ネットワーク
「ネットワーク (Network)」は、網の目のように相互に結びついた構造を持つシステムの概念を指します。複数のコンピュータや情報機器が接続され、データや資源を共有するためのシステム。インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などがこれにあたり、Internet Protocol(IP)によって制御されています。
Internet Protocol(IP)とは
IPはコンピューターネットワーク上でデータを送受信するための通信規約(プロトコル)であり、ネットワークの根幹をなす技術の一つです。近年ではカメラを含めた放送機器もネットワークで管理されるようになり、この技術に関する知見が必須になりつつあります。
1. ネットワークにおけるデータの送受信
ネットワークに接続されたコンピュータや機器(スマートフォン、サーバーなど)は、互いにデータをやり取りする際にIPという共通のルールに従います。IPは、データを小さなパケットに分割し、それぞれのパケットに送信元IPアドレスと宛先IPアドレスを付与します。ネットワーク上のルーターなどの機器は、この宛先IPアドレスに基づいて、パケットを目的地まで中継します。
2. IPアドレスによる識別
ネットワークに接続された各機器には、IPアドレスという識別番号が割り振られます。これは、ネットワーク上の「住所」のような役割を果たし、どの機器がどこにあるのかを特定するために使われます。
3. TCP/IPというプロトコル群
インターネットをはじめとする多くのコンピューネットワークでは、IP単独ではなく、TCP (Transmission Control Protocol) と組み合わせてTCP/IPというプロトコル群が利用されます。TCPは、データの信頼性のある送受信を保証する役割を持ち、IPはデータのルーティング(経路制御)を担当します。
4. ネットワークの種類とIP
インターネット
世界中のネットワークがIPプロトコルによって相互に接続された、巨大なネットワークです。
ローカルエリアネットワーク (LAN)
家庭内やオフィス内などの限られた範囲のネットワークでも、IPプロトコルが利用されることが一般的です。
IPネットワーク
IPプロトコルを使用して構築されたネットワーク全般を指す言葉としても使われます。
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【関連情報】
1. ルーティング(Routing)
ルーティングとは、インターネット上でデータを「どの道を通って目的地まで運ぶか」を決める仕組みのことです。たとえば、あなたがスマートフォンでWebサイトを開いたとき、そのデータは世界中のネットワークを通って届きます。そのとき、ルーターと呼ばれる機械が、どの経路を通るのがいちばん速くて安全かを判断しています。これがルーティングです。
ルーターは「ルーティングテーブル」という地図のような情報を持っており、それをもとに最適な経路を選びます。もしどこかの経路が混雑したり故障しても、自動的に別のルートを探してくれる仕組みもあります。つまり、ルーティングはインターネットを“渋滞しない道路”にするための交通整理のような役割を果たしているのです。
2. パケット(Packet)
パケットとは、インターネットでやりとりされるデータの小さなかたまりのことです。メールや動画などの大きなデータは、一度に送るのではなく、たくさんのパケットに分けて送信されます。
それぞれのパケットには、「どこから来たのか」「どこへ行くのか」「何番目のデータなのか」といった情報が書かれています。受け取った側のコンピュータは、それらを順番通りに並べなおして、もとのデータを再現します。もし途中で一部のパケットが届かなかった場合でも、再送をお願いして正しいデータを完成させます。つまり、パケット通信は“データを小包のように分けて安全に届ける仕組み”といえます。
3. サブネットマスク(Subnet Mask)
サブネットマスクは、IPアドレスの中で「どこまでがネットワークの住所で、どこからが個々の機器の番号か」を区別するための情報です。
たとえば、大きな会社の中では、全部のパソコンをひとまとめにするよりも、部署ごとにネットワークを分けたほうが便利です。そうすることで、通信の混雑を防ぎ、セキュリティも高められます。そのときに使われるのがサブネットマスクです。
数字の形(例:255.255.255.0)は少し難しく見えますが、要するに「どこまでが同じグループか」を示すマークのようなものです。これを使うことで、会社や学校のネットワークをきれいに整理できます。
4. NAT(Network Address Translation)
NATは、家庭や会社などの内部ネットワークで使われている「プライベートIPアドレス」を、外のインターネットで使われる「グローバルIPアドレス」に変換する技術です。
たとえば、家の中でスマホやパソコンが何台も同じルーターを使ってインターネットに接続できるのは、このNATのおかげです。外から見ると、家の中のどの機器も「1つのIPアドレス」に見えます。つまり、NATは“住所の代表者”のような役割を果たしているのです。
さらに、NATはセキュリティにも効果があります。外部からは、家の中(内部ネットワーク)の構造が見えないため、不正アクセスを防ぐことができます。
5. DNS(Domain Name System)
DNSは、インターネットの「住所帳」のような仕組みです。私たちは「www.google.com」などの文字でWebサイトにアクセスしますが、実際の通信では「142.250.190.78」のような数字(IPアドレス)が使われています。
DNSは、この“文字の住所”と“数字の住所”をつなぐ役割をしています。たとえば、あなたがブラウザに「www.yahoo.co.jp」と入力すると、DNSが自動的にそのサイトのIPアドレスを探し出してくれます。
このしくみがあるおかげで、私たちは難しい数字を覚えなくても、名前だけで目的のサイトにたどり着けます。もしDNSが止まってしまうと、世界中のWebサイトにアクセスできなくなってしまうほど、インターネットの基盤を支える重要な仕組みです。
