動画・映像制作用語辞典 | 名古屋映像制作研究室
香盤表(コウバンヒョウ)
香盤表は、撮影スケジュールを詳細に記載した表で、いわば撮影の設計図のようなものです。どのシーンをいつ、どこで、どのように撮影するか、必要なスタッフ、小道具、衣装などが一目でわかるように作られています。
香盤の由来
お寺の仏前でお香を焚く、真鍮や銅などの金属で作られた台のこと香盤と言い、マス目に仕切られているその様子が、映画撮影のスケジュールを時間軸と職名・仕事で仕切って書き込んだマス目の様子と似ていることから「香盤表」という呼び方が生まれたとする説、歌舞伎の楽屋で香盤(お香を焚いて時を計る道具)を使って時間を計っていたこと(→スケジュール管理)に由来するという説があります。
香盤表の役割
撮影の円滑化
撮影スケジュールを共有し、各スタッフが自分の役割を把握することで、撮影をスムーズに進めることができます。
効率的な資源管理
必要な機材や人員を事前に把握し、適切な人員配置と資機材の準備をして次のシーンの備えることで、無駄な時間とコストを抑え、効率的で予定通りの撮影を実現します。
香盤表に記載される主な項目

【関連用語】
1. コールシート
その日の撮影スケジュールを詳細に記載した進行表です。香盤表と並んで使用され、シーン番号、内容、出演者、使用機材、特殊効果、必要な小道具など、撮影に必要な情報が時系列で記載されています。特に技術スタッフ向けの詳細な情報が含まれ、カメラ、照明、音声などの各セクションが必要とする専門的な指示も記載されます。天候や日の出・日没時刻なども含まれ、屋外撮影の計画に重要な役割を果たします。
2. タイムテーブル
撮影全体の時間配分を示す表です。香盤表の情報を基に、より具体的な時間設定を行います。メイク開始時間、現場入り時間、リハーサル時間、撮影開始時間、休憩時間、撮影終了予定時間などが記載されます。特に大規模な撮影や、多くの出演者が関わるシーンでは、効率的な時間管理のために重要です。予定外の遅延が発生した場合の調整にも使用されます。
3. ブレイクダウンシート
シナリオの各シーンを細分化し、必要な要素を書き出した資料です。香盤表作成の基となる情報を提供します。出演者、衣装、小道具、美術セット、特殊効果、ロケーション要件など、シーンごとに必要な全ての要素が記載されます。これにより、効率的な撮影計画の立案や予算管理が可能になります。また、各部署の準備作業の指針としても機能します。