名古屋で映像制作会社を探すもうひとつの方法
- Tomizo Jinno
- 5月31日
- 読了時間: 4分
映像制作という分野に携わる人々は、その目的意識や価値観によって大きく異なる志向性を持っています。企業や組織が映像コンテンツを活用する際、制作を依頼するプロダクションをどう選ぶべきか悩むことも多いでしょう。そんなとき、制作者の「指向性」を理解することが、適切な判断材料の一つとなります。
以下では、代表的な3つのタイプをご紹介します。傾向を分かりやすく示すため、特徴を強調して記述していることをご了承ください。実際の制作者は、これらの要素を複合的に持っている場合が多いことも付け加えておきます。

1. 広範な影響力を求める「テレビ志向」のクリエイター
このタイプの制作者は、テレビ業界での活躍を目標とし、自らが手がけた映像ができるだけ多くの人々に届き、社会に大きな影響を与えることに価値を見出します。マスメディアに携わることを誇りとし、それを重要なキャリア実績として位置づける傾向があります。
彼らは視聴者数の多さを重視するため、訴求対象は大衆であり、いかにより多くの視聴者に受けるかを基準とするため、ニッチな領域に特化したビジネスに関する映像制作を、「難解なことは単純化する」ことで対応しがちです。
企業向け映像(BtoBコンテンツ)の制作を請け負うことはあっても、それは一時的な収入源という位置づけで、積極的にアピールポイントとして語ることは少ないようです。
近年では、WEBコンテンツやストリーミング配信を主軸としながらも、テレビ局との仕事も並行するプロダクションに、この志向性を持つスタッフが多く見受けられます。
2. 芸術性と独自性を追求する「映画志向」のクリエイター
映画制作に情熱を注ぐこのタイプは、広範な大衆よりも、自身の作品が持つ特定の世界観や思想を理解できる、より限定された層に向けて映像を創り出したいと考えます。現代ではネット配信向けドラマやコンテンツが増加し、この分野の制作者層も拡大していますが、かつては「より高尚な文化を担っている」という自負を持ち、テレビコンテンツを一段下に見る風潮もありました。
彼らが本流とするのは劇場公開映画の制作であり、その合間に手がけていたのが、高度成長経済時代に生まれた、今日のBtoB映像の源流ともいえる企業向け記録映画でした。大規模建設プロジェクトや技術的に困難な工事過程の記録映像などが典型例です。彼らの制作姿勢の根底には、商業的成功よりも芸術的表現や個人的ビジョンの具現化への強い想いがあるため、クライアントと請負業者という立場関係に、無頓着の人がいました。
現在、名古屋市には劇場映画を制作する映画会社はありませんが、独立系の小規模のプロダクションはあるかも知れません。
3. BtoB映像の変遷:マイナーな存在から専門分野へ
20世紀末まで:認知度の低い時代
20世紀末頃まで、「映像制作をしています」と自己紹介すると、「テレビ番組を制作されているのですね?」「どの番組に携わっているのですか?」「どちらのCMですか?」といった反応がほとんどでした。当時の一般認識では、映像制作=テレビで放送されるコンテンツ制作だったのです。
「映画を制作されているのですか?」と問われることは稀で、映画は映像とは別の独立したジャンルとして捉えられていました。CM制作についても、BtoB要素を含むものはありますが、大半は一般消費者向けメッセージの発信が目的であり、制作者の動機もテレビ番組制作志望者と類似していました。
当時のBtoB映像、いわゆるVP(ビデオパッケージ)は極めてニッチな領域で、その存在は一般にはほとんど知られていませんでした。
21世紀のBtoB映像クリエイター:専門性の追求
現在のBtoB映像制作会社にも様々な流派があります。テレビ放送への憧れを持ち続けるプロダクションもある一方で、純粋にBtoB映像制作を専門とするプロダクションも存在します。
後者のタイプは、本質的にニッチな対象に向けた映像制作にこそやりがいを感じ、自身がマイナーな存在であることを潔しとしています。しかし、今日の社会において動画活用は広告・広報・コミュニケーションの主要手段として認識され、BtoB映像もその表現力や技術において大きな進化を遂げています。
先端的な映像表現や技術面では、テレビや映画を上回る革新性を示している分野も少なくありません。
おわりに
あなたの組織が映像制作のパートナーを選ぶとき、どのタイプのクリエイターと協働したいでしょうか?目的と相性を見極めることが、成功する映像プロジェクトの第一歩となります。それぞれの会社のホームページをよく見ていくと、指向性が表れているはずです。
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