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動画・映像制作用語辞典 | 名古屋映像制作研究室

アイライン

映像制作における「アイライン(Eyeline)」とは、画面内の人物が見ている方向を示す視線のことです。

被写体の人物の目の動きや顔の向きによって、視聴者に対して「その人物が何を見ているのか」「どこに注意を向けているのか」を伝える演出要素です。

アイラインの演出は、カットの繋がりやカメラアングルに関わっています。例えば、ある人物Aが画面左方向を見ているカットの直後に、別の人物Bが歩いてくるカットを繋げることで、視聴者は自然と人物Bが画面左側から来たと理解することができます。



アイラインの目的


視線の誘導

登場人物が見ている方向へ視聴者の視線を誘導し、次に何が起こるのか、何が重要なのかを示唆します。


感情の表現

見つめる、探る、避けるなど、視線の動きによって登場人物の感情や心理状態を表現します。


関係性の構築

複数の登場人物のアイラインを組み合わせることで、彼らの間の関係性(対立、親愛、関心など)を視覚的に表現します。


空間の認識

登場人物の視線によって、画面外に存在する物や人物の存在を示唆し、空間的な広がりや繋がりを意識させます。


サスペンスや緊張感の演出

何かを見つめる視線を強調することで、視聴者の期待感や不安感を高めます。



構図法としてのアイライン


人物の視線の高さやその方向性を考慮した構図法のひとつです。三分割構図と組み合わせて使用されることが多く、被写体の視線の先に適切な余白(アイルーム)を設けることで、画面に方向性と奥行きを持たせます。複数の人物が登場するシーンでは、視線の交わり方にも注意を払う必要があります。(アイライアンマッチ、アイズマッチ

<h1 class="font_0">アイライン</h1>

​【関連用語】

1. マッチカット (Match Cut)


2つのショット間で、形状、動き、または主題が視覚的に類似している要素を用いて行われるカット技法です。コンティニュイティを保ちながら、異なるシーンやシチュエーションを効果的につなぐ手法として使用されます。例えば、回転するドアから円盤が回るシーンへの切り替えや、落ちる涙から雨滴へのつなぎなど、視覚的な共通点を活用して場面転換を行います。この手法は、物語の流れを途切れさせることなく、観客の注意を自然に次のシーンへと導く効果があります。また、時間や場所の経過を象徴的に表現する手段としても活用され、映像に詩的な要素を加えることができます。特に映画やドラマなどの創造的な映像作品で重要な役割を果たしています。



2. アイズマッチ (Eyeline Match)


登場人物の視線の方向と、次のショットで示される被写体との関係性を維持する編集技法です。例えば、人物が何かを見上げるショットの次に、その視線の先にある対象(建物の上層部など)を見せることで、空間的な連続性を保ちます。この技法は、観客に自然な視覚的流れを提供し、シーンの空間的理解を助けます。特に対話シーンや反応ショットでは、登場人物間の視線の方向性を正確に合わせることで、会話の自然さとシーンの一貫性を維持することができます。また、サスペンス要素を作り出す手段としても効果的で、観客の期待感を高めることができます。



3. スクリーン・ディレクション (Screen Direction)


画面上での動きの方向性を維持する原則です。例えば、左から右に移動する人物は、カットが変わっても同じ方向に移動し続けるように撮影・編集する必要があります。この一貫性が破られると、観客は空間的な混乱を感じる可能性があります。特に追跡シーンや移動シーンでは、この原則を守ることで、アクションの連続性と空間の理解しやすさを確保できます。また、対話シーンでも、登場人物の向きや位置関係の一貫性を保つことで、会話の流れを自然に見せることができます。撮影前の綿密なプランニングと、編集時の注意深いチェックが必要です。



4. プロップ・コンティニュイティ (Prop Continuity)


小道具や衣装、メイク、ヘアスタイルなどの一貫性を管理することです。同じシーンを複数回に分けて撮影する場合、これらの要素が各テイク間で一致している必要があります。例えば、グラスの中の飲み物の量、たばこの長さ、服のしわや汚れの位置などを細かく記録し、再現します。このために、スクリプターやコンティニュイティ・スーパーバイザーが詳細な記録と写真撮影を行い、シーン間の整合性を確認します。特に複数日にわたる撮影や、シーンの順番を入れ替えて撮影する場合には、より慎重な管理が必要となります。



5. タイム・コンティニュイティ (Time Continuity)


物語内での時間の流れの一貫性を維持することです。シーンの時刻設定、日の出や日没、季節の変化、時計の表示など、時間に関する要素を適切に管理します。例えば、夕暮れのシーンを撮影する場合、実際の撮影時間は限られているため、照明や色調整を駆使して時間帯の統一感を出す必要があります。また、フラッシュバックやフラッシュフォワードなどの時間操作を行う際にも、観客が混乱しないよう、視覚的な手がかりを適切に配置することが重要です。長編作品では、物語全体を通じての時間の整合性も考慮する必要があります。

 

 

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