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IR映像制作会社が提案する映像の力を最大限引き出すデータビジュアライゼーション

更新日:16 時間前

投資家が最も重要視する代表的なIR指標は以下だと言われています。これらは言うまでもなく数値データが情報の核心です。


  1.  ROE(自己資本利益率)

 株主資本に対してどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す指標で、経営の効率性を測る最重要指標の一つです。機関投資家は特に持続可能な高いROEを重視し、日本企業には8%以上が期待されています。


  1. EPS(1株当たり利益)とその成長率

株主にとって直接的な価値創造を示す指標で、株価形成に大きな影響を与えます。単年度のEPSだけでなく、中長期的な成長トレンドが重要視され、四半期ごとの進捗も注目されます。


  1. フリーキャッシュフロー 

企業が実際に創出する現金の量を示し、配当原資や投資余力を表します。利益の質を判断する上で重要で、特に機関投資家は持続的なキャッシュ創出能力を重視します。PERやPBRなどの株価指標と組み合わせて企業価値を評価する際の基礎となります。


  1. 売上高・各種利益(営業利益、経常利益、純利益)の推移

企業の規模や収益力を示し、好調・不調の要因を分析する上で基礎となる情報です。単に絶対額だけでなく、その推移と成長性が重要視されます。



  1. PER(株価収益率)/ PBR(株価純資産倍率)

株価が割安か割高かを判断する際に用いられる指標です。業界平均や過去のトレンドとの比較で評価されます。




Data Visualization

1. データビジュアライゼーション(Data Visualization)とは


IR情報を映像コンテンツで伝える上で、「数値をどう見せるか?」は非常に重要な要件です。数値データを視覚的にインパクトのある映像にする技法を総称として「データビジュアライゼーション」と呼びます。

データや情報をグラフ、図、地図などの視覚的な要素を使って表現することを指します。静止画だけでなく、インタラクティブなものや、時間軸で変化するデータ(企業の成長を追うものなど)を表現する際にも使われます。複雑なデータセットの中からパターン、傾向、相関関係などを直感的に理解することを目的としています。

私たちがその映像制作に使用する技法は「モーショングラフィックス」と「インフォグラフィックス」です。



モーショングラフィックス (Motion Graphics)


データビジュアライゼーションの中でも「動き」を加えることに特化した表現技法です。イラスト、写真、テキスト、グラフなどの静的な要素にアニメーションやエフェクトを加え、時間軸に沿って展開させることで、緒感的で理解しやすい映像を作り出します。

ROEやEPSの推移をグラフで表現し、それが時間と共に変化していく様子をアニメーションで見せたり、キャッシュフローの項目が積み上がっていく過程を視覚的に表現したりする際に、このモーショングラフィックスの技術が中心となります。



インフォグラフィックス (Infographics)


厳密には「情報(Information)」と「グラフィックス(Graphics)」を組み合わせた言葉で、情報を視覚的に分かりやすくまとめたものを指します。静止画の場合が多いですが、映像コンテンツの中に取り入れられる場合は、動きのある「モーショングラフィックス」の一部として活用されることがほとんどです。特に、統計データや複雑な概念を簡潔に、直感的に伝える際に非常に有効です。


では、具体的にどのように映像化するのかを考える前に、各指標の意味をよく理解しておきましょう。




2. IRの重要指標を理解する


2.1 ROE(自己資本利益率)について


ROEの基本概念と計算方法


ROE(Return on Equity)は、株主資本に対してどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す指標です。計算式は「当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」で表されます。この指標は、株主が投資した資本がどれだけ効率的に活用されているかを測る最も重要な指標の一つです。

ROEは15%以上あれば優秀とされ、10%以上が良好、8%以上が及第点とされることが一般的です。日本企業の平均ROEは約8~10%程度ですが、欧米企業では12~15%程度が標準的とされています。


ROEの構成要素分析(デュポン分析)


ROEはデュポン分析により、「売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ」に分解できます。この分析により、ROEの向上要因を特定できます。

