動画・映像制作用語辞典 | 名古屋映像制作研究室
個人投資家
「個人投資家」とは、法人ではなく個人の立場で株式や投資信託などの金融商品に投資する人々を指します。
ビジネスに関連する映像コンテンツ、特にIRビデオを企画制作する我々BtoB映像制作会社が、理解しておくべきビジネス用語のひとつです。
機関投資家(年金基金や投資ファンドなど)と比較して、一般的に投資資金が少なく、情報収集能力や分析能力に差がある場合もありますが、近年はインターネットの普及により、個人でも容易に投資情報を入手し、取引を行うことができるようになっています。
映像化のポイント
個人投資家がどのような情報に基づいて投資判断を行うのか、彼らが直面する課題(情報の非対称性、感情に左右される投資行動など)、そして企業が個人投資家とのコミュニケーションをどのように図るべきかといった視点を含めると良いでしょう。また、個人投資家が株式市場において果たす役割(市場の流動性の提供など)についても触れると、より深い理解を促せます。

【関連用語】
1. 統合報告書
企業の財務情報に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する非財務情報を統合的に開示する報告書です。企業のビジネスモデル、戦略、リスク、機会、そしてこれらが長期的な企業価値創造にどう繋がるかを説明します。投資家が企業の持続可能性や将来性を評価し、全体像を把握するための重要なツールであり、企業と投資家の対話を促進する役割を担います。
2. 有価証券報告書
金融商品取引法に基づき上場企業が金融庁に提出する法定開示書類です。企業の概況、事業内容、設備状況、株主・役員の状況、連結・個別財務諸表などの詳細な情報が網羅されています。投資家が企業の財務状況や事業実態を深く理解するための最も基本的な情報源であり、その信頼性は法律によって担保されています。企業の戦略やリスク要因を読み解く上でも不可欠な資料です。
3. NISA(少額投資非課税制度)
個人の資産形成を支援するため、投資で得た利益が非課税となる優遇税制です。年間投資上限額や非課税保有限度額の範囲内で、株式や投資信託などへの投資から生じる売却益や配当金などが非課税となります。2024年からは制度が拡充され、より多くの人が恩恵を受けられます。長期・積立・分散投資を後押しし、投資初心者でも始めやすい資産形成の選択肢です。
4. PBR(株価純資産倍率)
株価を1株当たり純資産で割った指標で、企業の純資産に対して株価が何倍かを示します。市場が企業の資産価値をどう評価しているかを見る際に用いられ、PBRが1倍を下回る場合、市場が企業の純資産価値よりも低い評価をしている、いわゆる「割安」と判断されることがあります。PBRの評価には、ROEなど他の財務指標と組み合わせて分析することが重要です。
5. 株主資本コスト
企業が株主から資金を調達する際に、株主がその投資に見合うと期待する最低限のリターンです。企業にとっては、株主から継続的に資金供給を受けるために達成すべき「ハードルレート」であり、これを下回るリターンしか生み出せない企業は、株主から見て魅力的ではありません。企業価値向上には、株主資本コストを上回るリターンを生み出す「稼ぐ力」の強化が不可欠です。
6. ROE(自己資本利益率)
当期純利益を自己資本で割った指標で、企業が自己資本をどれだけ効率的に使って利益を上げているかを示します。株主にとって、投資した資金がどの程度効率的に運用されているかを知る上で非常に重要であり、ROEが高いほど、企業は自己資本を効率的に活用し、高い収益性を上げていると評価されます。ROEの改善は企業価値向上に直結するため、多くの企業が経営目標として掲げています。
7. ROIC(投下資本利益率)
税引後営業利益を投下資本(有利子負債と自己資本の合計)で割った指標です。企業が事業活動に投下した資金から、どれだけ効率的に利益を生み出しているかを示し、有利子負債を含む全ての資本の効率性を評価する点でROEと異なります。ROICが加重平均資本コスト(WACC)を上回ることは、企業が価値創造している証とされ、資本配分や事業ポートフォリオ評価の重要な指標です。
8. WACC(加重平均資本コスト)
Weighted Average Cost of Capitalの略語です。企業が事業活動に必要な資金を調達する際にかかる、自己資本(株主資本)と他人資本(負債)それぞれのコストを、その調達割合に応じて加重平均したものです。簡単に言うと、企業が「お金を借りる(負債)」のと「株を発行する(自己資本)」のを組み合わせて資金調達する際に、平均してどのくらいのコストがかかっているかを示す指標です。