動画・映像制作用語
【完成台本】
kanseidaihon
映像制作における「完成台本」とは、収録前までに決定している台本、ないしは完成後に確定した台本のことを指します。
台本、脚本、シナリオを使い分けている人もいますが(下記「関連用語・2.使い分けされる一例」参照)、一般的には同義と考えて問題ありません。
1. 「完成台本」はいわゆる決定稿
収録に入る前に、脚本家、監督、プロデューサーなど関係者全員で最終的な合意に至った台本です。これ以降、原則的に大きな変更は加えられないことになっています。
2. 成果物としての完成台本
制作前の決定稿(完成台本)も、実際に制作途上で99%で修正や加筆がされますので、最終的に完成した作品を反映した台本のことを「完成台本」という場合もあります。
作成する目的
・作品が完成し放送されたり公開されたりした後に、記念品や資料として発行する
・フィルム時代の行政PR映画などの初号納品と合わせて納品した、印刷、製本された台本
縦書きの台本
映画・ドラマ・演劇のための台本は、一般的に縦書きです。大勢のスタッフで共有されますので、台本はきちんと印刷、製本されますが、決定稿が遅れることが頻繁にあるため、都内にはシナリオ印刷を専門にしている印刷会社がいくつかあり、過酷な納期に対応しています。
横書きの台本
私たちBtoBのPR映像や展示映像の制作現場では、台本のページ数が少なく、クライアントのビジネス環境に合わせる必要もあるため、ほとんどが横書きで、「台本」ではなく「シナリオ」と呼びます。
BtoBのPR映像や展示映像では「セリフ」があることは少なく、台本というとセリフがあるような印象だからかも知れません。ナレーションやセリフの録音の時には、タレントさんによっては縦書きに慣れている人もいるので、台本をリフォームすると喜ばれます。
完成台本の保管責任
なお、現代のBtoBのPR映像や展示映像の制作では、完成台本を納品物のひとつとすることはほとんどありませんが、経年による改訂やあまざまなエビデンスのために、完成台本(データ)は、クライアント、制作会社双方が、必ず保存、保管しなくてはなりません。

【関連用語】
1. 割り込み台本
映像制作の撮影中に、急な変更や修正が生じた際に使用される部分的な台本です。脚本全体を刷り直すのではなく、変更があったページやセリフのみを別刷りし、既存の台本に差し込んで使用します。修正箇所を一目で識別できるよう、付箋や印をつけます。
2.使い分けされる一例
台本
俳優がセリフを覚え、演技を行うための、具体的なセリフとト書き、演出指示が記載されたテキスト。脚本やシナリオが物語の骨子を指すのに対し、台本は実際に撮影や稽古で使われる、より実践的な形式を指す。演出家や監督による具体的な指示が書き込まれたり、俳優自身が役作りのメモを書き込んだりする。
脚本
登場人物のセリフ、ト書き(場面設定、登場人物の動作や感情、情景描写など)、シーンの進行などが記されている。
シナリオ
計画や筋書き、予想される事態の推移などを指すこともある。脚本よりも口語的な表現で使われることもあり、企画段階の段階的な物語の概要や、プロットの骨組みを指す場合もある。