動画・映像制作用語
【プロット】
plot
プロット(plot)は物語の骨組みとなる筋書きのことで、シナリオよりも簡潔でありながら、シノプシスよりも詳細な内容を含む中間的な文書として位置づけられます。優れたプロットは、物語の展開の明確な筋道を示し、視聴者の興味を効果的に維持する構造を持ちます。
プロット(plot)は、一般的に以下の通りに記述された文章です。
物語の展開を時系列に沿って簡潔に記述
登場人物の行動や重要な出来事を整理
物語のテーマや主題を明確化
プロットの構成要素には以下のようなものがあります。
導入部(設定提示)
物語の舞台設定、主要キャラクター、基本状況などを示します。観客が物語に入り込むために必要な情報を提供します。
展開部(葛藤と発展)
主人公が直面する問題や困難、それに対する行動、他のキャラクターとの関係性の変化などを描きます。物語の中心となる部分で、緊張感や興味を高めていきます。
クライマックス(山場)
物語の頂点となる場面で、主要な対立や問題が解決に向かう重要な転換点を示します。ここでは物語の核心が明らかになります。
結末(解決)
物語全体の結論を示し、主要な問題がどのように解決されるか、キャラクターがどのような変化を遂げるかを描きます。
プロットの役割
1. 企画段階での作品の方向性確認
2. 制作スタッフ間での物語の共通理解
3. シナリオ執筆の基礎資料
4. 予算や制作規模の検討材料
5. スポンサーや出資者への提案資料
【関連用語】
1. シナリオ
セリフや場面設定、ト書き(演技・演出の指示)を含む、映像作品の設計図となる完成台本です。映画では映画脚本、テレビではテレビ脚本とも呼ばれます。
2. シノプシス
コンテンツの全体像を簡潔に把握するための書類です。通常、A4用紙1〜2枚程度にまとめられます。
3. ストーリーボード
シナリオを絵で表現した一連の画コンテです。各ショットの構図、カメラワーク、演出意図などを視覚的に示します。アニメでは「絵コンテ」と同じ意味で使われます。
4. 絵コンテ
ストーリーボードと同様、映像の設計図となる絵付きの演出資料です。特にアニメーション制作では、カット割りや演出指示を含む重要な制作指示書となります。
5. 香盤表(こうばんひょう)
撮影スケジュールを管理する表で、出演者の予定、シーン、場所、必要な小道具などを一覧にしたものです。特に実写作品の制作進行に不可欠です。