売上高純利益率は収益性を示し、コスト管理や価格設定の巧拙を反映します。総資産回転率は効率性を示し、資産をどれだけ効果的に活用して売上を生み出しているかを表します。財務レバレッジは負債の活用度を示し、適度なレバレッジは資本効率を高めますが、過度な負債は財務リスクを高めます。


ROEの注意点と限界


ROEは一時的な要因で変動する可能性があります。例えば、大規模な資産売却益や特別損失、自社株買いによる自己資本の減少などが影響します。また、成長投資により一時的にROEが低下することもあり、単年度の数値だけでなく中長期的なトレンドを見ることが重要です。

さらに、ROEが高すぎる場合は、過度な財務レバレッジや投資不足の可能性もあります。持続可能なROEの水準を見極めることが投資判断において重要です。




2.2 EPS(1株当たり利益)について


EPSの基本概念と重要性


EPS(Earnings Per Share)は、「当期純利益 ÷ 発行済み株式数」で計算される指標で、株主にとって最も直接的な価値創造を示します。EPSは株価形成の基礎となる指標であり、PER(株価収益率)の分母としても使用されます。

EPSの成長率は企業の成長性を測る重要な指標です。年率10%以上の成長が継続できれば優良企業とされ、5%以上であれば安定成長企業と評価されます。


EPSの種類と計算方法


EPSには基本的EPSと希薄化EPSがあります。基本的EPSは普通株式のみを対象とし、希薄化EPSは潜在株式(新株予約権、転換社債等)の影響を考慮した数値です。投資家は希薄化EPSを重視する傾向があります。

また、継続事業EPSと非継続事業を含む総合EPSがあります。継続事業EPSは企業の本来の収益力を示すため、投資判断においてより重要視されます。


EPSの成長要因と質的分析


EPSの成長要因は、売上高成長、利益率改善、税負担軽減、株式数減少(自社株買い)に分けられます。このうち、売上高成長と利益率改善による成長が最も持続可能で質の高い成長とされます。

特に、単価上昇と数量増加のバランス、既存事業の成長と新規事業の寄与度、有機的成長とM&Aによる成長の内訳を分析することが重要です。


EPSの注意点と見方


EPSは会計上の利益に基づくため、一時的な要因や会計処理の変更の影響を受けます。特別利益や特別損失を除いた実質的なEPSを把握することが重要です。

また、自社株買いによるEPS押し上げ効果と、本業の成長によるEPS成長を区別して評価する必要があります。前者は一時的な効果に留まる可能性が高いためです。




2.3 キャッシュフローについて


キャッシュフローの基本概念


キャッシュフローは企業の実際の現金の流れを示し、会計上の利益とは異なる企業の実力を表します。営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つに分類されます。

営業キャッシュフローは本業での現金創出力を示し、投資キャッシュフローは将来への投資状況を、財務キャッシュフローは資金調達と株主還元の状況を表します。


フリーキャッシュフローの重要性


フリーキャッシュフローは「営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー(通常はマイナス)」で計算され、企業が自由に使える現金を示します。この指標は配当原資、借入金返済、自社株買いの原資となるため、株主にとって極めて重要です。

フリーキャッシュフローがプラスで安定している企業は、財務健全性が高く、株主還元余力があると評価されます。売上高に対するフリーキャッシュフロー率が5%以上あれば優良とされます。


キャッシュフローの質的分析


営業キャッシュフローの質を分析する際は、売上債権や棚卸資産の増減、支払債務の変動に注目します。売上債権の急激な増加は回収リスクを、棚卸資産の増加は在庫滞留リスクを示唆します。

また、営業キャッシュフローと当期純利益の関係も重要です。営業キャッシュフローが当期純利益を大きく上回る場合、利益の質が高いと評価されます。逆に大きく下回る場合は、利益の実現性に疑問が生じます。


投資キャッシュフローの分析


投資キャッシュフローは通常マイナスですが、その内容を詳細に分析することが重要です。成長投資(設備投資、M&A)と維持投資(既存設備の更新)を区別し、将来の収益成長への寄与度を評価します。

