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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。

ハイアングル

被写体を上から見下ろすように撮影するカメラアングルのことです。カメラを被写体よりも高い位置に設置し、下向きに撮影する手法です。この撮影方法は被写体を小さく、か弱く見せることができ、登場人物を無力に見せたい場合などに効果的です。また、広い範囲を一度に映し出せるため、群衆のシーンや、空間全体の雰囲気を伝えたい場合にも使用されます。

ハイアングルを解説するイメージ(監修・神野富三)

映画やドラマでは、キャラクターの心理状態や立場を表現するためにも使われ、例えば権力者から見下ろされているような印象を与えたり、孤立感や圧迫感を演出したりすることができます。

写真撮影においても、建築物や風景写真、人物ポートレートなど、様々なジャンルで活用される重要な撮影技法の一つです。


効果


被写体を小さく見せる

被写体を小さく、無力に見せることができる。


俯瞰的な視点

上空から見下ろすような、俯瞰的な視点を得られる。


孤独感や不安感を表現

被写体を孤立させ、孤独感や不安感を表現できる。



活用例


人物撮影

被写体を小さく見せて、謙虚さや孤独感を表現する。


風景写真

広大な風景を俯瞰的に捉える。


ドキュメンタリー

被写体を客観的に捉える。

TomizoJInno.jpeg

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

映像制作会社としての視点


ハイアングルを実現する撮影法


1. ドローン空撮

最も一般的になった方法です。小型ドローンの普及により、従来はヘリコプターでしか撮れなかった高さや俯瞰が、比較的低コストで可能になりました。屋外の広範囲なハイアングルに適しています。


2. クレーン/ジブアーム

現場撮影で安定したハイアングルを作る定番手法です。カメラをアームの先端に設置し、上昇・下降や前後移動を滑らかに行えます。屋内撮影やドラマ、企業VPでも多用されます。


3. 高所設置(脚立・足場・高所作業車)

シンプルですが確実な方法です。脚立、イントレ、高所作業車などで、物理的に高い場所から撮影します。


4. ポールカメラ(延長ポール)

軽量カメラを長いポールの先に取り付けて持ち上げる方法です。イベント記録や狭い場所での簡易俯瞰に使われます。小型カメラの軽量化によって現実的になりました。


5. ワイヤーカメラ/リギング

大型イベントやスポーツ中継で使われる方法です。ワイヤーに吊ったカメラを空中移動させることで、安定した高所俯瞰を実現します。


6. 天井固定・リモートヘッド

スタジオや工場などでは、天井にカメラを固定したり、パンチルト可能なリモートヘッドを設置したりします。常設のハイアングルに適しています。



ハイアングル映像を画期的に「使える画」にした360°カメラ


かつてハイアングル撮影は、高さを得るほど条件が悪化する撮影手法でした。カメラを高所に上げれば安定性は落ち、足場は不安定になり、オペレーターはモニターを十分に確認できなくなります。わずかなフレーミング修正にも手間がかかり、安全管理の負担も一気に高まります。物理的には成立しても、運用としては難度の高い撮影でした。


360度カメラが変えたその前提

360度カメラの登場によって、その前提は大きく変わりました。360度カメラは空間全体を記録できるため、現場で完璧に画角を決める必要がなくなり、モニタリングへの依存度が下がります。高所で細かな調整を繰り返さなくても、編集段階で俯瞰アングルを切り出せるからです。さらに小型軽量であるため、ポール先端や簡易設置でも負荷が少なく、結果として安定性も向上します。


「難しい撮影」から「設計できる撮影」へ

その結果、ハイアングル撮影は「撮れたらみっけもの」から、「確実に使える画が撮れる」技術へと性格を変えました。

高さを得るほど不安定になるという物理的制約は今も存在しますが、画角決定とモニタリングの負担を360度カメラが吸収することで、ハイアングルは飛躍的に利用価値の高い撮影法として定着しています。

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