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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。

制作

何かをつくることを指しますが、映像業界ではプロデューサーのことを「制作」という職名で表示することがあります。また制作した主体組織の役割(総指揮・総責任者)として「制作」が使われることがあります。

制作を解説するイメージ(監修・神野富三)

同じ音をもつ「製作」という表記がありますが、古い映画会社やプロダクションの社名の一部に残っているだけで、現在では概ね「制作」という表記が一般的です。


制作と製作の違い - 一般的な説明


制作

芸術作品や放送番組など、創造的な活動によって何かを作り出すこと。
企画や構想から実際の作成までを含む、知的・芸術的なプロセスを指すことが多い。


製作

機械や道具を用いて、物品や製品を作り出すこと。
より具体的な物を作る行為、または事業としての側面を含むことが多い。


制作 = Creativeプロデュース


製作は、物を製造する Manufacture のような印象がある表記ですので、知的創造物をつくる現場には似合わないと思う人が多いのかも知れません。現代の日本語の「制作」という表記には、クリエイティブを生み出すためのマネージメントをする「プロデュース」という意味が含まれていると言えます。

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執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

映像制作会社としての視点


映像制作会社には撮影、編集機能があるとは限らない


一般社会において「映像制作会社」という言葉は、企画などのプリプロダクションから編集・MAなどのポストプロダクションまでを一通り担う会社を指すものとして理解されています。
発注者側では、「撮影から仕上げまでまとめて任せられる会社」という意味で用いられることが一般的です。


この理解自体は誤りではありませんが、映像制作業界の内部では、「映像制作会社」という言葉は、必ずしもポストプロダクション機能を内包していることを前提に使われていません。

業界内では、企画立案、演出設計、撮影進行、制作管理などを担う会社を制作会社と呼び、編集やMAなどのポストプロダクション工程は、専門のポストプロダクション会社と分業する前提で制作体制が組まれています。


この分業構造は、クオリティ、コスト、スピードを最適化するために形成されてきた制作スキームであり、制作会社がすべての工程を内製しないことは、業界において標準的です。

このため、一般社会で想定される「映像制作会社」の守備範囲と、業界内で用いられる「映像制作会社」という言葉の守備範囲にはズレがあります。


ひとつの会社がプリプロダクションからポストプロダクションまでをすべて内製する体制が、必ずしも合理的で効果的とは限りません。
工程ごとに専門性の高い会社と連携するほうが、結果として品質や効率が高くなるケースもあります。

そのため、プリプロダクションや制作進行に特化し、撮影機能や編集機能を自社に持たない「映像制作会社」が存在することには、制作スキーム上の合理性があることです。

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