動画・映像制作用語
【ストーリーボード】
storyboard
ストーリーボードは、物語の進行を絵で表現した一連のパネルのことです。各パネルには、シーンの内容、登場人物の動き、カメラアングルなどが簡潔に描かれており、漫画のような形式でストーリーの流れを視覚化します。
基本的には「絵コンテ」と同義語ですが、映像制作業界ではアニメーション制作においてストーリーボード(storyboard)という表現が使われる傾向があります。
映像作品の各シーンを絵で表現した視覚的な設計図として、映像の流れを連続した絵(コマ)で表現し、カメラアングル、構図、演出意図、動きなどを示します。各コマには通常、技術的な指示や説明も付記されます。
映像分野による特徴
実写映画・CM分野
「絵コンテ」という呼び方が一般的で、撮影前の演出プランとして使用され、カメラワーク、照明、アクションなどの具体的なイメージを共有します。長尺作品ではすべてのシーンを描くとは限らず、重要なシーンや特殊な撮影が必要なシーンを中心に作成されることもあります。
アニメーション分野
詳細な制作指示書として機能します。カット割り、タイミング、効果、カメラワークなどの情報が細かく記載され、実質的な制作指示書となります。
ゲーム分野
ムービーシーンの設計図としての役割に加え、ゲームプレイの流れやUI(ユーザーインターフェース)の遷移を示す用途にも使用されます。インタラクティブな要素を含むため、分岐や選択肢なども表現されます。
映像制作過程における重要性
1. チーム内でのビジュアルコミュニケーション
2. 予算や時間の見積もり
3. 技術的な課題の事前把握
4. 演出意図の明確化
5. 制作効率の向上
【関連用語】
1. シナリオ
セリフや場面設定、ト書き(演技・演出の指示)を含む、映像作品の設計図となる完成台本です。映画では映画脚本、テレビではテレビ脚本とも呼ばれます。
2. プロット
物語の展開や構成を簡潔にまとめた文書です。起承転結や重要な転換点を示し、シナリオを書く前の骨組みとして機能します。
3. シノプシス
コンテンツの全体像を簡潔に把握するための書類です。通常、A4用紙1〜2枚程度にまとめられます。
4. 絵コンテ
ストーリーボードと同様、映像の設計図となる絵付きの演出資料です。特にアニメーション制作では、カット割りや演出指示を含む重要な制作指示書となります。
5. 香盤表(こうばんひょう)
撮影スケジュールを管理する表で、出演者の予定、シーン、場所、必要な小道具などを一覧にしたものです。特に実写作品の制作進行に不可欠です。