 【映像編集の基礎知識】 ▶︎映像のカット割りとつなぎの基本 ▶︎映像編集の基礎知識(1)スクリーン・ダイレクション ▶︎映像編集の基礎知識(2)カット・アウェイ ▶︎映像編集の基礎知識(3)ジャンプ・カット ▶︎映像編集の基礎知識(4)コンティニュイティ編集 【カット割とはなにか】 ▶︎動画・映像制作におけるカット割とは何か ▶︎カット割りの実際 - 基本的な手法と考え方 ▶︎カット割りの応用と実践 - より豊かな表現のために ▶︎映像制作における言語とカット割 【カメラワークとカット割】 ▶︎ 忍び寄るものを予感させる演出とカメラワーク、カット割り ▶︎ カメラワークによる感情表現 ▶︎ 弊社の作品事例 ▶︎ 動画・映像制作用語集 ©copyrigt2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- 映像の画質(解像度)について
冷や汗が出るアナログ時代 アナログ時代の映像技術といったら、今から考えると冷や汗が流れるくらい「こころもとない」ものでした。放送用カメラがフィールドに出られる小型になり、「この画質がこんな小さなカメラで!?」と一斉を風靡した「池上HL-79E」(周辺機器含め1式でover1,000万円!)の時代でさえ、結局テレビ画面で視ることができる画素数( 解像度 )は640✕480、後に720✕480。 編集=画質劣化の時代 そのコンテンツは磁気テープにアナログ信号で記録されていましたから、「ダビングすると画質が劣化する」のは当然でした。「編集」という作業は「 ダビング 」と同じ作業。だから一度編集した素材をもういちど編集すると、ダビングを2度行ったことになり、その画像ときたら目を覆いたくなるようなボケボケの画質でした。だから、放送に耐える画質を維持するためには、絶対に編集一世代で完成させなくてはならず、様々な効果(今で言えば編集ソフトの「プラグイン」か?)を生む機器と合わせて、編集機器1式は1億円とか数億円というのがアタリマエの時代があったのです。 時代は流れてデジタルに 4K (3,840✕2,160)画質なんていうのが一般家庭でも撮影できてしまうし、編集だってちょっと機材に投資すれば誰でもできちゃう時代になりました。 圧縮 率に気をつけて編集すれば、数回編集を重ねても画質の劣化に気が付かれないことも可能です。 「高画質=プロ」ではない さて、はじめに書いたアナログ時代には「高画質=プロ」でしたから、機材を整え、それを扱えることだけでもビジネスになり得ました。もちろん シナリオ 作家や 演出 家が居なくては映像は完成しませんが、あの時代には機材を揃えられる企業も数が限られていましたから、そういうプロダクションにはたいがい、ちゃんとした映像制作のプロが居ました。 映像制作会社もごまんに 逆に今は、誰でも機材は揃えられますから、「映像制作会社」「動画制作プロダクション」を名乗る会社、個人が何万と(5万と?)あります。さて問題は、そこに映像の作り方を知っている映像制作のプロが居るかどうかです。少々高画質で綺麗な映像を撮影(編集)することは、今は誰でもできます。 「画質がいい」だけではだめ これだけでは企業映像制作ビジネスは成り立ちません。 実際、私たちが拘っているほどクライアント、視聴者は「画質」に拘っていません。だって、今は4Kで撮って4Kで編集して、 FHD でデータ納品が主流です。ところが半分くらいのクライアントがいまだに「DVDでもちょうだい」とおっしゃいます。 DVDというのはdateDVDじゃありません、 DVD-video です。お客さんは画素数720✕480とかのDVD-videoで平気なんです。 肝心なのはソリューションを解決しているか BtoB 映像は、視聴者にちゃんと伝えたいことが伝わって、視聴者の内外面に所定の効果が出ることが第1目的。 もちろん私たちはプロですから、画質についてはうるさいです。 でも、それはこちら側の問題(常識)であり、お客様はその先のことを見て、結果を期待しています。 BtoB映像制作業は、このことを忘れてはいけないと思っています。 本文とはあまり関係ありません 【関連記事】 2023年の企業広告動画「 画質リ テラシー技」はもう使えない!? 映像プロの仕事としての画像管理と 画質リ テラシーの変遷 映像・動画制作におけるシネマティックの本当の意味 ©copyright2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典
