動画・映像制作用語
【VTR】
vtr
「VTR」は、Video Tape Recorder (ビデオテープレコーダー) の略称で、映像と音声を磁気テープに記録・再生する装置そのものを指していましたが、現在では、テープに限らずハードディスクやSSDなどの記録媒体に記録された映像素材全般を指します。
テレビ放送のバラエティやニュース番組などの番組収録中や生放送中で使われる、事前に収録された映像のことを「VTR」と呼んでいます。生放送ではない部分とも言えます。
英語圏でも同様に "VTR" (vee-tee-ar) と発音され、日本同様に記録媒体に保存された映像素材全般を指しています。ただし、より技術的な文脈や、特に若い世代の間では、単に "video clip" や "recorded footage" といった表現が使われることも増えています。
「VTR」は、事前にロケを行うなどして、番組の趣旨や話題に合わせた情報として、一定の目的で編集されたものが一般的ですが、最近では視聴者からの投稿やWEB上の動画コンテンツを「VTR」に似た扱いをする場合も増えています。媒体はSSDが使われることが増えています。

【関連用語】
1. テロップ (Telop)
元々は「Television Opaque Projector(テレビジョン・オペーク・プロジェクター)」という、不透明なフィルムなどに文字や図形を書き、それをカメラで撮影して映像に重ねる装置の略称でした。現在では、CG(コンピューターグラフィックス)技術で生成された文字や図形を映像に重ねるのが一般的ですが、その名残で今でも画面に表示される文字情報のことを「テロップ」と呼びます。
2. ロケ (Location)
映画やテレビ番組の撮影を、スタジオ以外の実際の場所で行うことを「ロケーション撮影(Location Shooting)」と呼んでいました。この「ロケーション」が略されて「ロケ」となり、スタジオ以外で行う撮影全般を指し「撮影」に近い意味で使われています。
3. フィルム (Film)
映像を記録する媒体として、かつてはセルロイドなどのフィルムが主流でした。現在ではデジタルデータで記録されることがほとんどですが、映画業界などでは、映像作品そのものを指して「フィルム」と呼ぶことがあります。
4. ラッシュ (Rush)
撮影されたフィルムを現像し、編集前に内容を確認するために急いでプリントした試写用フィルムのことを「ラッシュプリント(Rush Print)」と呼んでいました。デジタル撮影が主流になった現在では、撮影したデータをすぐに編集室で確認できるため、物理的なフィルムの「ラッシュ」は存在しませんが、撮影直後の素材を確認する作業や、その素材そのものを指して「ラッシュ」と呼ぶことがあります。
5. MA (Multi Audio/Mixing Auditorium)
本来は撮影後の映像に、ナレーション、効果音、BGMなどをミキシング(Multi Audio)する作業を行うスタジオ(Mixing Auditorium)の略称ですが、現在では映像編集ソフトで行う、音響効果や音楽を最終的に調整する作業のことも指すようになっています。