動画・映像制作用語
【カメラ目線】
cameramesen
「カメラ目線」とは、被写体となっている人が撮影しているカメラのレンズを見ている状態のことです。
「カメラの目線」ではありません。
カメラ(レンズ)に向かってカラダが正面を向いていても、斜めになっていても、視線がカメラに向かっていればカメラ目線となります。
1. 視聴者を見ているように見えるカメラ目線
この状況で撮影された映像や写真を見ると、視聴者は被写体の人が自分を見ているような感覚を覚えます。「モナリザの微笑み」が自分に向けられているように感じるのと同じ原理です。
一般的な物語で描かれる映画の登場人物や、テレビドラマの出演者は、原則的にカメラ目線はタブーです。描かれている物語の空間に入り込んでいた視聴者は、登場人物が自分に視線を向けた途端に我に返ることになるからです。
2. 「カメラ目線」の目線の向け方
いっぽう1ショットでカメラに映る選挙演説番組や教育番組では、カメラ目線によって視聴者に語りかけるように見せることで、説得力を持たせます。しかし、こうした「カメラ目線」映像でも、実は目線はレンズではなく、カメラレンズの少し上辺りを見ています。レンズそのものに視線を向けた状態は、視聴者に威圧感を感じさせるからです。
3. プロンプターを使う
喋る原稿が用意されているけれど、カンペを読んでいることを知られたくない場合は、この装置を使えば視線をまっすぐカメラに向けたまま文字を追うことができるため、カメラ目線映像が容易に収録できます。
【関連用語】
1. アイコンタクト
カメラ目線よりも広い意味で、写真や動画の中で被写体と視聴者の視線が合っている状態を指します。必ずしもカメラのレンズを見ている必要はなく、画面越しに視聴者とコミュニケーションを取るようなニュアンスを含みます。
2. 目線誘導
写真や動画の中で、構図や光、被写体の配置などを工夫して、視聴者の視線を特定の場所に誘導する技術です。カメラ目線と組み合わせることで、より効果的にメッセージを伝えることができます。
3. 視線ショット
登場人物の視線方向を意識して撮影する手法です。カメラ目線のように直接的に視線を合わせるだけでなく、登場人物が見ているものを映し出すことで、視聴者の注意を引きつけ、物語に引き込む効果があります。
4. POVショット
Point of Viewの略で、登場人物の視点から見た映像を撮影する手法です。視聴者が登場人物の視線を共有することで、臨場感や共感を高めることができます。
5. レスポンスショット
インタビューや対談などで、話を聞いている人の反応を撮影した映像のことです。話している人のカメラ目線と組み合わせることで、視聴者に臨場感や共感を与えることができます。
これらの用語は、カメラ目線と密接に関連しており、写真や動画の表現力を高めるために重要な役割を果たします。