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BGM(ビージーエム)

映像作品の中でセリフや効果音以外の音楽のことです。映画、ドラマ、アニメ、CMなど、あらゆる映像作品で活用されており、映像の内容をより豊かに表現する上で重要な役割を果たしています。

BGMの役割


雰囲気作り

映像の世界観や雰囲気を表現し、視聴者に特定の感情やイメージを喚起します。例えば、ホラー映画では不気味な音楽、ラブストーリーでは切ない音楽などが使われます。


シーンの印象付け

BGMによって、シーンの重要度や印象を強調することができます。例えば、クライマックスシーンでは高揚感のある音楽が使われます。


テンポの調整

BGMのテンポによって、映像のテンポを調整することができます。速いテンポの音楽は、活気のあるシーンに、遅いテンポの音楽は、落ち着いたシーンに適しています。


視聴者の感情を誘導

BGMは、視聴者の感情を揺さぶり、物語に引き込む効果があります。


視覚情報の補完

映像だけでは伝えきれない情報を、音楽で補完することができます。




BGMの種類


オリジナル楽曲

映像作品のために特別に作曲された楽曲です。


既存曲

既存の楽曲をアレンジして使用する場合もあります。


効果音

音楽だけでなく、効果音もBGMとして使用されることがあります。




BGMの選び方


音楽配信サービス

iTunes、Spotifyなど、様々な音楽配信サービスで、映像に合いそうな楽曲を探すことができますが、ほとんど楽曲は著作権上、動画編集には使えません。


著作権フリー音楽サイト

Audio Jungleなど、無料で使用できる音楽素材を提供しているサイトがあります。


作曲家への依頼

オリジナル楽曲を制作したい場合は、作曲家に依頼することも可能です。

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執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

映像制作会社としての視点


映像につける音楽をBGM(バックグランド音楽)と表現することには、多くの映像制作者は抵抗を覚えています。音楽は背景に埋もれているものではなく、大切なひとりの出演者だと考えるからです。

音楽は空気のような存在ではなく、「言葉を持たない雄弁な演者」です。



1. 感情を代弁する「語り部」


セリフや表情だけでは伝えきれない、登場人物の内面的な葛藤や潜在的な感情を、音楽が代わりに語ります。


心理描写

表向きは笑っているキャラクターの背後で、不穏な旋律が流れることで「嘘」や「恐怖」を観客に伝えます。


ナラティブの補完

映像が説明を省いたとしても、音楽のトーン一つでその場の空気を一変させる力を持っています。



2. リズムを作るダンサー


映像のカット割り(編集)と音楽のリズムが呼応することで、映像作品全体に呼吸や鼓動が生まれます。


テンポの支配

音楽のBPM(テンポ)は、観客の体感時間をコントロールします。


アクションの同期

映像の動きと音の完全同期によって、音楽そのものが映像の動きと一体化し、躍動感を生み出します。



3. 世界観を規定する美術監督


音楽が鳴り始めた瞬間、その作品の時代背景、場所、ジャンルが確定します。


空間の構築

荘厳なオーケストラなら「歴史や神話」、ザラついたシンセサイザーなら「近未来や孤独」といった具合に、視覚情報以上のディテールを脳内に作り上げます。



映像制作者の視点


「BGM」という言葉が「聞こえていてもいなくてもいい付随物」というニュアンスを含むのに対し、制作者が求めるのは「その音がないと、そのシーンが成立しない」という不可欠な存在感です。

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BGM(ビージーエム)を解説するイメージ(監修・神野富三)

​関連用語など

1. フェード(Fade)


音声の音量を徐々に上げる(フェードイン)または下げる(フェードアウト)する技術です。BGMの自然な導入や終了、シーンの切り替わりを滑らかにする際に使用されます。例えば、シーンの終わりでBGMをフェードアウトさせながら、次のシーンのBGMをフェードインさせることで、音楽の切り替わりを違和感なく行うことができます。また、ナレーションやセリフが入る際にBGMを一時的に下げる(デュッキング)際にも使用され、音声の明瞭度を確保しながら、BGMによる演出効果を維持することができます。フェードの長さや曲線(リニア、対数など)を適切に設定することで、より自然な音の変化を実現できます。



2. ミキシング(Mixing)


複数の音源(BGM、効果音、ナレーション、環境音など)のバランスを調整する作業です。その専門職をミキサーと呼びます。各音源の音量レベル、定位(パン)、周波数特性(イコライザー)などを総合的に調整し、最適な音響効果を作り出します。特にBGMは他の音声要素を邪魔しない適切なレベルに設定する必要があり、シーンの展開に応じて細かな調整が必要となります。プロフェッショナルな制作現場では、専用のミキシングコンソールやDAWソフトウェアを使用し、複数のトラックを同時にコントロールしながら、全体的なサウンドデザインを構築します。



3. マスタリング(Mastering)


完成した音声コンテンツ全体の最終調整を行う工程です。全体的な音圧レベルの最適化、周波数バランスの調整、ダイナミックレンジの制御などを行い、様々な視聴環境で適切に再生できるようにします。BGMを含む全ての音声要素が、放送規格や配信プラットフォームの技術要件を満たすよう調整されます。特に、テレビ放送では音量基準(ラウドネス)への準拠が必要で、BGMと他の音声要素のバランスを維持しながら、全体的な音圧を適正範囲に収める必要があります。



4.クロスフェード(Crossfade)


2つの音声を重ねながら、一方をフェードアウトさせ、もう一方をフェードインさせる技術です。BGMの切り替えを自然に行う際によく使用されます。例えば、シーンの雰囲気が変化する際に、現在のBGMから次のBGMへとスムーズに移行させることができます。クロスフェードの長さや形状を調整することで、音楽の拍子を合わせたり、特定のフレーズで切り替えたりすることも可能です。また、同じ楽曲の異なるバージョン(フルバージョンとインストゥルメンタルなど)を切り替える際にも効果的です。



5. ステム(Stem)


音声素材をカテゴリーごとにグループ化したものです。例えば、BGM、効果音、ナレーション、環境音などを別々のステムとして管理します。これにより、後の編集や修正が容易になり、国際展開時の言語変更やリミックスなども効率的に行えます。BGMに関しては、メインメロディー、バッキング、ベースなど、さらに細かいステムに分けることで、より柔軟な音量調整や編集が可能になります。また、権利処理や二次利用の際にも、ステム単位での管理が有効です。

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