設備投資については、売上高設備投資率や減価償却費との比較により、投資の積極性を判断します。また、投資回収期間や投資収益率(ROIC)との関係も重要な分析ポイントです。


財務キャッシュフローと株主還元


財務キャッシュフローでは、借入金の増減、配当金支払い、自社株買いの状況を分析します。配当性向(配当金 ÷ 当期純利益)と配当支払い余力(フリーキャッシュフロー対比)を把握することが重要です。

自社株買いについては、株価水準と実施タイミングの適切性、発行済み株式数に対する消却比率を評価します。また、借入金返済による財務健全性の改善度も重要な判断要素です。


キャッシュフローの業界特性


キャッシュフローのパターンは業界により大きく異なります。製造業は設備投資が大きく投資キャッシュフローがマイナスになりやすい一方、サービス業は営業キャッシュフローが相対的に安定しています。

成長企業は投資キャッシュフローが大きくマイナスになる傾向があり、成熟企業は営業キャッシュフローが安定してフリーキャッシュフローがプラスになりやすいです。


統合的な分析の重要性


ROE、EPS、キャッシュフローは相互に関連しており、総合的に分析することが重要です。高いROEと EPS成長が、十分なキャッシュフロー創出に支えられているかを確認することで、企業の真の実力を評価できます。

また、これらの指標の持続可能性、競合他社との比較、業界動向との整合性を含めた多角的な分析が、適切な投資判断につながります。




2.4 売上高・各種利益(営業利益、経常利益、純利益)の推移


企業の規模や収益力を示す基礎的な情報です。単に絶対額の大小だけでなく、その推移と成長性が重要視されます。例えば、売上が伸びていても利益が減っている場合は、コスト管理に課題があるなど、詳細な分析が必要になります。これらの指標は、企業の好調・不調の要因を分析する上で最初に確認すべきポイントとなります。




2.5 PER(株価収益率)/ PBR(株価純資産倍率)


これらの指標は、株価が割安か割高かを判断する際に用いられます。


PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)

「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で計算され、企業が稼ぐ利益に対して株価が何倍になっているかを示します。一般的にPERが低いほど割安とされますが、成長性が高い企業は将来の利益成長を織り込んでPERが高くなる傾向もあります。


PBR(Price Book-value Ratio:株価純資産倍率)

「株価 ÷ 1株当たり純資産」で計算され、企業の純資産(解散価値)に対して株価が何倍になっているかを示します。PBRが1倍を下回る場合は、理論上は企業が解散した方が株主にとって得という見方もでき、割安と判断されることが多いです。




3. 誰が誰のためにIRの重要指標を映像で説明するべきか



3.1 誰が映像を制作するのか?


金融機関・証券会社

顧客獲得や既存顧客へのサービス向上、ブランドイメージの確立を目的として、自社の専門知識を活かしたコンテンツを制作します。


投資教育プラットフォーム・メディア企業

収益化(広告収入、有料会員制など)や啓蒙活動の一環として、幅広い投資家に向けたコンテンツを提供します。


事業会社(IR部門)

自社のIR(投資家向け広報)活動の一環として、投資家とのコミュニケーションを円滑にするためのコンテンツを制作します。企業の成長戦略や強みを具体的に伝える役割も担います。


個人投資家・インフルエンサー

自身の経験や分析に基づいて、他の個人投資家に向けて情報発信を行います。知識共有やコミュニティ形成が目的です。


政府・公的機関

金融リテラシー向上のため、国民全体に向けた基礎的な投資教育コンテンツを制作することがあります。



3.2 誰のために作るのか?(視聴者ターゲット)


投資初心者

  • 投資の基本的な仕組み、用語の意味、リスクとリターンの関係など、基礎知識の習得。

  • 専門用語を避け、アニメーションや比喩を多用して分かりやすさを最優先。投資のメリットだけでなく、リスクも正直に伝えることで、正しい知識と心構えを育むことを目指します。


