ファーストビュー動画
ウェブサイトのトップページ(TOPページ)のファーストビュー(ページを開いた時にスクロールせずにすぐに見える範囲)で、画面上部の大きなエリアを占めるように配置される動画のことです。背景動画、ヒーローヘッダー動画、トップヒーロー動画、ヒーロービデオなどとも呼ばれます。
様々な呼び名が使われていて、どれが最も広範に使用されているかは意見が分かれるかもしれませんが、私が名古屋の映像制作業界よく耳にするのは「ファーストビュー動画」です。
多くの場合ホームページ制作会社の管轄下での企画・制作作業になるため、従来の映像制作業界の常識や慣習とは異なる思想でマネージメントされることに留意する必要があります。とくに映像設計思想、撮影思想、コスト意識に大きなギャップがあります。
目的
Topページで最初の5秒で世界観を伝えるための“背景映像”です。
情報よりも 空気感・質感・雰囲気 を優先するデザイン要素です。
一般的な性質
下記は一般的に遵守すべき事項として語られますが、データの重さやデバイス適合などのテクニカルな事項を除けば、実際のところ何を優先すべきかというと、WEBサイトのコンセプトに相応しいプレステージを演出することです。
1. “無音” が前提(自動再生の条件)
多くのブラウザでは、音声付き動画は自動再生できません。
そのため 基本的に無音でループ再生 を前提とします。
2. 情緒・世界観を伝えるための演出
“説明”ではなく印象形成・雰囲気づくりが主目的です。
世界観の提示
ブランドの空気感をつくる
雰囲気・トーンの統一
ファーストビューの没入感をつくる
テキストで伝える情報量より、感覚的な訴求を優先します。
3. 動きは控えめで、カメラは大きく動かさない
激しい動きや急なカット切り替えはユーザー体験を損なうため、以下が一般的です。
ゆっくりした動き
少ないカット数
なめらかなモーション
各カットは長め
4. データ容量は極力軽く最適化する
トップページの読み込み速度に直接影響するため、
軽量化(圧縮・最適化)が必須 です。
一般的な要件:
1~5MB程度に抑える
WebM / MP4(H.264 / H.265)で最適化
自動ループ可能な編集(どこから見始めても成立する構成)
5. 再生されない場合に備えた“代替画像”が必要
モバイル、低速回線、OS設定、節電モード等で動画が再生されない状況を想定し、
ポスター画像(静止画)
動画と同じ雰囲気のキービジュアル
を用意しておくのが一般的です。
6. テキストやCTAの邪魔をしない設計
あくまで背景。
明るさ・コントラストを抑えて邪魔しない
画面中央に重要な動きを置きすぎない
テロップやコピーを読みやすくするためトーンを調整
CTA(ボタン)が埋もれないようにする
7. 各デバイスでの比率差(横/縦)を考慮する
PCとスマホではアスペクト比が大きく異なるため、
被写体や重要な絵柄は中央寄せ
両端が切れても成立する構図
4Kで作ってマスクで各デバイスにクロップ
など、“どこが切れても成立する絵面” が基本です。
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【関連情報】
1. ヘッダー (Header)
ページの最上部のエリア。「頭」の部分。ロゴ(サイト名)やグローバルナビゲーション、問い合わせボタンなどが配置されます。
2. フッター (Footer)
ページの最下部のエリア。「足」の部分。コピーライト、プライバシーポリシー、サイトマップ、補助的なリンクなどが配置されます。
3. グローバル ナビゲーション(Global Navigation / グロナビ)
サイトの主要なページへのリンクをまとめたメニュー。全ページ共通で表示され、通常はヘッダーに含まれます。
4. メインコンテンツ (Main Content / メインエリア)
ページごとに内容が変わる、サイトの最も重要な情報が配置されるエリア。
5. サイドバー (Sidebar)
メインコンテンツの横に配置される補助的なエリア。サブメニュー、関連性の高い記事リスト、バナーなどが配置されます。セクション (Section)意味や役割によってコンテンツを区切る、ウェブサイトのブロック単位の総称。