- IR動画制作-統合報告書を映像化する
統合報告書は、企業が財務情報だけでなく、非財務情報も統合して開示するもので、近年注目を集めています。統合報告書が注目されるようになった背景には、以下の要因が挙げられます。 ステークホルダーの多様化と意識の変化 従来の企業は、株主への説明責任が中心でした。しかし、近年では、従業員、顧客、地域社会、環境など、企業を取り巻くステークホルダーが多様化し、それぞれのステークホルダーが企業に対して様々な情報を求めるようになりました。 非財務情報の重要性の高まり 企業の価値は、財務情報だけでなく、環境への取り組み、社会貢献、企業のガバナンスなど、非財務情報によっても大きく左右されることが認識されるようになりました。 国際的な動向 海外では、統合報告書が既に普及しており、国際的な投資家からも非財務情報の開示が求められるようになってきました。 これらの背景から、日本でも企業が自社の価値をより多角的に示すために、統合報告書を作成する動きが広がっていきました。 統合報告書とは何か 統合報告書は、企業の財務情報と非財務情報を統合し、企業の価値創造プロセスを説明する報告書です。具体的には、以下の情報が含まれます。 財務情報 損益計算書、貸借対照表など、従来の財務諸表 非財務情報: 戦略: 中長期的な企業戦略、ビジネスモデル ガバナンス: 企業の統治体制、リスク管理 サステナビリティ: 環境への取り組み、社会貢献、人材育成など 成果: 目標達成状況、KPI 連結性 上記の情報を相互に関連づけ、企業全体の価値創造プロセスを説明 企業のストーリーを伝える統合報告書 統合報告書は、単なる情報の羅列ではなく、企業のストーリーを伝えるものです。企業がどのような価値を創造し、持続可能な成長を目指しているのかを、ステークホルダーに分かりやすく伝えることを目的としています。 評価機関は取り組み、環境や人事データの網羅的な情報を重要だと考えますが、投資家が求めるのは網羅的な情報ではなく、簡潔にまとめられた戦略と企業価値創造ストーリーです。 そのためこの統合報告書は企業の現在だけでなく、未来向けてどれだけ価値を生み出していけるのかを、投資家に プレゼンテーション するツールと言えます。 映像化に適した要素がたくさんある統合報告書 そういった意味で、統合報告書いは映像化に向いた情報要素がいくつも存在します。統合報告書において映像PRに適した項目と理由を説明しましょう。 1. サステナビリティに関する取り組み 統合報告書において、サステナビリティに関する取り組みは重要な項目の一つです。環境への配慮、社会貢献、そして企業のガバナンスなど、多岐にわたる取り組みが紹介されています。これらの取り組みを映像で視覚的に表現することで、企業の社会的責任を果たす姿勢を効果的に伝えることができます。 理由 抽象的な概念を具体的に示せる:サステナビリティは抽象的な概念ですが、再生可能エネルギーの導入、地域社会との連携、従業員の多様性など、具体的な取り組みを映像で視覚化することで、より理解しやすくなります。 感情に訴えかけることができる:映像は、文字や数値だけでは伝えられない感情を呼び起こすことができます。例えば、再生可能エネルギー発電所での風景や、地域住民との交流の様子などを映し出すことで、視聴者に感動や共感を抱かせ、企業への共感を深めることができます。 ストーリーテリングが可能:企業のサステナビリティに関する取り組みを、一つのストーリーとして描くことができます。