動画・映像制作用語
【EFP】
efp
「EFP(イーエフピー)」とは、Electronic Field Productionの略語で、スタジオ以外の場所で行われるビデオ収録を指します。
ENG(Electronic News Gathering)に対して、EFPは、より大規模なロケーション撮影や中継などを指します。
スポーツ中継
音楽ライブ中継
大型イベントの収録・中継
ドラマや映画のロケーション撮影
情報番組やバラエティ番組のロケ
これらの現場では、ENGよりも多くの機材(複数のカメラ、中継車、照明、音声設備など)やスタッフが必要となるため、「EFP」という言葉でその制作体制や形態を示し、大規模なロケーション制作や中継といったイメージを持つ言葉として、現場のスタッフ間や業界内で共通認識として使われます。
根強く残るENG
もともとニュース取材を目的に屋外に出たコンパクトな撮影システム(ENG)ですが、従来スタジオでしかできなかったレベルの収録にも応用できるという認識が広がり、放送機器メーカーの戦略もあり、周辺機材、スタッフを加え「スタジオがフィールドに出てきた撮影(制作)スタイル」として、EFPと言うようになりました。
しかしその後、このスタイルは特別なことでもなくなってきたため、ENGと区別する意味でのEFPという言葉は、日常ではあまり使われず、「ビデオカメラ+カメラマン(+オーディオ・バッテリーライト)」をENGと呼ぶ習慣だけは根強く残っています。

【関連用語】
1. Ikegami HL-79E
1978年発売。当時の最先端技術を投入したポータブルカラーテレビカメラです。2/3インチのダイオードガン・プランビコン撮像管を3本搭載することで、高画質を実現していました。レンズを含めると1千万円を超えましたが、その高性能と信頼性から、世界中でベストセラーとなり、池上通信機が放送用カメラのトップメーカーとしての地位を確立する上で重要な役割を果たしました。
2. Sony BVU-50
1980年代初頭にソニーが発売したポータブルU-matic VTRです。当時、放送・業務用ビデオフォーマットとして広く普及していた3/4インチのU-maticカセットテープを使用。再生機能を持たない記録専用機で、収録した映像を確認するためには、別途再生可能なU-matic VTRが必要でした。上記のHL-79Eとの組み合わせが鉄板でした。
3. Sony BVW-1
1982年発売。カメラ部のBVP-1とVTR部のBVV-1を組み合わせるドッカブルスタイルの、ベータカムフォーマットを採用した世界初のカメラ一体型VTRとして画期的でした。これにより、ENGの現場での機動性が飛躍的に向上し、ビデオ収録のスタイルを大きく変えました。
4. Sony DCR-VX1000
1995年発売。miniDVフォーマットの民生用ながら、プロの映像制作にも利用されるほどの高画質と操作性を備え、miniDVの普及に大きく貢献しました。その後、キヤノンのXL1など、よりプロフェッショナルな機能を搭載したminiDVカメラも登場し、低予算の映像制作や自主制作映画などの分野で広く活用されました。
5. Canon EOS 5D Mark II
2008年発売。35mmフルサイズCMOSセンサーを売りにしていた先行、写真用デジタル一眼レフカメラ・5DにフルHD動画撮影機能を搭載したことで、このカメラがその後の映像制作業界に大きな影響を与えました。現在のシネマティック動画クリエーターの潮流がこのカメラから始まりました。