動画・映像制作用語
【バッテラ】
focusinglight
「バッテラ」とは、バッテリーライトの略語で、手持ちないしはカメラに取り付けるバッテリー式の小型照明器具ですが、少し前の世代であれば東芝ライテック製の「バッテリフォーカシングライト」のことを指します。
東芝ライテック製のバッテリフォーカシングライト「AL-LB-5-2/AL-LB-5-2-N」は、ハロゲンライト球の強力な灯でありながら、アルミ製の軽くて強固な躯体を片手で持ちながら、フォーカスの調整もできる、ENGには必ず同道する必需品でした。バッテリーライトと言えば、これでした。
ただし、上記の型番の発売が2003年4月となっているため、私の記憶が確かなら、同型のフォーカシングライトは1980年代には使われていた記憶がありますから、当時は製造メーカーや型番が違っていたかも知れません。東芝ライテックでは灯体をLEDに替えたタイプも発売しましたが、現在は全て「生産完了」になっているため、新品は手に入らないようです。
しかし、この「バッテラ」ないしは「フォーカシング」と呼ばれた「名機」は、今もいちぶの照明マンやアシスタントに愛用されているようです。あまりに強力な光であったため、インタビュー撮影などでは目が眩まないよう、灯体を天に向けて点灯してから、パンダウンするように被写体に当てるのが礼儀でした。

【関連用語】
1. キーライト
撮影における主要な光源。被写体を最も明るく照らし、基本的な形や質感を表現します。多くの場合、被写体の正面やや斜めから当てられ、光の強さや質感が映像の雰囲気を大きく左右します。ライティングの基礎であり、最初に配置を検討する最も重要なライトです。
2. フィルライト
キーライトによってできた影を和らげるための補助的な光源。被写体の暗い部分を明るくし、全体の陰影を調整します。直接当てるだけでなく、レフ板やディフューザーを通して柔らかく当てます。自然な明るさを保ちつつ、細部の情報を引き出すために不可欠なライトです。インタビュー撮影など人物を自然に見せたい場合に活用されます。
3. バックライト
被写体の背後から当てる光。輪郭を際立たせ、立体感や奥行きを演出します。髪の毛や肩などを照らし、被写体を背景から分離させる効果も。強すぎると不自然になるため、他のライトとのバランスが重要です。映画やポートレート撮影で効果的に用いられ、ドラマチックな雰囲気を作り出すのに役立ちます。
4. センチュリー
照明機材やアクセサリーを安定して設置するための頑丈なスタンド。高さや角度を細かく調整でき、様々なライティングに対応可能です。アームやクランプと組み合わせて、ライトだけでなく、レフ板やカポックなどを保持するのにも使用されます。プロの撮影現場では不可欠な機材であり、安全性と柔軟性を両立しています。
5. レフ板
太陽光や照明の光を反射させて被写体を照らすための板。主にフィルライトの代わりに、あるいは補助光として使用されます。電源を必要とせず、持ち運びも容易なため、ロケ撮影などで重宝されます。人物撮影では顔の影を飛ばしたり、料理撮影では食材のツヤを出したりするのに効果的です。ロケ先でレフ板を忘れた時は、アルミホイルを買ってきて、くしゃくしゃにして板状のものに貼り付けて代用します。
6. カポック
レフ板の一種ですが、一般的に発泡スチロール製で片面が白く片面が黒(マット地)くなっています。補強した2枚を組み合わせて、自立するタイプもあります。光を遮る、光の拡散を抑える、逆に光を拡散させるなど、いろいろな使い方で光を調整します。