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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。
シンメトリー
フレーム内の構図や被写体の形状、紋様が、画面縦の中心線を挟んで左右対称であることを言います。
ネット上には画面の中心線や中心点を基準として、左右、上下、あるいは回転において要素が対称的に配置されている状態を指すという記述も見られますが、映像業界ではあまり使われません。
古くから「対称」であることは「美しい」とされ、見る人に安定感や調和、静けさ、荘厳さといった印象を与える構図です。映像撮影においてもフレーミングの基本のひとつです。
シンメトリーは、安定的で誰でも思いつく構図ですので、カメラやデザインを始めたての頃は多用しがちですが、安易に依存すると品位を低下させる危険があります。経験を積んだクリエーターには、微妙に崩すことを喜びにしている人もいます。

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。
映像制作会社としての視点
シンメトリカルな被写体をシンメトリーに撮影するには
1. わずかなズレが目立つ
シンメトリーな被写体は、完璧な対称性を持っているからこそ、カメラの向きや角度がほんの少しでもずれると、その非対称性が非常に目立ってしまいます。カメラを正対させる技術が重要です。
2. 単調になりやすい
正面からのシンメトリーな構図は、安定感がある反面、変化が少なく、単調で面白みに欠ける映像になりやすいことがあります。被写体の奥行きや立体感が表現しにくく、平坦な印象になることがあります。
3. フォーカス合わせのシビアさ
シンメトリーな被写体全体に均等にフォーカスを合わせる必要がある場合、フォーカスの深さ(被写界深度)を適切にコントロールする必要があります。
4. ライティングの難しさ
正面からの直接的な光は、シンメトリーな形状を強調する一方で、陰影が少なく、のっぺりとした印象を与えがちです。左右対称のライティングを心がける必要がありますが、完全に均等にすることは難しく、わずかな差が目立ってしまうことがあります。
撮影時の注意点
ライブビュー機能と拡大表示
ライブビュー機能で細部を確認しながら、拡大表示でピントの精度を高めます。
グリッド表示と水準器
ファインダーやライブビューに表示されるグリッド線や水準器を活用し、水平・垂直を厳密に調整します。
丁寧なフレーミング
わずかなズレも許容しないつもりで、丁寧にフレーミングを行います。
ライティングの工夫
直接光だけでなく、間接光や複数の光源を組み合わせることで、陰影をコントロールし、立体感を出すことを試みます。左右の光量を微調整することも重要です。
構図の工夫
単純な正面構図だけでなく、前景や背景に要素を取り入れたり、ローアングルやハイアングルからわずかに変化を加えたりすることで、単調さを回避します。
撮影後の調整
画像編集ソフトで、わずかな歪みや色のバランスなどを微調整することも有効です。