例えば、ある製品の原材料の調達から製造、そしてリサイクルまでの過程を映像で追うことで、企業のバリューチェーン全体におけるサステナビリティへの取り組みを分かりやすく伝えることができます。 2. イノベーションと技術開発 多くの企業が、新たな製品やサービスの開発、そして既存事業のデジタル化など、イノベーションと技術開発に力を入れています。これらの取り組みを映像で紹介することで、企業の成長性や未来へのビジョンをアピールすることができます。 理由: 製品やサービスの魅力を効果的に伝える:映像は、静止画や文章よりも、製品やサービスの機能や特徴をダイナミックに表現することができます。例えば、最先端の製造ラインの様子や、新しい技術を使った製品のデモなどを映し出すことで、視聴者の興味を引き、製品やサービスへの理解を深めることができます。 企業の技術力をアピールできる:映像は、企業の技術力や研究開発能力を視覚的に示すことができます。例えば、研究室での実験の様子や、エンジニアのインタビューなどを盛り込むことで、企業の技術力の高さをアピールし、競合他社との差別化を図ることができます。 未来への期待感を高める:新しい技術や製品の開発過程を映像で紹介することで、視聴者に未来への期待感を抱かせることができます。例えば、自動運転車の開発や、人工知能の応用など、最先端の技術に関する映像は、視聴者の想像力を刺激し、企業の成長性を期待させることができます。 3. 人材育成と多様性 人材は企業にとって最も重要な資産の一つです。従業員の多様性、働き方改革、そして人材育成への取り組みは、企業の持続的な成長に不可欠です。これらの取り組みを映像で紹介することで、企業の文化や価値観を共有し、優秀な人材の獲得に繋げることができます。 理由: 企業の文化を伝えることができる:映像は、文字や数値だけでは伝えられない企業の文化や価値観を視覚的に表現することができます。例えば、社員インタビューや社内イベントの様子などを映し出すことで、企業の雰囲気や働き方をリアルに伝えることができます。 多様性の重要性を訴えることができる:従業員の多様性を映像で表現することで、多様性が企業のイノベーションや成長に不可欠であることを視覚的に訴えることができます。例えば、異なる国籍やバックグラウンドを持つ社員が協力して仕事をしている様子を映し出すことで、多様な人材が活躍する企業であることをアピールできます。 人材の育成への取り組みをアピールできる:社員教育プログラムやキャリアパスに関する取り組みを映像で紹介することで、人材育成への投資を重視していることをアピールできます。例えば、新入社員研修の様子や、ベテラン社員によるメンタリングの様子などを映し出すことで、人材育成に力を入れている企業であることを示すことができます。 これらの項目は、統合報告書に記載されている多くの項目の中でも、特に映像で効果的に表現できるものです。映像PRは、企業のステークホルダーに対して、より深く、より感情的に企業の魅力を伝えることができる強力なツールです。 映像による表現方法は多様にあります 近年主流となっている、代表者がヘッドセットマイクを着け、壇上に上がってスクリーンに映された映像を示しながらプレゼンテーションするスタイルを模した演出も可能ですが、おしゃべりに自信がない代表者であれば、プレゼン内容を裏付ける現場の映像や未来構想を VR風に見せるのもいいかも知れません。 当社では、こうしたビジネスをわかりやすく、しかも夢を形にするような映像づくりが得意です。ぜひご相談ください。 他社事例 当社の制作ではありませんが、大変上手い考え方で制作された例を紹介しておきます。 子供向けに企画された体ではありますが、それだけに大人が見てもたいへんわかりやすい演出がされています。 いっぽう、定番的な手法で制作されたのが、こちら。 低予算で制作できます。統合報告書を公開しておしまいにしないことが重要です。 ©copyrigt2025 映像制作会社 株式会社SynApps 映像制作実績 得意分野 品質管理 映像制作研究室 映像制作ガイド 見積もり/問合せ 映像制作用語辞典