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動画・映像制作用語

【無変調】

muhencho

「無変調」とは、放送技術において電波に音声や映像などが付加されず、搬送波だけが飛んでいる状態のことです。

放送用の電波は、搬送波に変調(振幅、周波数、位相など)を加えることで、音声や映像信号を電波に載せ、受信端末側でこの信号を「復調」することで、音声や映像を視聴しています。この時、放送側の機材的なトラブルや人為的なミスによって、一定秒数以上無変調が続くと、放送事故として扱われ、電波法により放送局は総務大臣に報告する義務があります。

電波の発信そのものが停止することは「停波」と言い、勿論これも一定以上停波すると放送事故にあたります。放送業務は国の許認可事業であり、電波という公共的で有限な資源を利用しているため、放送局には安定した放送が義務付けられているからです。



ノンモンとNon Moduration


テレビCMの頭とお尻には半秒(15フレーム)の音が無い状態をつくることが、CM搬入ルールだということは、業界に入るとすぐに教えられることです。「頭15フレ、ノンモンでお願いします。」という言い方をします。「音がない」からNon(ノン)の「ン」と、音の「オ」がリエゾンして「ノンモン」なんだろう・・・と思っていました。うん十年と。

しかし、最近聞いた話ではノンモンがNon Modurationの略語だと言うのです。


ラジオ番組の生放送に関わっていた頃、私は「無変調」の状態に非常に敏感でした。わずか3秒間の無音でも、放送事故かとドキドキしたものです。現代のテレビやラジオ放送は安定していますが、昔は小さなトラブルでもすぐに無音状態が発生したのでしょう。そのため、意図的に無音部分を作る作業は、慎重に行われていたと想像できます。

ラジオ放送では、「無変調(ノンモン)」は放送事故を意味します。そのため、番組制作現場でも「ここはノンモン(Non Modulation)でいいですね」と、入念に確認していたのかもしれません。

「ノンモン」は当初、放送事故を連想させる言葉として使われていたと想像できます。そして、時間が経つにつれて「音が無い状態=ノンモン」という認識が定着したのかもしれません。

無変調

​【関連用語】

1. 搬送波


情報信号を伝送するために使用される、一定の周波数を持つ電波のことです。音声や映像などの情報は搬送波に乗せて送信されます。


2. AM変調


搬送波の振幅を情報信号の変化に応じて変化させる変調方式です。振幅の変化によって情報を伝達するため、比較的シンプルな回路で実現できますが、ノイズの影響を受けやすいという特徴があります。


3. FM変調


搬送波の周波数を情報信号の変化に応じて変化させる変調方式です。周波数の変化によって情報を伝達するため、AM変調に比べてノイズの影響を受けにくく、高品質な音声伝送が可能です。


4. 長波


周波数が30kHzから300kHzの電波のことです。波長が長いため、地表に沿って遠くまで伝わりやすく、船舶や航空機の航行、標準電波の送信などに利用されます。


5. 短波


周波数が3MHzから30MHzの電波のことです。電離層で反射しやすく、遠距離通信に適しています。アマチュア無線や国際放送などに利用されます。


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