プロパティ
映像制作用語辞典 | 株式会社SynApps
「プロパティ(Property)」とは、ファイルやオブジェクトの属性や設定情報を 指す用語です。
この言葉は、英語の property に由来し、もともとは「所有物」や「財産」を意味していました。今も不動産業界で物件を指す言葉として使われているのも、この原義からきています。しかし、コンピュータ技術の発達とともに、この言葉は「特性」や「属性」という意味で広く使われるようになりました。
映像技術のプロパティ
動画ファイルや映像素材が持つ様々な情報や設定値を指します。大きく二つに分類できます
1. ファイル固有の情報としてのプロパティ
動画が作成された時点で決まる不変の特徴で、具体的には、ファイルサイズ、解像度、フレームレート、コーデック形式、撮影日時、カメラ情報、GPS位置情報などが含まれます。これらの情報は基本的に変更できず、ファイルの技術的な仕様や撮影時の環境を記録しています。編集者はこれらの情報を参照することで、適切な編集設定を決定したり、複数の素材間の互換性を確認したりします。
2. 編集可能なプロパティ
編集ソフトウェア内で自由に調整できる設定値で、元のファイルに影響を与えることなく、映像の見え方や聞こえ方を変更できます。
映像調整:明度、コントラスト、彩度、色相、ガンマ値
変形設定:位置座標、スケール、回転角度、不透明度
エフェクト:ブラー強度、カラーフィルター、トランジション設定
音声調整:音量レベル、パン、イコライザー設定
タイミング:再生速度、キーフレーム、フェードイン・アウト
これらの調整可能なプロパティは、編集作業の核心部分を担っています。リアルタイムでプレビューしながら値を変更でき、何度でもやり直しが可能です。多くの映像編集ソフトでは、「エフェクトコントロール」「インスペクター」「プロパティパネル」といった専用の操作画面でこれらの値を管理します。

【関連情報】
1. メタデータ(Metadata)
プロパティとほぼ同義で使われることが多い用語です。「データについてのデータ」という意味で、映像ファイルの撮影情報、技術仕様、作成者情報などを指します。プロパティよりも技術的な文脈で使われる傾向があります。
2. アトリビュート(Attribute)
オブジェクトや要素が持つ「属性」を意味します。プロパティとほぼ同じ概念ですが、より汎用的なコンピュータ用語として使われます。HTMLの属性設定やデータベースの項目名などでよく見かけます。
3. パラメーター(Parameter)
関数やエフェクトに渡す「引数」や「設定値」を指します。プロパティの中でも特に調整可能な数値設定を指すことが多く、「ブラーのパラメーターを調整する」といった使い方をします。
4. コーデック(Codec)
動画の圧縮・展開方式を指す用語で、映像ファイルの重要なプロパティの一つです。H.264、H.265、ProResなどがあり、編集ソフトでファイルのプロパティを確認する際に必ず表示される情報です。
5. キーフレーム(Keyframe)
アニメーションや値の変化を制御する基準点です。編集可能なプロパティの時間的な変化を設定する際に使われ、位置、スケール、透明度などのプロパティ値を特定の時間に固定する役割を果たします。
これらの用語は、プロパティという概念を中心として映像制作の技術的な側面を表現する際に頻繁に使われる関連語彙です。