構成案
映像制作においてはシナリオ(脚本・台本)の前段階として関係者に提示する、映像コンテンツの骨子や流れの試案ことを指します。制作会社や人によって「構成案」の詳細度、完成度は異なりますので、提案を受ける場合はあらかじめ確認しておいた方が、いいかも知れません。
場合によってはA4紙に箇条書きだ けかも知れませんし、絵コンテ付きの企画書かも知れません。
一般的にはテキストによるあらすじ程度のものを指しますが、全体のテーマと項目ごとの狙いは、最低限書き込まれているはずです。3分程度までの尺の場合は、構成案にイメージ絵コンテを付けて提案することもよくあります。
クライアントは、提案を受けた複数の構成案の中から選択するか、修正ポイントを伝えた上で、次のステップ「シナリオ作成」に進むのが一般的です。
映像制作会社としての視点
映像制作会社にとっての「構成案」とは
制作プロセス全体の方向性を定めるための重要な合意資料です。
構成案の段階では、映像のテーマや狙い、全体の流れといった骨子を共有し、クライアントと制作側の認識を揃えることが目的となります。この時点では表現はまだ抽象的であり、修正や方向転換がしやすいことが特徴です。もしこの時点で絵コンテがついていたとしても、映像制作会社としては、それはあくまで「イメージ」ですので、そのまま完成時の絵を規定しているものではないという認識です。
そのため、この段階では変更が容易であり、構成案へのフィードバックは、制作現場としても最も歓迎される工程だと言えます。一方で、この構成案が承認されることは、「この方向性で具体化を進める」という合意が成立したことを意味します。
構成案をもとにシナリオや絵コンテといった、より具体的で修正コストの高い工程へ進むため、構成案の承認は単なる形式的な確認ではありません。後工程に進んだ後で、構成案レベルまで立ち戻る修正が発生した場合、それは表現の微調整ではなく、前提条件の変更に近い意味を持ちます。だからこそ、構成案の段階で目的やトーンを丁寧にすり合わせておくことが、結果的に無理のない進行と、完成度の高い映像につながります。
執筆者・神野富三
株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
大学時代のラジオ番組の構成演出に始まり、映像ディレクター・プロデューサーとして、40年以上の業界経験を基に映像業界に関する知見を発信しています。
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関連用語など
1. シナリオ
セリフや場面設定、ト書き(演技・演出の指示)を含む、映像作品の設計図となる完成台本です。映画では映画脚本、テレビではテレビ脚本とも呼ばれます。
2. プロット
物語の展開や構成を簡潔にまとめた文書です。起承転結や重要な転換点を示し、シナリオを書く前の骨組みとして機能します。
3. ストーリーボード
シナリオを絵で表現した一連の画コンテです。各ショットの構図、カメラワーク、演出意図などを視覚的に示します。アニメでは「絵コンテ」と同じ意味で使われます。
4. 絵コンテ
ストーリーボードと同様、映像の設計図となる絵付きの演出資料です。特にアニメーション制作では、カット割りや演出指示を含む重要な制作指示書となります。
5. 香盤表(こうばんひょう)
撮影スケジュールを管理する表で、出演者の予定、シーン、場所、必要な小道具などを一覧にしたものです。特に実写作品の制作進行に不可欠です。

