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名古屋の企業PR映像制作者が知っておきたいIR事情2025

更新日:5 日前

毎年新年度が始まると、3月末決算期の企業は慌ただしく株主総会の準備を始めます。ご存知の通り、会社法では定時株主総会を「毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない」と定めています。多くの会社は、決算日(事業年度末)から3ヶ月以内に開催することを定款で定めています。3月決算の会社であれば、6月末までに株主総会を開催するのが一般的です。これが「6月は株主総会の季節」と言われる理由です。


ここ名古屋を本社とする企業も、株主総会に前後して様々な目的でIRビデオを制作しています。IR - Investor Relationsのための動画コンテンツが制作されるタイミングは、その動画の目的によって株主総会の前、あるいは後、そして決算発表の前後など多様です。


株式会社SynApps・名古屋映像制作研究室は、こうしたIRに関する情報を、常時更新しながら、企業活動を支援する映像制作を行なっています。



1. 株主総会・決算説明会用の動画(総会・決算発表前後)


総会前(準備期間)に制作、総会当日に使用・公開

事業報告動画

株主総会での事業報告の時間を効率化し、視覚的に分かりやすくするために、事前に制作されることが多いです。決算発表後、株主総会までの間に制作・更新が行われます。


経営戦略・成長戦略動画

経営陣のメッセージや今後の戦略を伝えるために、総会で上映される動画です。これも総会前に制作されます。


決算ハイライト動画

決算発表と同時に、そのハイライトやポイントを動画で解説し、株主総会でも活用されるケースがあります。


これらの動画は、株主総会への参加を促す目的や、議決権行使の参考にしてもらう目的で、総会前にIRサイトなどで公開されることもあります。



総会当日を撮影し、総会後に公開

株主総会の様子をライブ配信したり、録画して後日オンデマンド配信する場合、総会後に編集・公開されます。これは、総会に参加できなかった株主や投資家、アナリストが後から内容を確認できるようにするためです。質疑応答なども含めて公開されることがあります。



2. 決算発表に合わせた動画(決算発表の前後)


決算発表と同時に公開

決算説明会をオンラインで開催する場合、その説明会の様子をライブ配信したり、事前に録画したコンテンツを配信します。


決算短信や決算説明資料と合わせて、CFOやCEOが業績のポイントや見通しを解説する動画が公開されることもあります。これは、決算発表直前〜発表と同時に制作・公開されることが多く、スピードが求められます。



3. 通年で活用されるIR動画(時期を問わず)


企業紹介動画・事業紹介動画

会社の全体像や各事業の内容を分かりやすく伝えるための動画です。これは特定のイベントに紐づくものではなく、年間を通じて制作・更新され、企業のIRサイトに常設されます。新規投資家へのアピールや、企業への理解を深めてもらう目的で活用されます。


ESG/サステナビリティ動画

企業の社会貢献活動や持続可能な取り組みに関する動画で、これも通年で公開されます。





IRの一般的なトレンド



1. ESG(環境・社会・ガバナンス)が投資判断の「標準」に


かつては企業の「おまけ」のような位置づけだったESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みが、今や投資家が企業を評価し、投資判断を行う上での不可欠な要素となっています。気候変動への対応、人権尊重、多様な人材の活用、そして透明性の高い企業統治体制など、これら非財務情報が企業の持続可能性や中長期的な成長性を測る重要な指標とされています。

機関投資家は、ESG評価に基づいて投資先を選定する「ESG投資」を拡大しており、企業は単に利益を追求するだけでなく、社会的な責任を果たすことが求められています。ESGに関する情報開示も年々高度化・詳細化しており、企業にとってIR活動における最重要テーマの一つです。米国・トランプ大統領の動向に影響を受ける可能性には、目を配っておく必要はあります。



2. 統合報告書が「企業価値を語る」中心ツールに


有価証券報告書のような法定義務開示書類は依然として重要ですが、近年、統合報告書が企業のIR活動の中心的なツールとして位置づけられています。統合報告書は、財務情報と非財務情報を統合し、企業の「価値創造プロセス」をストーリーとして語ることで、投資家に対して企業の長期的なビジョンや戦略、そして持続的な成長性を分かりやすく伝えることを目的としています。

これは、単なる情報開示に留まらず、企業がどのようなビジネスモデルで、どのような社会的価値を生み出し、将来に向けてどのように成長していくのかを、一貫したメッセージで伝える「攻めのIR」の象徴とも言えます。



3. 個人投資家とのコミュニケーション強化と多様化


昔は機関投資家との対話が中心だったIRですが、インターネットの普及と証券取引の活性化により、個人投資家の存在感が増しています。特に日本では、NISA(少額投資非課税制度)の拡充なども後押しし、個人投資家の市場参加が活発化しています。

