RGB(アールジービー)
映像制作用語辞典 | 株式会社SynApps
「RGB」とは、加色法(加法混色)と呼ばれる色の表現方法で、R(Red)赤 、G(Green) 緑、 B(Blue)青の3つの色で構成されています。
主にデジタルデバイス(モニター、テレビ、スマートフォンなど)で使用されています。
R(Red)赤 、G(Green) 緑、 B(Blue)青、これらを「光の三原色」と呼び、黒い背景にこれらの光を異なる割合で重ね合わせることで、さまざまな色を表現します。
赤と緑を混ぜると黄色になります。
青と緑を混ぜるとシアン(水色)になります。
赤と青を混ぜるとマゼンタ(赤紫)になります。
すべて混ぜると白
赤、緑、青の3色すべてを最大量で混ぜ合わせると白色になります。これは、光がすべて集まり、人間の目がそれを白として認識するためです。逆に、光がない状態が黒(暗闇)です。
詳細な解説と実務でのポイント
色の表現範囲(色域の広さ)
RGBは光の組み合わせであるため、CMYKよりもはるかに広い色域を表現できます。特に、鮮やかな赤、緑、青といった色はRGBの方がより忠実に再現されます。
実務での注意点
映像コンテンツでは、鮮やかな色彩が視聴者の目を引きます。RGBで制作された映像は、その広い色域のおかげで、よりリアルで魅力的な映像表現が可能です。ただし、その映像を静止画として印刷物にする場合、RGBの色域をCMYKで再現しきれない「色域外警告」が表示されることがあります。
デジタルデバイスでの標準
現代のほとんどのデジタルディスプレイやカメラはRGBをベースにしています。ウェブサイトやデジタルサイネージ、そしてもちろん映像コンテンツはすべてRGBで構成されています。
実務での注意点
映像素材やグラフィックを制作する際は、基本的にRGBカラーモードで作業します。ただし、最終的にウェブサイトに埋め込むのか、それともテレビCMとして放送するのかなど、最終的な配信プラットフォームによって推奨されるRGBプロファイル(例:sRGB, Adobe RGBなど)が異なる場合があります。ターゲットとするデバイスや環境に合わせた適切なプロファイルの選択が、色の一貫性を保つ上で重要です。
0-255の値と16進数
RGBの各色が0から255の256段階で表現されるのは、デジタルデータの最小単位である「ビット」に由来します。8ビット(2の8乗)で256段階を表現できます。ウェブカラーでよく使われる16進数表記(例:#FF0000)は、この0-255の値を16進数に変換したものです。

【関連情報】
CMYKとRGBの特性を理解する
CMYKがRGBに再現性で劣るのは、主に以下の理由によります。
1.表現原理の違い
RGB(加色混合)
光を直接発して色を作り出します。光は非常に広範囲の色を表現でき、特に鮮やかで明るい色が得意です。
CMYK(減色混合)
白い紙の上にインクを重ねることで、光を吸収(減算)して色を作り出します。インクは顔料であり、光を発するわけではないため、再現できる色の範囲に物理的な限界があります。紙の白さやインクの特性も影響します。
2.色域(ガマット)の制約
RGBは、人間が見ることのできる色の多くをカバーする広い色域を持っています。
CMYKは、印刷用インクの物理的特性上、RGBよりも狭い色域しか表現できません。特に、蛍光色のような非常に鮮やかな色や、一部の青や緑などは、CMYKでは再現が困難です。
このため、RGBで表現できる鮮やかな色が、CMYKに変換されると、その狭い色域に合わせて色が「くすんだり」「沈んだり」して見えるのです。これは、たとえCMYKが4つの要素を持っていても、その物理的な表現能力がRGBの「光を直接発する」という能力に及ばないためです。
実務での応用
企画の初期段階で、最終的なアウトプットが印刷物なのか、それともデジタル表示なのかを明確にすることで、色の選定やデザインの方向性が決まります。例えば、映像コンテンツから切り出した画像を印刷物として利用する可能性がある場合は、RGBの色域で極端に鮮やかな色を使用しないなど、将来的な色変換を考慮したクリエイティブ判断が求められます。
変換時の「カラープロファイル」
RGBからCMYKへの変換は、単に色を置き換えるだけでなく、カラープロファイルと呼ばれる情報が重要になります。カラープロファイルは、特定のデバイスが表現できる色の範囲(色域)や色の特性を定義したものです。
実務での応用
Adobe PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトウェアでは、RGBとCMYK間の変換時にどのカラープロファイルを使用するか選択できます。適切なプロファイルを選択することで、色の再現性を最大限に高めることができます。印刷会社に入稿する際も、指定されたカラープロファイルでデータを作成することが、予期せぬ色変化を防ぐために不可欠です。
「色覚」と「色の管理」
人間の目に見える色(可視光線)には限りがあり、その中で色を表現しています。色彩学では、光の波長と色の関係が研究されており、CMYKとRGBは、人間の色覚を再現するための異なるアプローチです。
視聴環境の多様性
映像は様々なデバイス(テレビ、PCモニター、スマートフォン、デジタルサイネージなど)で視聴されます。それぞれのデバイスのRGBプロファイルやキャリブレーション状況が異なるため、意図した色が視聴者にどう見えているかを完全にコントロールすることは困難です。ターゲットとする主要な視聴環境を想定し、それに合わせたカラーグレーディングを行うことが重要です。
HDR(ハイダイナミックレンジ)への対応
近年、HDR対応のディスプレイが増えており、より広い輝度と色域で映像を表現できるようになっています。これまでのSDR(スタンダードダイナミックレンジ)のRGBとは異なるプロファイルやワークフローが必要になるため、最新の動向も常に把握しておく必要があります。
素材の統一性
複数のカメラやグラフィックソフトから素材を集める場合、それぞれのRGBプロファイルが異なると、編集段階で色の整合性を取るのが難しくなります。プロジェクトの初期段階で、使用するカラープロファイルを統一する意識が重要です。