中級・上級投資家

  • より深い企業分析手法(今回のROE・EPS・キャッシュフローの詳細解説など)、マクロ経済分析、セクター分析、最新の市場トレンドなど、実践的な情報。

  • データに基づいた分析や、具体的な企業の事例を多く取り入れることで、彼らの投資判断に役立つ情報を提供します。著名な専門家による解説や対談形式も有効です。


特定の投資スタイルに興味がある層

  • 株式投資、債券投資、不動産投資、FXなど、特定の金融商品や投資戦略に特化した知識。

  • その分野に特化した専門家を招き、具体的な取引事例や分析ツールなども紹介します。


特定の企業の株主・潜在的な投資家

  • その企業の事業内容、財務状況、成長戦略、IR情報など。

  • 企業の経営陣やIR担当者が直接語りかける形式や、企業の事業活動を分かりやすく紹介するドキュメンタリータッチの映像が考えられます。




4. 名古屋の映像制作会社 株式会社SynAppsがIRに強い訳


弊社は創業以来15年間、BtoB領域の映像コンテンツ制作に携わってきました。当社のプロデューサーはプロデューサー・ディレクターとして30年以上企業の複雑な情報をいかに分かりやすく、かつ魅力的に伝えるかに注力してきており、物流機械や電機製造業、情報システム業のクライアント様に対して、決算説明動画や事業戦略紹介動画などを制作し、投資家コミュニケーションの改善に貢献してまいりました。


IRビデオでは重要な要素となる、数値データが持つストーリーを最大限に引き出すため、専門のデザイナーとアニメーターが、貴社のIRデータに合わせた最適なビジュアライゼーションを考案し、単なるグラフのアニメーションに留まらず、企業の事業内容や市場環境を考慮した、視覚的に訴えかける表現を追求しています。

ここ名古屋では製造業のIR映像案件が多いため、ともすると事務的、平面的な表現に留まったいたIRを、映像化することで洗練されたコミュニケーションに進化させてきました。




5. IR映像コンテンツを制作する具体的なステップや費用感



5.1 制作の流れ(例)


お問い合わせ・ヒアリング

貴社のIR課題や目的、ターゲット投資家層を詳しく伺います。


企画提案・構成案作成

ヒアリング内容に基づき、映像コンテンツの具体的な企画、構成案、ストーリーボードを提案します。


データ収集・整理

貴社からIR関連の数値データや非財務情報をご提供いただき、映像化に適した形で整理・加工します。


デザイン・アニメーション制作

データビジュアライゼーションとモーショングラフィックスの技術を駆使し、視覚的に分かりやすい映像を制作します。


ナレーション・BGM制作

プロのナレーターによる分かりやすい音声と、映像に合わせたBGMで、コンテンツの質を高めます。


最終確認・納品

完成した映像をご確認いただき、ご要望に応じて修正を行い、最適な形式で納品します。




5.2 費用の目安


IR映像コンテンツの費用は、内容の複雑さ、尺の長さ、CGの有無などにより大きく変動します。まずは貴社のご要望をお伺いし、最適なプランとお見積もりをご提案させていただきます。



5.3 制作期間の目安


企画から納品まで、通常4週間~2ヶ月程度の期間を頂戴しております。



IRに関連して映像コンテンツの制作をお考えの時は、名古屋の映像制作会社 株式会社SynAppsにご相談ください。


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【この記事について】

本記事は、製造品出荷額日本一を誇る東海圏・名古屋に拠点を置く株式会社SynAppsが執筆しました。私たちは「名古屋映像制作研究室」を主宰し、各業界の知見を収集・分析しながら、企業が抱える課題を映像制作の力で支援することを目指しています。BtoB領域における映像には、産業ごとの深い理解が不可欠であり、その知識と経験をもとに制作に取り組んでいます。


【執筆者プロフィール】

株式会社SynApps 代表取締役/プロデューサー。名古屋を中心に、地域企業や団体のBtoB分野の映像制作を専門とする。プロデューサー/シナリオライターとして35年、ディレクター/エディターとして20年の実績を持つ。

株式会社SynApps 会社概要はこちら → [当社について] [当社の特徴]



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