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私の映像制作における「対話」

Tomizo Jinno

今日から日本で公開になる映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』に登場する弁護士が、トランプ氏に指南した3つのルールが以下。


①攻撃

②非を絶対に認めるな

③勝利を主張し続けろ


対話ではない
対話?

1.映像制作における「対話」ということ


昨日の日本経済新聞・夕刊に永井玲衣さんという方が「ききあう対話」と言う記事を寄稿なさっていて、そこに「対話」の本質的な意味を上手く説明してくださっていました。

私が映像をつくる上でも「対話」は、いつも念頭に置いている大切な概念です。決して出演者同士が対話しているということではなく、視聴者と映像制作者(クライアントであり私)との、心の中での対話です。私が対話を重視する時、最も繊細にコントロールするのが「間」と「余韻」です。間とか余韻は対話における「聞く」と同じで、視聴者はこの間によって、目にしたこと、耳にしたことを咀嚼すると考えるからです。



2.違いを受け入れる


私たちが「対話」と聞いて思い浮かべるのは、たいてい、自分の考えを相手に伝え、相手に自分の考えを理解してもらうことではないでしょうか。確かに対話には自分の意見を表明し、相手と意見交換をするという側面も重要です。しかし、現代社会において、対話にはもう一つの、より重要な側面があると考えています。

それは、「違いを受け入れる」ということです。



3.SNSによる非対話型コミュニケーションの拡大


ここ数年、世界はますます分断が進んでいるように感じます。人々は、異なる価値観や思想を持つ人たちとの間に壁を作り、互いを理解しようとする努力を怠りがちです。SNSの普及により、情報が氾濫し、フィルターバブル、エコーチェンバー現象に加えてフェイクニュースが拡散されることで、人々の間には不信感が生まれ、対立が深まっているように思えます。

このような状況下で、私たちが忘れてはいけないのは、人間は皆、異なる価値観や経験を持ち、それぞれの視点を持っているということです。多様な意見や考え方が存在することは、決して悪いことではありません。むしろ、多様性こそが、社会を豊かにし、発展させる原動力となるはずです。



4.尊厳ある人格として認め合うこと


しかし、多様な意見が共存するためには、お互いの違いを認め合い、尊重し合う姿勢が不可欠です。つまり、対話とは、単に自分の意見を主張することだけではなく、相手の意見に耳を傾け、その意見がなぜ生まれたのか、その背景にある考え方や価値観を理解しようとする努力を伴うということです。

相手の意見を理解することは、必ずしも相手の意見に賛成することを意味しません。しかし、相手の意見を理解することで、私たちは自分の考えをより深く掘り下げ、新たな視点を得ることができます。そして、お互いの違いを認め合うことで、より建設的な議論が可能になり、最終的には、より良い解決策を見つけ、共存することができるはずです。



5.力で人を変えることはできない


もちろん、異なる意見を持つ人々と対話することは、必ずしも簡単なことではありません。時には、感情的な対立が生まれ、意見の相違が乗り越えられないこともあるかもしれません。しかし、それでも私たちは対話を諦めるべきではありません。なぜなら、対話は、私たちがより良い社会を築くために不可欠なプロセスだからです。民主主義の基盤です。小さなことでも諦めず、少しずつでも、対話を大切にする社会へと変わっていくことを願っています。

力で人を変えることはできない、私はそう思います。

映像の力は人類の幸福のために使って欲しいと思います。


対話とは
共存したいという願いが対話

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