動画・映像制作用語
【クローズアップ】
closeup
「クローズアップ(Close up)」とは、被写体を大きく映すことを指す言葉ですが、日本では「アップ」と同義であったり、更に寄ることを指したり、ニュアンスがあります。
日本における「アップ」と「クローズアップ」
アップ (Up shot / US)
主に人物の顔全体から肩あたりまでを画面いっぱいに大きく映すショットを指します。
「ズームアップ」や「クローズアップ」も、結果的に被写体を「アップ」で写す行為なので、広い意味で「アップを撮る」という言葉が使われます。
クローズアップ (Close-up / CU)
「アップ」よりもさらに寄って、人物の顔の特定のパーツ(目、口など)や、物の細部を画面いっぱいに映すショットを指します。「接写」や「大写し」といった意味合いが強く、細部や質感、あるいは強い感情を強調したい場合に用いられます。
英語圏における「クローズアップ」
Close-up (CU)
人物の肩から上、あるいは顔全体を写すショットを指します。日本の「アップ」に近い意味合いです。さらに寄ったものは「Extreme Close-up (ECU)」や「Tight Close-up」などと細分化されることもあります。
Medium Close-up (MCU)
これはミディアムショット(腰から上)とクローズアップの中間、つまり胸から上を映すショットを指します。
背景
日本では、より詳細なショットサイズ(ロング、ミディアム、アップ、クローズアップなど)を区別して呼ぶ習慣があります。一方、海外では「Close-up」が比較的広範囲をカバーし、必要に応じてさらに細かく分類するという考え方が一般的です。

【関連用語】
1. 引き
被写体から離れて撮影することで、広大な風景や全体の状況を捉える技法です。被写体との距離感を生み出し、状況全体を把握させたい時に有効です。例えば、自然風景の撮影では、広大な大地や雄大な山々を捉えることで、そのスケールの大きさを表現できます。また、群衆の動きやイベント全体の雰囲気を捉える際にも、引きの構図は効果的です。
2. 俯瞰
上から見下ろすように撮影する技法です。被写体を俯瞰することで、その全体像を把握しやすく、状況を客観的に捉えたい時に有効です。例えば、都市の風景を撮影する際、高層ビル群を俯瞰することで、その都市の広がりや構造を表現できます。また、群衆の様子を俯瞰することで、その動きの流れや全体的な状況を把握できます。
3. 鳥瞰
空から見下ろすように撮影する技法です。俯瞰よりもさらに高い位置から撮影することで、より広大な範囲を捉え、鳥の目線で被写体を見ることができます。例えば、自然風景の撮影では、大地や河川が織りなすパノラマ風景を表現できます。また、都市の開発状況や災害現場の広範囲な様子を捉える際にも、鳥瞰の構図は有効です。
4. あおり
カメラを上に向けたり下に向けたりして、被写体を斜めから撮影する技法です。被写体に動的な動きを与え、躍動感や不安感を表現できます。例えば、人物のアップショットでカメラを下からあおることで、その人物を威圧的に表現できます。また、建物を下からあおることで、その建物の高さを強調し、壮大な雰囲気を演出できます。
5. 寄り
アップと同義語です。
6. ショットサイズ
人を撮影する時のフレーミングには、「フルショット(フルフィギア)」「ニーショット」「ミディアムショット」「ウェストショット」「アップショット」「クローズアップショット」という名前がついています。