名古屋で企業向け映像制作会社を選ぶ方法|得意分野の見極め方ガイド
- Tomizo Jinno

- 11月5日
- 読了時間: 5分
実績を見るだけではわからない「得意分野」と選定の視点
企業や団体が動画・映像コンテンツを外注する際、最も難しいのが「どこに頼むか」という判断です。映像制作会社のサイトを見れば、魅力的な映像実績が並びます。しかし、その実績がどんな条件で作られたものか、あるいは自社の目的に適しているのかは、見ただけでは判断しづらいものです。
この記事では、ビジネス目的(BtoB)の映像制作を依頼したい方のために、名古屋で映像制作会社を選ぶ際の「見方」と「考え方」のヒントをまとめました。
第1章 BtoB映像制作会社の探し方
1.1 よくある探し方
業界団体や協会の会員企業から探す 一定の品質基準を満たしているケースが多い。
過去の取引先の制作会社を再確認する 社内での信頼性や決裁ルートが確立している。
同業他社や取引先から紹介を受ける 第三者の実績評価を参考にできる。
インターネットで検索する 名古屋だけでも多数の制作会社が存在。新興企業や特化型の会社も見つかる。
1.2 現実的な課題
放送系・広告代理店系の会社は敷居が高く、問い合わせしづらい。
紹介をためらう心理(万一トラブルがあった場合の責任意識)。
Webサイトに制作実績が非公開の会社も多く、判断が難しい。
1.3 対策とアプローチ
業界団体所属+一般企業向け案件に積極的な会社を狙う。 敷居が高そうでも、まずは電話やフォームで相談してみること。 反応(提案の速さ・的確さ)こそ判断材料です。
取引実績のある会社でも、担当者交代で品質が変化している場合がある。 数年ぶりの依頼は「リピート」ではなく「新規」と考えて慎重に。
第三者の評判や口コミに依存しすぎない。 映像制作は案件ごとに条件が異なるため、「自社に合うかどうか」を重視。
数社に打診してレスポンスを比較する。 質問への回答の速さや理解度、言葉づかいからも信頼度が見えてくる。
第2章 映像制作会社のルーツと得意分野
映像制作会社は、創業者が持つ専門ジャンルを軸にスタートすることが多く、その“原点”を知ることで得意・不得意が見えてきます。
ルーツ | 主な特徴 | 展開しやすい分野 | 得意傾向 |
テレビ番組系 | 放送局ネットワーク・短納期・企画力 | Web動画、報道・PR映像 | 機動力・臨場感 |
CM制作系 | クリエイティブ重視・高い技術力 | ブランド動画、広告映像 | 商品訴求・演出力 |
映画制作系 | 映像美・ストーリー性 | ドキュメンタリー、MV | 芸術性・構成力 |
科学映画系 | 精密撮影・専門知識 | 医療・技術解説 | 可視化力・正確性 |
ビジネス映像系 | コスト意識・企業理解 | 採用・教育・IR | 構成力・目的理解 |
イベント映像系 | ライブ撮影・即時編集 | 配信・スポーツ中継 | 現場対応力 |
アニメーション系 | モーショングラフィック・3DCG | 広告・展示・建築 | ビジュアル表現 |
IT企業発系 | データ分析・デジタル基盤 | Web動画・SNS広告 | 効率・PDCA発想 |
このように、制作会社の「原点」を理解すると、自社が求めるタイプが見えてきます。たとえば、製造業の技術PRなら「科学映画・ビジネス映像」系、採用やインナーブランディングなら「ビジネス映像・CM」系が適しています。

第3章 制作会社を見分ける視点
3.1 「得意分野」の二面性
「このジャンルが得意です」という言葉は、裏を返せば「それ以外は不得意です」という場合もあります。多様なジャンルを理解し、目的に応じた最適解を提案できる会社こそ信頼できます。
3.2 BtoCとBtoBの違い
視点 | BtoC映像 | BtoB映像 |
主な視聴者 | 消費者・一般視聴者 | 企業・業界関係者 |
求められる力 | 感情訴求・話題性 | 論理構成・専門理解 |
表現の方向 | 広告的・エンタメ的 | 実務的・戦略的 |
失敗リスク | 印象が弱い | 意図が誤解される |
名古屋圏では、製造・建設・医療など専門的産業が多いため、映像制作者にも業界知識と論理的構成力が求められます。
第4章 BtoB映像のプロフェッショナルを選ぶ理由
4.1 文脈理解力
企業文化・業界慣習・専門用語を理解している
クライアントの目的を“映像言語”に正確に翻訳できる
4.2 コミュニケーション力
意図の共有がスムーズで修正負担が少ない
企画段階から目的を整理し、施策化まで提案できる
4.3 費用対効果の最適化
必要十分な品質の見極め
再利用・展開を見越した構成設計
4.4 リスクマネジメント
機密保持・法令遵守・権利処理に精通
不測の事態にも柔軟に対応できる制作体制
おまけ:「得意分野」という言葉の真実
多くの制作会社が「採用映像が得意」「会社案内に強い」と打ち出します。それは“信頼を得るための戦略”でもあります。実際のところ、経験豊富な映像制作者の多くは、ジャンルを超えて本質を捉える力を持っています。構成・撮影・編集の基礎が確立していれば、どんなテーマでも一定以上の品質を実現できるのです。
だからこそ、迷ったらまず相談してみること。その最初のやり取りこそが、最良の制作パートナーを見極める試金石になります。
まとめ:名古屋で映像制作会社を選ぶ際のチェックリスト
チェック項目 | 確認ポイント |
業界理解 | 自社の事業内容・専門用語を理解しているか |
対応姿勢 | 相談や質問へのレスポンスが誠実か |
実績構成 | BtoB案件(採用・IR・教育など)の比率 |
予算対応 | 規模に応じた柔軟な見積もりが可能か |
クリエイティブ力 | 目的と成果を両立する提案があるか |
結論
名古屋でBtoB映像を発注するなら、「華やかな映像をつくる会社」ではなく、目的を共有し、成果をともに考える“ビジネス映像の専門家”を選ぶこと。映像は“作品”ではなく、“経営資源”です。その理解を共有できる制作会社こそ、信頼すべきパートナーです。
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【執筆者プロフィール】
株式会社SynApps 代表取締役/プロデューサー。名古屋を中心に、地域企業や団体のBtoB分野の映像制作を専門とする。プロデューサー/シナリオライターとして35年、ディレクター/エディターとして20年の実績を持つ。(2025年11月現在)




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