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引き

全体の状況や広がりを画面に収める撮影技法・フレーミングのことです。また、ズームレンズのテレ側の対義としてワイド側を「引き」と呼ぶこともあります。

一般にロングショットと呼ばれるショットサイズに相当しますが、現場用語としての「引き」は、「寄り」の対義語として使われる相対的な概念であり、必ずしも被写体との物理的な距離を意味するわけではありません。

たとえば、カメラ位置は変えずにフレーミングを広げた場合でも、「引いた」と表現されます。

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執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

映像制作会社としての視点


「ひきがこない」とは


撮影現場において、その時に装着しているレンズ、あるいは手持ちのレンズの範囲内で、物理的に可能な限界までカメラを被写体から離しても、意図した引きの構図が成立しない状態を指します。
このときの「こない」は、フォーカスリングを回し切っても被写体にピントが合わない、あるいは構図として成立する距離まで下がれない、という感覚的な行き詰まりを表しています。
技術用語というよりも、現場で状況を即座に共有するための口語的な表現です。

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引きを解説するイメージ(監修・神野富三)

​関連用語など

1. 寄り


被写体に近づいて撮影することで、その細部や表情をクローズアップにする技法です。被写体の感情や特徴を際立たせ、視聴者の視線を一点に集中させる効果があります。「寄り」の画を撮るには、被写体に対してカメラ自体が近づく場合と、レンズの倍率で近づく方法があります。



2. 俯瞰


上から見下ろすように撮影する技法です。被写体を俯瞰することで、その全体像を把握しやすく、状況を客観的に捉えたい時に有効です。例えば、都市の風景を撮影する際、高層ビル群を俯瞰することで、その都市の広がりや構造を表現できます。また、群衆の様子を俯瞰することで、その動きの流れや全体的な状況を把握できます。



3. 鳥瞰


空から見下ろすように撮影する技法です。俯瞰よりもさらに高い位置から撮影することで、より広大な範囲を捉え、鳥の目線で被写体を見ることができます。例えば、自然風景の撮影では、大地や河川が織りなすパノラマ風景を表現できます。また、都市の開発状況や災害現場の広範囲な様子を捉える際にも、鳥瞰の構図は有効です。



4. あおり


カメラを上に向けたり下に向けたりして、被写体を斜めから撮影する技法です。被写体に動的な動きを与え、躍動感や不安感を表現できます。例えば、人物のアップショットでカメラを下からあおることで、その人物を威圧的に表現できます。また、建物を下からあおることで、その建物の高さを強調し、壮大な雰囲気を演出できます。



5. たたく


一般的にカメラを下に向けて撮影することを指します。まるでカメラのレンズを上から叩いて下に向けるようなイメージから、この表現が生まれたと考えられます。「少し叩き気味で・・・」というように使い、大きな角度で下に向ける時には使わないような気がします。

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