企業は、個人投資家向けの説明会を定期的に開催したり、IRサイトのコンテンツを充実させたり、SNSを活用したりするなど、多様なチャネルを通じて個人投資家とのコミュニケーションを強化する傾向にあります。分かりやすい言葉で、親しみやすい情報提供を行うことが求められています。



4. 経営トップによる「主体的なIR」の推進


現代のIRでは、IR部門だけでなく、経営トップ自らがIR活動に積極的に関与することが求められています。決算説明会での直接的な対話はもちろんのこと、自社のウェブサイトやSNSなどを通じて、トップの言葉で企業のビジョンや戦略を語り、投資家からの質問に真摯に答える姿勢が重視されます。

トップが主体的にIRに取り組むことで、企業のメッセージに重みが増し、投資家からの信頼を獲得しやすくなります。また、投資家からのフィードバックを直接経営に活かすことで、企業価値向上への好循環を生み出すことも期待されています。



5. 株主資本コストを意識した経営と情報開示


東京証券取引所が「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」企業への改善要請を打ち出すなど、近年、企業は自社の株主資本コスト(株主が期待するリターン)を意識した経営が強く求められています。投資家は、企業が資本を効率的に活用し、期待されるリターンを生み出しているかを厳しく評価しています。

IRにおいても、単に業績を報告するだけでなく、企業がどのような資本政策を行い、どのように株主価値を高めていくのかというストーリーを明確に伝えることが重要です。ROE(自己資本利益率)やROIC(投下資本利益率)といった指標を改善するための具体的な取り組みや、株主還元策の方針などを積極的に開示し、投資家との対話を通じて理解を深めていくことが、現在のIRにおける大きな潮流となっています。

これらの情勢は、企業が単なる「モノを作る」存在から、「社会的な価値を創造し、持続的に成長する」存在へと変革していく中で、投資家との関係性も大きく変化していることを示しています。




IR映像制作のトレンド


1. 財務情報だけでなく「非財務情報」が超重要


投資家は、企業の過去の業績(売上や利益)といった財務情報だけを見ているわけではありません。近年は、企業の将来性や持続可能性を測る上で、非財務情報が非常に重視されています。

特に重要なのが、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みです。環境負荷の低減、従業員の多様性推進、透明性の高い企業統治といった側面は、企業の持続的な成長に直結すると見なされています。

PR映像では、こうしたESG活動を具体的な映像として見せることで、投資家の共感を呼び、企業の長期的な価値をアピールできます。例えば、環境配慮型製品の開発現場、社員が活き活きと働く様子、社外取締役のインタビューなどを盛り込みます。



2. トップメッセージの「本音」と「熱意」を重視


投資家は、企業の経営トップのビジョンや人柄を非常に重視します。数字だけでなく、トップが何を考え、どのような未来を描いているのか、その「本音」や「熱意」を知りたいと考えています。

PR映像では、経営トップが自らの言葉で、会社のビジョン、成長戦略、社会貢献への想いなどを語る方法が常套手段です。ただ原稿を読むだけでなく、トップの人間性や情熱が伝わるような演出を心がけることで、投資家との心の距離を縮め、信頼関係を築くことができます。



3. 事業の「強み」と「将来性」を具体的に示す


企業PR映像の目的は、自社の事業の強みがどこにあり、それが将来どのように成長していくのかを具体的に示すことです。抽象的な表現ではなく、データや実績に基づいた根拠を示し、具体的な製品やサービス、技術を映像で分かりやすく紹介するべきです。

例えば、競合他社との差別化ポイント、独自の技術力、新規市場への参入戦略などを、視覚的に訴求力のあるグラフィックアニメーションを交えて説明することで、投資家の理解を深めることができます。将来の成長ドライバーとなるであろう事業や技術に焦点を当てることも重要です。



4. 信頼性には「客観性」と「裏付け」が不可欠


IRの場面では、情報の信頼性が最も重要です。PR映像であっても、感情的な訴求だけでなく、提示する情報には必ず客観的な事実裏付けが必要です。

映像内で提示するデータや数字は、決算短信や有価証券報告書などの公式な開示情報と整合性が取れているか、誇大表現になっていないかなどを徹底的に確認しましょう。必要であれば、関連資料への参照を示すなど、情報の透明性を高める工夫も求められます。企業内のIR担当者や法務担当者との綿密な連携が不可欠です。



5. 一貫した「ブランドイメージ」で認知度向上


企業PR映像は、投資家だけでなく、顧客、従業員、採用候補者など、様々なステークホルダーが見る可能性があります。そのため、映像を通じて発信するメッセージやビジュアルは、企業のブランドイメージと一貫していることが重要です。

ブランドカラー、ロゴ、フォント、ナレーションのトーンなど、細部にわたるまで企業のブランドガイドラインに沿って制作することで、一貫性のある企業イメージを確立し、認知度を高めることができます。IR映像を制作する際は、企業のブランディング戦略全体の中で、どのような位置づけになるのかを明確にすることが成功の鍵となります。


日本証券取引所

【弊社制作協力】

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