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ミーム

映像制作用語辞典 | 株式会社SynApps

文字、画像、音声、行動様式などの形式を問わず、それを見た人が自分も使いたいと感じ、実際に使うことで他の人へと伝わっていく性質を持つのが「ミーム」です。つまり「ミーム」とは、従来はなかった新たな意味として人々が共有したくなる「記号」としての文字、画像、音声、行動様式のことです。

ミーム(Meme)とは、文化的な情報として広まる概念やアイデアのことで、元々は進化生物学者のリチャード・ドーキンスが1976年に著書『利己的な遺伝子』で提唱した概念です。

遺伝子(gene)になぞらえて作られた造語です。


伝達性 

人から人へと伝わっていく


変異性 

伝わる過程で少しずつ変化する


選択性 

より魅力的で記憶に残りやすいものが生き残る


現代では特にインターネット上で急速に拡散する画像、動画、フレーズ、ジョークなどを「インターネットミーム」と呼ぶことが多くなっています。例えば、特定のキャラクターの画像にテキストを組み合わせたもの、流行語、バイラル動画などがこれにあたります。



(例)


画像系ミーム

  • 「Distracted Boyfriend」- 彼女がいるのに他の女性を振り返る男性の写真

  • 「Woman Yelling at Cat」- 女性が叫んでいる場面と無表情な猫の組み合わせ

  • 「Drake Pointing」- ラッパーのドレイクが片方を拒否し、もう片方を指差すポーズ


動物系ミーム

  • 「Grumpy Cat」- 不機嫌そうな表情の猫

  • 「Doge」- 柴犬の写真に「such wow」「much amaze」などの独特な英語を組み合わせたもの


日本発のミーム

  • 「やる夫」- アスキーアートのキャラクター

  • 「ひろゆき」の「それってあなたの感想ですよね」

  • TikTokで流行した様々なダンスや音楽


フレーズ系

  • 「OK Boomer」- 年配世代への返し言葉

  • 「This is fine」- 燃える部屋で平然とコーヒーを飲む犬

<h1 class="font_0">ミーム</h1>

​【関連情報】

シネマティック動画の撮影・編集技法におけるミーム


ジンバル撮影のミーム
  • スムーズな移動ショット(特に歩きながらの撮影)

  • 回転しながらの撮影(オービット・ショット)

  • 低い角度からの煽りショット → これらを見た人が「自分も真似してみたい」と感じて実践



カラーグレーディングのミーム
  • オレンジ&ティール(肌色を温かく、影を青く)

  • 彩度を落としたフィルム風の色調

  • 特定のLUT(Look-Up Table)の使用 → 「この色味かっこいい」と感じて同じ処理を真似する



その他のシネマティック表現ミーム


これらは入門者としての動画クリエーターが「使いたくなる記号」として機能している点で、完全にミームです。YouTubeやTikTokで特定の映像スタイルが爆発的に模倣されるのは、まさにミームの拡散現象です。



映像制作におけるミームの役割


技術的手法の標準化

実は映像制作において、ミームは本質的に技術的手法を標準化する役割を担っています。現代ではシネマティック動画の作法として、ジンバル撮影によるスムーズな移動ショット、オレンジ&ティールのカラーグレーディング、特定のカメラワークなどが「かっこいい表現」として認識されると、若い制作者たちが競うようにそれらの手法を取り入れたように、過去に生じた映像制作の新たな作法=ミームの積み重ねが、現代の映像文化を築いてきたともいえます。


創造性のジレンマ

一方で、ミーム化した表現手法の過度な使用は、映像制作における創造性を制限する可能性もあります。流行の技法を使うことで一定の品質は保証されますが、同時に独創性を失うリスクも生じます。多くの制作者が同じ「使いたくなる記号」を採用することで、映像表現の均質化が進みます。

 

 

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