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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。
バラす
映像制作業界で「バラす」とは、スケジュールのキャンセル・解除。あるいは機材の解体・撤収のことです。(詳細は以下)
1. スケジュールのキャンセル・解除
これは「キープ」の対義語として使われます。
意味
以前に仮押さえ(キープ)していた撮影場所、機材、スタッフ、出演者などのスケジュールをキャンセルしたり、予約を解除したりすることを指します。
ニュアンス
契約に至らなかった場合や、計画変更によって不要になった場合に、関係者にキャンセルの連絡を入れる行為を指します。
例
「急遽企画が変更になったので、来週のスタジオのキープをバラしてください。」
「あの役者さんのスケジュール、キープしてたけど結局使わなくなったからバラシで頼みます。」
2. 機材の解体・撤収
撮影現場やイベント会場で使われた機材を片付けることを指します。
意味
撮影が終了した後、照明機材、カメラ機材、セットなどを分解・撤収して元の状態に戻すこと。
ニュアンス
設営したものを片付ける、解体、撤収するという意味合いです。
例
「今日の撮影はこれで終わりだから、早く機材をバラして移動しよう。」
「今夜はイベント終了後、ステージのバラシが待っている。」

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。
映像制作会社としての視点
「ばらし」の裏側
現場の物理的撤収と、スケジュールの解消の両方に使われますが、実はそこには業界特有の「スタンス」が隠されているます。
1. 現場:資産としての「使い回し」
舞台セットや機材(音響・照明・映像)は、業者の「持ち物(資産)」です。これらをバラすのは、別の現場で再利用するためであり、二度と使わず廃棄する万博パビリオンのような「解体・撤去」とは一線を画す概念です。
2. スケジュール:体面を保つ「まやかし」
予定をキャンセルする際、単に「中止」と言わず「バラし」と言う裏側には隠れた意図があります。
建前
「一旦バラバラにするが、再設定(リスケジュール)を前提としている」という継続性のニュアンスを持たせます。
本音
実際には完全に消滅する案件であっても、あえて「バラし」という言葉を使うことで、相手(スタッフや業者)の不興を買いにくくし、決定の残酷さを和らげる「緩衝材」として機能しています。
