top of page

映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。

カスタマージャーニー

顧客が商品やサービスを認知してから購入、そして購入後まで、企業と接点を持つすべての体験プロセスのことで、時系列で可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」と言います。カスタマージャーニーと映像制作には、物語構造における根本的な共通点があります。

カスタマージャーニーを解説するイメージ(監修・神野富三)

営業活動はカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の行動パターンや感情の変化を理解し、各段階での課題を特定できます。これにより、適切なタイミングで適切なアプローチを行い、顧客体験を改善することが可能になります。



カスタマージャーニーの基本構造


認知段階(Awareness) 

顧客が課題やニーズに気づき、解決策を探し始める段階です。この時点では具体的な商品は決まっておらず、情報収集が中心となります。


検討段階(Consideration) 

複数の選択肢を比較検討する段階です。価格、機能、評判などを調べ、候補を絞り込んでいきます。


購入段階(Purchase) 

実際に商品やサービスを購入する段階です。決済方法や配送、カスタマーサポートの質が重要になります。


利用段階(Usage) 

購入した商品やサービスを実際に使用する段階です。期待通りの価値が得られるかが鍵となります。


継続・推奨段階(Loyalty/Advocacy) 

満足した顧客がリピート購入したり、他者に推奨したりする段階です。長期的な関係構築が目標となります。



各段階でのタッチポイント


顧客は各段階で様々なタッチポイント(接点)を通じて企業と関わります。ウェブサイト、広告、SNS、店舗、カスタマーサポート、口コミサイトなど、オンラインとオフラインの両方が含まれます。



カスタマージャーニーマップの活用


部門間の連携も促進されます。マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、異なる部門が顧客の全体的な体験を共有することで、一貫性のあるサービス提供が実現できます。

カスタマージャーニーの理解は、現代のマーケティング戦略において欠かせない要素となっており、顧客中心のビジネス運営の基盤となっています。



従来の企業思考の限界


多くの企業は自社の商品やサービスを中心に考えがちです。「いかに売るか」「どう宣伝するか」といった発想で、顧客を単なる「売上の対象」として捉えてしまいます。この思考では、顧客が実際に何を感じ、どんな問題を抱えているかが見えません。



顧客の現実を理解する


カスタマージャーニーの核心は、顧客が実際に体験している現実を企業側が深く理解することです。顧客は商品を買う前から悩みを抱え、購入後も様々な感情や課題を経験します。その一連の体験全体が、顧客にとっての「真の価値」を決定します。



点ではなく線で捉える


従来のマーケティングは「購入の瞬間」という点に集中しがちでした。しかし顧客の体験は連続した線であり、購入前の不安、購入時の迷い、購入後の満足や不満、すべてが繋がっています。この全体像を把握することで、表面的でない根本的な改善が可能になります。



感情と行動の背景にある動機


カスタマージャーニーは単なる行動の記録ではありません。なぜその行動を取ったのか、その時どんな感情だったのか、何が決め手となったのか。こうした深層にある動機や感情を理解することで、顧客が本当に求めているものが見えてきます。



組織全体の顧客理解


最も重要なのは、これが単なる分析手法ではないということです。カスタマージャーニーは、組織全体が顧客を真に理解し、顧客の立場に立って考える文化を作るためのものです。

カスタマージャーニーとは「顧客の人生の一部に企業がどう関わっているか」を深く理解し、その関わり方をより良いものにしていく思考法です。

TomizoJInno.jpeg

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

映像制作会社としての視点


映像制作との類似点ストーリーテリングとジャーニーの可視化


1. カスタマージャーニーの時系列化 


カスタマージャーニーは、ペルソナが認知から購入、リピートに至るプロセスを可視化する手法です。各フェーズでの行動・思考・感情を特定し、タッチポイントにおける課題(ペインポイント)を見極め、体験向上のための「打ち手」を導き出します。



2. 映像構成と物語の構造 


この設計は映像制作のストーリーラインと合致しています。導入で心を掴み、本編でメッセージを伝え、結びで行動を促す流れは、ジャーニーの「認知・興味・検討・行動」に直結します。視聴者の行動変容を促すには、この構造的設計が不可欠です。



3. 映像における「接点」と感情設計 


映像では、カット割りやBGM、テロップが「タッチポイント」となります。各場面で視聴者が何を思い、どう感じるかを緻密に計算し、不安から安堵へといった感情の起伏を意図的に作り出すことで、深い共感を生み出します。



4. 映像による課題解決 


映像制作では、ジャーニー分析と同様に「飽き」や「誤解」という視聴者のペインポイントを予測・回避します。テンポ良い編集や視覚的な図解を「打ち手」として機能させ、最終的な行動(購入や好意形成)へと導くことで、企業の課題解決を視覚的に実現します。


関連記事

bottom of page