動画・映像制作用語
【コンセプト】
concept
「コンセプト」とは、全体を通して一貫した、基本的な考え方という意味合いで使われます。様々な提案書において、テーマ・目的に並んで記述される重要事項です。
映像コンテンツをはじめとした広告物を企画制作するビジネスにおいて、「コンセプト」は極めて重要です。その広告を通じて何を伝えたいのか、誰に届けたいのか、そしてどのような反応を引き起こしたいのかという、広告の核となるアイデアを明確に定義する必要があるからです。
この明確な核が存在することで、その後のクリエイティブな展開、例えばコピーライティング、ビジュアルデザイン、メディア選定といった具体的な制作プロセス全体が一貫性を持ち、効果的なメッセージの発信へと繋がります。
「コンセプトは」日本語では文脈によっていくつかの意味がありますが、以下のようなキーワードを包括していると言えます。
概念
物事の本質的な意味や捉え方。抽象的で一般的な考え。
観念
ある事物や事柄について抱くイメージや考え。
構想
物事をどのように実現するかという全体的な計画やアイデア。
発想
新しい考えやアイデアを生み出すこと。
考え
ある事柄についての意見や判断。
コンセプトがないと
コンセプトが曖昧なまま制作を進めてしまうと、関係者間で目的意識が共有されず、それぞれの解釈に基づいてバラバラの方向へ進んでしまう可能性があります。その結果、焦点がぼやけ、ターゲット層に響かない、印象に残らない広告物が出来上がってしまうリスクが高まります。
戦略的側面
コンセプトは単なるアイデアに留まらず、広告の戦略的な側面を支える役割も担います。市場調査や競合分析を踏まえ、独自の価値や強みを際立たせるコンセプトを確立することで、数多くの広告の中で埋もれることなく、ターゲット層の心に深く刻まれる可能性が高まります。
効果測定の基準となるコンセプト
明確なコンセプトは、広告の効果測定においても重要な指標となり、その広告が当初の目的を達成できたのかどうかを評価する基準となります。しっかりとしたコンセプトがあるからこそ、クリエイターは自信を持って創造性を発揮でき、クライアントは投資に見合う効果を期待できる、双方にとって重要な基盤となります。
【関連用語】
1. ターゲット(Target Audience)
誰に向けて企画・制作するのかという対象者。年齢、性別、価値観、ライフスタイル、ニーズなどを明確に定義することで、メッセージや表現方法が大きく左右されます。ターゲット理解の深さが、企画の成否を握ると言っても過言ではありません。
2. インサイト(Insight)
ターゲット自身も気づいていないような、深層心理にある欲求や感情、隠れたニーズのこと。インサイトを捉えることで、表面的な情報だけでは届かない、より共感を生む企画やメッセージを開発できます。
3. ベネフィット(Benefit)
企画・制作物を通じて、ターゲットが得られる具体的な価値や恩恵。単なる機能や特徴ではなく、「それによってターゲットの生活がどう良くなるのか」という視点が重要です。
4. オリジナリティ(Originality)
他の企画・制作物にはない、独自性や斬新さ。埋もれてしまわないためには、独自の視点や表現方法で差別化を図ることが重要です。
5. コミュニケーションゴール(Communication Goal)
企画・制作を通じて、最終的にどのような状態を目指すのかという目標。認知度向上、理解促進、購買意欲喚起、行動変容など、具体的なゴール設定が効果測定や戦略立案の基盤となります。