採用DXの切り札:「空気感」を伝え、ミスマッチを防ぐ映像活用・動画制作のROI【特別編】
- Tomizo Jinno

- 4 時間前
- 読了時間: 5分
はじめに
「求人票の文字だけでは、会社の雰囲気が伝わらない」
「説明会で毎回同じ話をするのが大変だ」
こうした課題を解決する最強のツールが「映像(動画)」です。
特に、デジタルネイティブであるZ世代・ミレニアル世代にとって、動画は最も自然な情報収集手段です。
単なるイメージアップのためではなく、「採用工数の削減」と「マッチング精度の向上」という実利を得るための、戦略的な動画活用法をご提案します。
1. なぜ「動画」なのか? テキストでは届かない3つの価値
採用サイトやパンフレット(静止画・テキスト)には限界があります。動画には、それらを補完する圧倒的な強みがあります。
① 「非言語情報」の伝達(カルチャーの可視化)
オフィスの雑音、社員同士が話す時の距離感、笑い声、表情。これら「言語化できない空気感」こそが、求職者が最も知りたい情報です。動画はこれらを瞬時に伝え、「自分に合いそうか(カルチャーフィット)」を直感的に判断させることができます。
② 説明コストの削減(業務効率化)
会社概要、福利厚生、評価制度などの「毎回変わらない基本情報」は、動画化して事前に送付・視聴してもらうことで、説明会や面接の時間を短縮できます。面接官は「動画を見てどう思ったか?」という質問から始めることができ、より本質的な対話に時間を使えます。
③ 記憶への定着(アトラクト効果)
人は読んだことの10%、聞いたことの20%しか記憶しませんが、「見て聞いたこと」は80%記憶すると言われています。ストーリー性のある動画は、求職者の感情を揺さぶり、企業の印象を強く残します。

2. フェーズ別・動画活用の具体策(Best Practice)
動画は「作って終わり」ではありません。「どのフェーズで、誰に見せるか」によって、作るべきコンテンツは異なります。
Phase 1:認知・母集団形成(短尺・拡散型)
YouTubeショート / TikTok / Instagramリール:
「15秒〜60秒」の縦型動画で、オフィスの日常や社員のランチ風景などの「リアル」を発信します。作り込んだCMよりも、スマホで撮ったような**「飾らない素材」**の方が、親近感が湧き、再生数も伸びる傾向にあります。
Phase 2:理解促進・選考(長尺・深掘り型)
社員インタビュー / 1日密着動画:
「どんな仕事をするのか」「どんな苦労があるのか」をリアルに描きます。綺麗な部分だけでなく、泥臭い会議の様子なども映すことで、入社後のギャップ(リアリティ・ショック)を防ぎます。
オンライン会社説明会動画:
いつでもどこでも視聴可能なオンデマンド配信にすることで、地方や海外の優秀層、多忙な現職中の方へのリーチが可能になります。
Phase 3:内定者フォロー・オンボーディング(限定・パーソナル型)
オファーレター動画 / 社長メッセージ:
内定者だけに向けた、限定公開のスペシャルメッセージ。「あなたを待っている」という熱意を、表情と声で直接届けます。
業務マニュアル動画:
社内システムの操作方法や電話対応のマナーなどは、画面キャプチャ動画としてストックしておくことで、教える側の工数を大幅に削減し、教育の質を均一化できます。
3. SynApps's Insight:動画は「映え」より「リアル」が勝つ
最後に動画活用の核心について提言します。
多くの企業が陥る間違いは、「テレビCMのような、カッコよくて綺麗な動画を作ろうとしてしまうこと」です。
特に社内スタッフで企画制作する採用動画において、過度な演出や美化は逆効果です。求職者は「広告」を見たいのではなく、「実態」を知りたいのです。
今、最もROI(投資対効果)が高いのは、「あえて作り込みすぎない動画」です。
プロのナレーターではなく、社員自身の言葉で語る。
スタジオ撮影ではなく、実際の執務室で撮る。
台本を読み上げるのではなく、インタビュー形式で本音を引き出す。
これらは、高価な機材がなくても、スマホと編集アプリさえあれば今日からでも始められます。
「動画を作る」と身構えるのではなく、「オフィスの窓を開けて、中の様子を少し見せてあげる」感覚で始めてみてください。その透明性こそが、信頼を生み、本当に合う人材を引き寄せる最強の磁力となります。
【連載完結】まとめと次へのステップ
以上、全6回にわたり、最新の採用トレンドと具体的なアクションプランについて解説いたしました。
母集団形成:マーケティング思考で「ファン」を作る。
選考プロセス:Techで効率化し、Touchで口説く。
内定フォロー:空白期間を埋め、感情でクロージングする。
オンボーディング:仕組みで早期戦力化し、定着させる。
総合戦略:外部プロとRPOを活用し、経営人事へ進化する。
映像活用:リアルな動画で「空気感」を伝え、ミスマッチを防ぐ。
これらは一つひとつが強力な施策ですが、全てがつながった「ストーリー」として設計された時に、最大の効果を発揮します。
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採用動画の企画制作を外注するなら、ぜひ弊社・株式会社SynAppsにご相談くだだい。
【採用動画の構成シナリオについて】 採用動画・リクルート映像の5つのタイプと5つの注意点
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【この記事について】
本記事は、名古屋の映像制作会社・株式会社SynAppsが執筆しました。私たちは「名古屋映像制作研究室」を主宰し、各業界の知見を収集・分析しながら、企業が抱える課題を映像制作の力で支援することを目指しています。BtoB領域における映像には、産業ごとの深い理解が不可欠であり、その知識と経験をもとに制作に取り組んでいます。
【執筆者プロフィール】
株式会社SynApps 代表取締役/プロデューサー。名古屋を中心に、地域企業や団体のBtoB分野の映像制作を専門とする。プロデューサー/シナリオライターとして35年、ディレクター/エディターとして20年の実績を持つ。




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