CBR(シービーアール)
「CBR( Constant Bit Rate・固定ビットレート)」とは、動画や音声の圧縮において、常に一定のビットレートでデータをエンコード(圧縮)する方式です。映像制作者にとってビットレートの概念を理解しておくことは、画質の維持とファイルサイズの最適化という、制作と配信の品質を左右する最も重要な二つの要素をコントロールするために不可欠です。
ビットレートとは、1秒間あたりのデータ量のことを指し、bps(Bit Per Second)という単位で表されます。動画や音声のビットレートが高いほど、データ量が多くなり、その分、高画質・高音質になります。しかし、データ量が増えるため、ファイルサイズが大きくなったり、再生に必要な処理能力が高くなったりしります。
特徴
ファイルサイズの予測が容易
常に同じデータ量でエンコードされるため、最終的なファイルサイズを事前に正確に予測できます。
ストリーミングの安定性
常に一定の帯域幅が確保されるため、ネットワーク負荷が予測しやすく、安定したストリーミング配信に適しています。
再生デバイスとの互換性が高い
多くの再生デバイスがCBRに対応しており、互換性の問題が少ないです。
シーク(再生位置の移動)が高速
特定の再生位置へ素早く移動しやすい特性があります。
品質のばらつき
動きが激しいシーンや情報量が多いシーンでは、ビットレートが不足して画質・音質が劣化する可能性があります。逆に、動きが少ないシーンや情報量が少ないシーンでは、必要以上にビットレートを使ってしまい、ファイルサイズが無駄に大きくなることがあります。
効率が悪い場合がある
シーンの内容に関わらず一定のビットレートを使用するため、全体的に効率が悪くなることがあります。
向いている用途
ライブ配信など、安定したストリーミングが最優先される場合。
ファイルサイズを厳密に管理したい場合。
再生デバイスの互換性を重視する場合。
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【関連情報】
1. ビットレート (Bit Rate)
1秒間あたりのデータ量を表す単位で、bps(Bit Per Second)で示されます。動画や音声の品質に直結し、数値が高いほど高画質・高音質ですが、ファイルサイズも大きくなります。
2. VBR (Variable Bit Rate)
動画や音声の圧縮において、データの情報量(ビットレート)をデータの情報量に応じて変動させる方式です。VBR(可変ビットレート)では、動きが激しいシーンや複雑な音声部分には多くのビットレートを割り当て、動きが少ないシーンやシンプルな音声部分には少ないビットレートを割り当てることで、全体の品質を最適化します。
3. エンコード (Encode)
動画や音声などのデータを、ファイルサイズを小さくするために圧縮する処理のこと。元の情報を効率的な形式に変換し、保存や伝送に適したデータを作成します。
4. デコード (Decode)
エンコードされた圧縮データを、元の状態に戻して再生可能な形式に復元する処理のこと。プレイヤーやデバイスがこの処理を行い、動画や音声を視聴できるようにします。
5. ストリーミング (Streaming)
データをダウンロードしながら同時に再生する技術。完全にダウンロードを待つ必要がなく、リアルタイムで視聴できるため、オンライン動画や音楽サービスで広く利用されています。

