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PRとプロモーションの違いを理解する

PRの本質は、企業と社会の間に「相互理解」を築くことです。単なる情報発信ではなく、ステークホルダーとの長期的な信頼関係の構築を目指します。そのため、時には自社に不利な情報でも、適切なタイミングで開示する判断が必要になります。一方、プロモーションは、商品やサービスの「価値訴求」と「販売促進」が主目的です。具体的な商品の特長や、購入による便益を伝え、最終的な売上向上につなげることを目指します。

PRとプロモーションの本質を理解し、映像で企業価値を伝える

 

企業が社会に存在し続けるためには、製品やサービスを市場に届け、売上を確保することはもちろん大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。事業の継続性やブランドの信頼性を高めるためには、社会全体からの理解や共感を得ることが欠かせません。このとき重要になるのが「PR(パブリック・リレーションズ)」と「プロモーション」という二つの活動です。両者は似ているようでいて、実は目的もアプローチも異なります。私たちはBtoB領域で映像を制作してきた経験から、この二つの違いを理解し、最適な形で活用することが企業活動に直結すると考えています。

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PRの本質 ― 相互理解と信頼の構築

 

PRとは、Public Relationsの頭文字を取った言葉であり、その直訳は「公衆との関係」です。ここでいう「公衆」とは、株主や顧客、取引先、従業員、行政、地域社会といった、企業に関わるあらゆるステークホルダーを指します。PRの本質は、そうした多様なステークホルダーとの間に「相互理解」を築くことにあります。単なる情報の発信にとどまらず、誠実なコミュニケーションを積み重ねることで、企業と社会が互いに信頼できる関係を構築していくのです。

例えば、企業が不測の事態に直面したとき。製品不具合や情報漏えいといった事象は、往々にして企業にとって不利なニュースとなります。しかし、そうした情報を隠すのではなく、適切なタイミングで正確に開示し、再発防止策を示すことが、長期的にはブランドの信頼を守る道となります。この「不利な情報をあえて開示する姿勢」こそ、PRにおける重要な判断であり、単なる広告や販促活動とは決定的に異なる点です。

プロモーションの役割 ― 価値訴求と販売促進

 

一方で、プロモーションは主として販売活動を直接的に支援するものです。商品やサービスの持つ機能、特徴、そして導入による便益を明確に伝えることで、顧客の購買意欲を刺激し、最終的には売上につなげることを目的としています。展示会で上映する製品紹介映像や、営業担当者が商談時に用いるプレゼン動画は、典型的なプロモーション映像の事例です。

プロモーションは、具体的で分かりやすいメッセージが求められます。「この製品を導入すれば、コストが何%削減できる」「このサービスを活用すれば、業務効率がどれほど向上する」といった形で、購入後のメリットを想像できることが重要です。その意味で、プロモーションは企業活動における即効性のある施策といえるでしょう。

映像制作会社としてできること

 

では、PRとプロモーションのそれぞれの性質を踏まえたとき、私たち映像制作会社はどのような役割を果たせるのでしょうか。

PRにおいては、企業理念や社会的責任、長期的なビジョンを「物語」として伝えることが効果的です。例えば、企業が持続可能な取り組みにどのように取り組んでいるのか、あるいは従業員一人ひとりがどのような思いで事業に携わっているのか。こうした内容は文章や数値データだけでは伝わりにくいものですが、映像であれば表情や現場の臨場感を交えて届けることができます。結果として、企業の姿勢をステークホルダーが肌感覚で理解し、信頼を深めるきっかけとなります。

一方でプロモーションでは、製品の性能や使い方を直感的に理解できるようにすることが重要です。BtoBの分野では複雑な機械設備や高度なITサービスが多く、言葉だけでは価値を伝えにくい場面が少なくありません。そこで、映像によるわかりやすいデモンストレーションや、導入事例を紹介する動画は、顧客にとって具体的な利用イメージを持つ大きな助けとなります。営業活動の武器となり、案件獲得のスピードを高めることにもつながります。

PRとプロモーションの橋渡し

 

実際の企業活動においては、PRとプロモーションは明確に切り分けられるものではありません。むしろ両者を適切に組み合わせることで、より大きな効果を生むことができます。たとえば、ある製品を紹介するプロモーション映像の中に、企業が社会課題の解決を目指している姿勢を盛り込めば、それは同時にPRの役割も果たします。逆に、企業理念を語るPR映像の中で、具体的な製品や技術が社会にどう貢献しているかを紹介すれば、プロモーションとしての効果も期待できます。

私たちは、単に「きれいな映像」を作ることが目的ではありません。クライアント企業が置かれた状況、抱えている課題、目指す方向性を深く理解したうえで、PR的な要素とプロモーション的な要素を最適なバランスで組み合わせること。それによって初めて、映像が「企業と社会をつなぐ橋」として機能するのです。

まとめ

 

PRは相互理解と信頼の構築を目指し、プロモーションは価値訴求と販売促進を狙います。その違いを正しく理解し、状況に応じて使い分けることは、企業が持続的に成長していくために不可欠です。そして、映像は両者の活動を支える強力なツールとなります。
私たちは、BtoBの現場で培った経験を活かし、貴社が社会から信頼され、同時に市場で成果を上げられるよう、最適な映像表現をご提案します。

プロモーションイメージ
パブリックリレーションイメージ
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