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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。
切り抜き動画
YouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトで公開されている動画から、面白い部分や印象的なシーンなどを切り出して、短い動画に再編集したもののことです。(詳細は以下)
切り抜き動画の著作権について
無断での切り抜きは著作権侵害
元の動画の著作権は、動画を作成した人に帰属します。
無断で切り抜き、それを公開することは、著作権侵害にあたります。
許可を得る必要性
切り抜き動画を作成・公開するためには、原則として元の動画の著作権者から許可を得る必要があります。
許可を得る方法は、動画の説明欄に記載されている連絡先などに問い合わせるのが一般的です。
切り抜き動画の収益化について
原則として不可
著作権者の許可なく切り抜き動画を作成し、それを収益化することは、著作権侵害にあたるだけでなく、プラットフォームの利用規約違反にもなりえます。
許可を得て収益化する場合
著作権者から、切り抜き動画の作成・公開だけでなく、収益化についても許可を得ることができれば、収益化が可能になる場合があります。ただし、収益の分配方法や条件などは、著作権者との間で個別に交渉する必要があります。
プラットフォームのポリシー
YouTubeなどのプラットフォームには、それぞれ独自の収益化ポリシーがあります。切り抜き動画に関するポリシーは、プラットフォームによって異なるため、事前に確認することが重要です。

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。
映像制作会社としての視点
切り抜き動画が蔓延する理由
プラットフォーム設計の影響
YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームは、短尺・断片コンテンツの再生を優先的に推奨するアルゴリズムを持っています。元動画よりも、短く切り出された部分が注目されやすく、拡散されやすい構造です。
視聴者の行動特性
多くの視聴者は「気になる部分だけを短時間で消費したい」という傾向があります。元動画全体を観るよりも、切り抜き動画で満足するケースが増え、断片コンテンツが独立して流通します。
収益化・承認の容易さ
切り抜き動画は、自分のチャンネルで広告収益を得ながら元動画の話題性を利用できる場合があります。元制作者が黙認している場合、削除依頼や法的手続きが煩雑で、事実上放置されやすくなります。
暗黙の承認の深層的意図
原作者が切り抜き動画を黙認する背景には、表面的には「宣伝効果」や「話題性拡散」といった意図が存在します。しかし深層的には、以下のような狙いも含まれます:
視聴層拡大:断片的に目にした新規視聴者が元動画やチャンネルに興味を持つ可能性を期待する。
自己プロモーションの外注化:切り抜きを作る側の熱意やネットワークを活用し、公式が自ら宣伝する手間を省く。
市場動向のテスト:どの場面が視聴者に刺さるか、切り抜き動画の再生状況でデータを間接的に収集できる。つまり、暗黙の承認は単なる容認ではなく、制作者側の戦略的判断として切り抜き動画を「活用する」行為でもあります。
拡散のスピードと文化的背景
SNSでのシェアやリコメンド機能により、切り抜き動画は瞬時に広がります。また、日本のネット文化では「ネタ消費や宣伝効果として黙認する」慣習があり、蔓延の追い風になっています。
