動画・映像制作用語
【手戻り】
temodori
「手戻り」とは、映像制作ビジネスにおいて、クライアントや広告代理店、あるいは社内上位決済者から、一旦承認が得られたと認識された事柄について指摘を受け、プロセスを遡ってやり直す作業を言います。
制作者自身のミスでやり直す作業も手戻りではありますが。この言葉が使われる場面では、すでの関係者が了承しているのにも関わらず、その承認プロセスを無にしてしまう行為として、非難がましく使うことが多い言葉です。
例えばセミナー動画の制作において、スピーカーの喋った内容を書き出した原稿を提出して、チェックを受け、修正指示を「決定稿」として受けとり、字幕スーパー(テロップ)を挿入したにも関わらず、完成後に字句の修正を指示されるような場面が想定されます。
リニア編集であれば、この再編集は膨大な手戻りを生じさせる可能性がありましたが、ノンリニア編集では造作もない場合も多いため、大目にみられることが多いものです。しかし、本来であれば些細であっても、手戻りで生じた作業費は請求すべきものです。
もちろん予期できそうな経費増の予想については、重要事項として事前に説明する責任はあります。しかし、予期せぬ経費増は、制作者の責に帰さないものは施主が負担するべきであることを、業界全体で認識してほしいものです。

【関連用語】
1. チェックバック
映像制作ビジネスで使われる和製英語で、提出したシナリオや試写をした映像について、クライアントをはじめとした上位決裁権者に意見をもらうことです。
2. Feedback
提案や試写に対する意見や感想、改善点など、幅広い意味で使われます。「We received feedback from the client.(クライアントからフィードバックがありました。)」のように使います。
3. Revisions
修正や変更の指示を指す場合に用いられます。「The client requested several revisions to the script.(クライアントは脚本にいくつかの修正を求めました。)」
4. Notes
具体的な指示や要望を箇条書きなどで伝える際に使われることが多いです。「Here are the client's notes on the first cut.(こちらが初稿に対するクライアントのノートです。)」
5. Comments
口頭や文書での意見やコメント全般を指します。「The client had some comments on the color grading.(クライアントはカラーグレーディングについていくつかコメントがありました。)」
6. Input
意見や提案、情報提供といった意味合いで使われます。「We need the client's input on the music selection.(音楽の選定についてクライアントのインプットが必要です。)」