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テレビCMのような映像では効果がない:WEB動画制作に求められる「短さ」の誤解


昨今、WEB動画制作において「視聴離脱を恐れてとにかく短くしてほしい」というご要望をいただくことが増えています。しかし、ただ短くするだけでは、WEB動画の効果を最大限に引き出すことはできません。 むしろ、テレビCMのような短い映像をWEBに掲載することは、費用対効果の低い「無駄な投資」になってしまう可能性が高くなります。

なぜ、テレビCMと同じような映像をWEBに掲載しても無駄なのでしょうか。それは、WEB動画とテレビCMでは、視聴者の「視聴行動」と「期待する情報」が根本的に異なるためです。


テレビCMのような映像では効果がない


1. 視聴行動の違い:受動的か、能動的か


テレビCM


テレビCMは、テレビ番組の間に「受動的に」流れてきます。何万人、何十万人もの視聴者が番組を見ている最中に、意図せずCMを目にするため、短い時間で強いインパクトを与え、記憶に残すことが重要になります。そのため、情報量を絞り、イメージを重視した構成が主流です。視聴者の母数が大きいため、それでも効果が期待できます。


WEB動画


一方、WEB動画は、YouTubeやTikTok、SNSのフィードなど、視聴者が「能動的に」クリックする、あるいは意図してスクロールして見つけるものです。彼らは「おもしろそう」「知りたい」「楽しみたい」「解決したい」という目的を持ってクリックしたり、探しています。もし、その動画が彼らの求めている情報を提供せず、ただ漠然としたイメージを伝えるだけの短い映像であれば、瞬時にスキップされ、別のコンテンツへと移ってしまいます。しかも、視聴者はクリックした人、その人だけです。(強制的に再生されるWEB-CMを除く)



2. 期待する情報の違い:印象か、詳細か


テレビCM


テレビCMは、商品やサービスの「認知」や「ブランドイメージの構築」を主な目的とします。そのため、詳細な説明よりも、視覚的なインパクトやキャッチーなメッセージで、視聴者の記憶に残り、興味を引くことを重視します。


WEB動画


WEB動画の視聴者は、意思の強弱はあるものの、すでにその商品やサービスに何らかの興味や疑問を持っている、あるいは特定の課題を解決したいと考えています。彼らがWEB動画に期待するのは、テレビCMのような断片的な情報ではなく、「詳しい情報」「具体的な使い方」「導入事例」「顧客の声」「競合との比較」といった、購入や利用を検討する上で役立つ詳細な情報です。短すぎる動画では、これらの情報を十分に伝えることができず、視聴者の期待を裏切ってしまいます。



3. 最適な「短さ」の定義


WEB動画における「短さ」は、単に尺(長さ)を短くすることではありません。それは、「いかに無駄なく、視聴者が求めている情報を効率的に伝えられるか」という視点に立つべきです。


例えば、SNSで流れてくるショート動画であれば、冒頭の数秒で視聴者の興味を掴み、最後まで見てもらうための工夫が必要です。しかし、それは「テレビCMのようなイメージ動画」という意味ではありません。その数秒の中に、視聴者が「もっと知りたい」と思わせるフックや、続きを見たくなるような具体的な問いかけ、あるいは共感を呼ぶ要素を凝縮させるべきです。


また、商品紹介やサービス説明の動画であれば、数分、あるいはそれ以上の尺が必要になることもあります。重要なのは、視聴者が途中で飽きずに見続けられるように、構成を練り、テンポよく、分かりやすく情報を提示することです。



まとめ


WEB動画は、テレビCMとは全く異なる特性を持つ媒体です。テレビCMのような「イメージ訴求」の短い動画をWEBに掲載しても、視聴者は情報を求めてクリックしたにも関わらず、期待する情報が得られず、すぐに離脱してしまいます。これは、限られた予算を無駄にしてしまうことに他なりません。


WEB動画で成果を出すためには、視聴者が何を求めているのかを深く理解し、そのニーズに合わせた情報提供を行うことが最も重要です。そのためには、ただ短くするのではなく、視聴者の課題を解決し、行動を促すための「最適な長さ」と「濃密な情報」を持った動画を制作することが不可欠です。


WEB動画の目的は、単に「見られること」ではなく、「見られた結果、ビジネスに貢献すること」にあります。そのために、弊社では視聴者の行動と心理を深く理解し、効果的な動画戦略をご提案させていただきます。

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