動画・映像制作用語
【スイッチャー】
switcher
映像技術における「スイッチャー」とは、複数の映像ソースを切り替えて、一つの出力映像を作成(出力)する装置、あるいはそれを操作する人のことを指します。
スイッチャーの役割
複数の映像ソースの切り替え
複数のカメラ映像、パソコン画面、プレゼンテーション資料など、様々な映像ソースをリアルタイムで切り替えることができます。
スイッチャー(人)は、ディレクター、カメラマンらとインカムなどでリアルタイムにコミュニケーションします。原則的にはディレクターから指示を受け、カメラマンに通知(指示)しながら、スイッチャーを操作します。
映像の合成
複数の映像を同時に表示したり、一部の映像を他の映像の上に重ね合わせたりといった、複雑な映像合成も可能です。
映像効果の付与
フェードイン・フェードアウト、ワイプ、ピクチャーインピクチャーなど、様々な映像効果を付与して、より洗練された映像表現を実現できます。
スイッチャーの種類と特徴
シンプルなスイッチャー
複数のカメラ映像を単純に切り替える機能に特化した、小規模なイベントや会議などで使用されることが多いです。
高機能なスイッチャー
クロマキー合成、マルチビューワー機能など、高度な機能を搭載しており、プロフェッショナルな映像制作現場で使用されます。
ライブストリーミング対応スイッチャー
ライブ配信に特化した機能を搭載しており、インターネット配信用の映像を簡単に作成できます。
スイッチャーの利用シーン
ライブイベント
コンサート、講演会、セミナーなど、リアルタイムで映像を配信するイベント
テレビ番組制作
ニュース番組、バラエティ番組など、様々なテレビ番組の制作
オンライン会議
Web会議システムと連携し、複数の参加者の映像を切り替える
配信スタジオ
YouTubeやTwitchなどのプラットフォーム向けのライブ配信

【関連用語】
1. ミキサー
複数の音声源の音量を調整し、一つの音声にまとめる装置、ないしはそれを操作する人。
スイッチャーと連携し、映像と音声のバランスを調整することで、より完成度の高い作品に仕上げます。
音響効果の追加や、ノイズ除去など、様々な処理を行うことも可能です。
2. ビデオエンジニア
映像制作に関わる様々な機器の設置、操作、トラブルシューティングを行う役割。スイッチャー、カメラ、レコーダーなど、多岐にわたる機材の知識が必要となります。映像制作現場全体の技術的なサポートを行います。
3. テクニカルディレクター (TD)
映像制作現場全体の技術的な指揮を執る役割。スイッチャー、ミキサー、ビデオエンジニアなど、様々なスタッフを統括し、映像制作を円滑に進めます。ディレクターの意図を技術的に実現するための、橋渡し的な役割も担います。
4. CGオペレーター
生放送の映像スタジオの調整室で、CGを用いたテロップやグラフィックの作成、表示を行います。番組の内容に合わせて、視覚的に分かりやすい情報を提供します。
5. タイムキーパー
番組の進行時間管理を行います。CMやニュースなどの時間を正確に計り、番組が滞りなく進行するようにします。
6. カメラ割り
複数台のカメラを配置した収録や生放送に際して、進行台本に沿ってあらかじめ、どのカメラで、何を(誰を)どう(アングル、ショットサイズ、カメラワーク)狙うかを決めることです。