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電気自動車(EV)をBEVと呼ぶ時代の映像制作会社の提案

更新日:3月12日

BEVという呼称が意味するもの


かつて「Electric Vehicle(EV)」は電気自動車の夢を象徴する言葉でした。しかしハイブリッド車(HEV)が予想外に普及し、これが純粋な電気自動車ではないという認知が広まったことで、HEVは「HV」に、PHEVは「PHV」に短縮されました。一方、自動車関係者は技術的な正確性を期すため、バッテリーのみで走る車を「BEV(Battery Electric Vehicle)」と呼ぶようになりました。



自動車産業の構造変化と東海地方への影響


東海地方は、トヨタを中核とした強固な自動車産業クラスターを形成しています。しかしBEV化により、この産業構造は根本的な変革を迫られています。


従来の自動車が約3万点の部品で構成されていたのに対し、BEVは約1万点に削減されます。エンジン、トランスミッション、排気系部品など、内燃機関の中核部品が不要となる一方、バッテリー、モーター、インバーターなどへの需要が急拡大しているのです。


特に深刻な影響を受けるのは、内燃機関関連の部品メーカーです。トランスミッション、エンジン部品、排気系部品、燃料供給系部品などを製造する企業は、長年蓄積してきた技術が活用できない状況に直面しています。雇用への影響も深刻で、多くの技術者や労働者が新技術への適応を迫られています。


一方、国際競争構造も変化しています。従来は日本とドイツが技術的優位性を保持していましたが、BEVの中核技術であるバッテリーでは中国のCATLや韓国のLGエナジーソリューションが市場を席巻。競争の構図が根本的に変わりつつあります。


しかし脅威ばかりではありません。全固体電池などの次世代バッテリー技術、高効率モーター、SiCやGaNなどの次世代パワー半導体、軽量素材技術など、日本企業が競争優位性を発揮できる分野も多く存在します。



名古屋の映像制作会社が果たすべき役割


この大きな変化の中で、弊社をはじめとした名古屋の映像制作会社は、地域の主要産業である自動車産業の大変革期を支援する重要な役割があります。


新しいニーズへの対応


新技術の可視化ニーズ

バッテリー、モーター、インバーター、充電インフラ、AI制御システムなど、新技術の仕組みや優位性を視覚的に伝える映像の需要が急増しています。研究開発から量産、顧客へのアピールまで、あらゆるフェーズで高度な映像表現が求められます。


新興プレイヤーへのサポート

BEV化により、スタートアップ企業やIT企業など異業種からの参入が増加しています。彼らは従来の自動車メーカーとは異なるスピード感とプロモーション戦略を持ち、映像によるブランディングや採用活動支援を必要としています。


人材育成コンテンツの制作

多くの企業が従業員のリスキリングを進める中、e-ラーニング教材、技術習得チュートリアル、安全教育ビデオなどの需要が拡大しています。


企業ブランディングの変革支援

内燃機関からBEVへの移行は、企業のアイデンティティそのものの変化を意味します。未来志向の企業イメージを構築するブランディング映像や採用動画のニーズが高まっています。



専門性と技術力の強化


3DCG/アニメーション技術 物理的に撮影困難な内部構造や新概念を分かりやすく表現するため、高度な3DCG技術が不可欠です。


VFX技術の導入

プロトタイプやシミュレーション段階の技術をリアルに見せるVFX技術が求められます。


インタラクティブコンテンツ

VR/ARを活用した製品デモンストレーションや、オンライン展示会向けの新しい表現手法への対応が必要です。


グローバル対応

海外展開を視野に入れ、英語での企画提案や制作ディレクションができる体制の構築が重要です。



戦略的ポジショニング


ネットワークの構築

自動車メーカー、部品メーカー、研究機関、コンサルタントなど、業界のキーパーソンとのネットワークを構築し、常に最新情報を得ることが必要です。


専門性の確立

「BEV時代の自動車産業に強い映像会社」としてのブランドを確立し、さらに「バッテリー技術の可視化」や「自動運転技術の安全性」など、ニッチ分野での突出した強みを持つことで競争力を高めます。


スピードと効率性

変化の速い時代に対応できるよう、効率的な制作体制を構築し、迅速な納品を可能にすることが求められます。



変化を機会に変える


2023年から2024年にかけて世界の自動車市場は大きな潮流変化を経験し、BEVバブル崩壊の議論も起きていますが、長期的なトレンドとしてのBEV化は不可逆的と考えられます。

名古屋の映像制作会社にとって、自動車産業のBEV化は脅威ではなく、新たな成長と進化の機会です。変化を恐れず、新しい分野に挑戦し、自社の専門性を高めていくこと。それが、この歴史的転換点において生き残り、さらに成長するための鍵となるでしょう。



BEV


米国を震源とした揺り戻しと未来への対応


米国の政策変更や補助金の見直しを受け、世界中の自動車メーカーはBEV(バッテリー電気自動車)開発の優先順位や投資計画の軌道修正を余儀なくされています。一時期の熱狂的なBEVシフトは影を潜め、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を再評価する「現実路線」への回帰が鮮明になっています。市場の需要やインフラ整備の遅れを考慮すれば、この停滞は必然的な調整局面と言えるでしょう。


しかし、中長期的な視点に立てば、脱炭素化に向けた世界的な潮流そのものが消失したわけではありません。環境規制の動向やエネルギー効率、ソフトウェアとの親和性を考えれば、自動車の電動化が進む方向性は依然として有力なシナリオの一つです。他国、特に中国などの新興市場ではBEV普及が国策として継続されており、技術競争は水面下で激しさを増しています。


したがって、目先の政策変更や需要の揺り戻しのみを見て、BEV開発の歩みを止めることは将来的なリスクを孕んでいます。完全な電動化が唯一の解であるかは議論の余地があるものの、有力な選択肢としてBEVが普及していく流れを見据え、次世代電池の開発や生産コストの低減といった準備を怠ってはなりません。産業界は、多様なパワートレインを維持しつつも、来るべき電動化社会に向けた技術的基盤を着実に積み上げていくべきです。




 
 

映像制作を発注する企業担当者のための情報発信です。

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執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

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