動画・映像制作用語
【カメラ割り】
camerawari
「カメラ割り」とは、複数台のカメラを配置した収録や生放送に際して、進行台本に沿ってあらかじめ、どのカメラで、何を(誰を)どう(アングル、ショットサイズ、カメラワーク)狙うかを決めることです。
結果として「カット割り」と同じ効果を生みますが、カット割りが演出意図を表しているのに対して、カメラ割りは、収録(生放送)時の、出演者・制作・技術スタッフ相互のテクニカルな面での、共通認識を得るために作成します。
また、カット割りは制作に関わる全てのスタッフに対する指示ですが、カメラ割りは主に、それぞれのカメラを受け持つカメラマンとスイッチャーに対する作業指示です。
ただし、職場によってはカット割りとカメラ割りを同義として、あるいは混在して使っている場合もあります。
大掛かりなアクションシーンなど、「一発勝負」での収録の場合、絵コンテ(カット割り)に従って、複数台のカメラをどう配置して、それぞれのどのような役割を与えるか(被写体、アングル、ショットサイズ、カメラワークなど)を、あらかじめ綿密に計画した上で、本番はそれぞれのカメラマンが間違いなく実行しなくてなりません。
複数台のカメラでの収録の場合、複数台のカメラの映像ソースを、各々収録すれば事後の編集での自由度が高まりますが、スイッチャーアウトのみを収録する場合には、事後の修正が効かないことに注意が必要です。
レギュラー番組やスポーツ中継などでは、カメラ割りはカメラ番号を指定する程度で、本番はディレクター、スイッチャー、カメラマンの阿吽の呼吸で進行する収録、放送もあります。
【関連用語】
1. タリー(ランプ)
スイッチャーがテイク(採用)しているカメラを示すランプ。カメラマンや出演者に、どのカメラが現在使われているかを知らせる。一般的に赤いランプが点灯しているカメラがオンエア中。
2. スイッチャーアウト
複数のカメラからの映像ソースを切り替え、ひとつの映像ソースにまとめられた出力信号。最終的に放送・収録される映像信号のこと。生放送では視聴者が見る映像そのもの。
3. インカム
放送・収録中に、ディレクターや技術スタッフ間で指示や状況報告をやり取りするための通信機器。ヘッドセット型が多く、円滑な番組進行に不可欠。
4. カット割り
映像撮影・編集の設計図。各シーンをどのような映像(カット)で構成するかを決定し、カメラマンやエディターに、構図や、尺・トランジションなどを指示する。演出意図を具現化する重要な要素。
5. 絵コンテ
映像の各カットの構図、カメラアングル、人物の配置、動きなどをイラストで表現したもの。監督や演出家のイメージを共有し、撮影・編集の指針となる。