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動画・映像制作用語

【パブリックドメイン】

publicdomain

「パブリックドメイン(Public domain)」とは、著作権やその他の知的財産権による保護期間が終了した、またはそもそも保護の対象とならない、あるいは権利者が自発的に権利を放棄した創作物や情報のことです。

誰でも自由に、許可なく、無料で利用できる状態になったものを指します。



パブリックドメインとなる主な条件


著作権保護期間の終了

多くの国では、著作者の死後70年(国によって異なる場合があります)が経過すると、著作権が消滅し、その作品はパブリックドメインになります。


権利の放棄

著作者が自ら、自身の作品に対する著作権を放棄することを明示的に宣言した場合。


著作権が発生しないもの

アイデアやありふれた表現、言語や文字など、そもそも著作権による保護を受けないもの。また、政府機関が作成した文書や作品も、国によってはパブリックドメインに含まれることがあります。


相続人がいない場合

著作者が亡くなり、相続人がいない場合、著作権が消滅することがあります。



パブリックドメインの例

  • 著作権保護期間が終了した古典文学作品(例:夏目漱石の作品、シェイクスピアの戯曲)

  • 古い絵画や音楽(例:葛飾北斎の浮世絵、モーツァルトの楽曲)

  • 古い写真や地図

  • クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)のライセンスが付与された作品(権利者が著作権を放棄し、パブリックドメインとしたもの)


利用における注意点

パブリックドメインの作品は基本的に自由に利用できますが、いくつか注意点があります。


同一性保持権

たとえパブリックドメインの作品であっても、著作者の意思に反するような改変や侮辱的な利用は、著作者人格権の一種である「同一性保持権」を侵害する可能性があります。


二次的著作物

パブリックドメインの作品を基に新たな作品(二次的著作物)が作られた場合、その二次的著作物には新たな著作権が発生します。


国による違い

パブリックドメインとなる条件は国によって異なるため、国際的に利用する際には確認が必要です。



日本における「パブリックドメイン」の実態


2025年5月25日付け日本経済新聞の「著作権切れ名画、名ばかり「パブリック」 画像利用に制限・料金」にもある通り、日本では著作権問題に対して過度に抑制的な扱いをする例が多く見られます。私たち企業映像制作の現場でも、企業の担当者はコンプライアンスへの配慮から「危に近づかず」の傾向があり、せっかくの公共的な映像財産が利用されない場面に数多く遭遇してきました。



インターネット企業の無為無策と責任回避


また、現代のインターネット上には価値ある映像が情報が多数掲載されていて、その再利用についても「お問い合わせください」とは書いてあるものの、Google社をはじめとしたテック企業は、ほとんどの場合、我々の問い合わせに回答を返さないという実態があります。

パブリックドメイン

​【関連用語】

1. クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)


インターネット上での著作物の流通を促進するためのライセンス体系です。著作者が自身の著作物の利用条件を意思表示するためのツールを提供し、著作権を放棄せずに「一部の権利を留保しつつ、一部の利用を許可する」という柔軟な選択肢を与えます。例えば、「原作者の表示」を条件とすれば商用利用を許可する、といった様々な組み合わせがあります。これにより、利用者は著作権法を気にしすぎることなく、安心して著作物を使えるようになります。



2. CC0(シーシーゼロ)


クリエイティブ・コモンズが提供するライセンスの中でも特殊なもので、「いかなる権利も保有しない」ことを意味します。著作者が自ら、著作権を含むあらゆる権利を放棄し、作品をパブリックドメインとして公開することを意味します。これにより、利用者は著作者に許可を取る必要もなく、クレジット表記も不要で、自由に複製、改変、配布、公開、商用利用など、あらゆる目的で作品を利用できます。最も制約の少ない、事実上のパブリックドメイン宣言です。



3. ストックフッテージ(Stock Footage)


映像制作において繰り返し利用されることを想定して撮影・編集された、汎用性の高い映像素材のことです。風景、人物の日常動作、都市の様子、抽象的なアニメーションなど、様々な種類の素材が提供されています。動画制作会社やクリエイターが、撮影時間やコストを削減するために利用したり、自分では撮影が難しいシーンを補完したりする際に活用されます。有料・無料のストック素材サイトを通じて提供され、それぞれの利用規約やライセンスに従って使用されます。



4. エディトリアル(Editorial)


映像や写真の文脈におけるエディトリアルとは、「報道、教育、解説目的のみに使用可能」なコンテンツを指します。商用利用(広告、宣伝、商品販売など)が許可されていない素材であり、例えば、有名人や特定の場所が写っているが、肖像権やプロパティリリース(施設利用許可)が得られていない場合などに適用されます。ニュース記事、ドキュメンタリー、教育番組などで利用が限定され、ファッション雑誌の特集記事やニュースサイトのコラムなどにも見出しや説明を伴って使用されます。



5. 著作人格権(Moral Rights)


著作者が自身の著作物に対して持つ精神的・人格的な権利です。財産権のように他人に譲渡したり相続したりすることはできません。日本の著作権法では主に以下の3つが挙げられます。

  1. 公表権: 未発表の著作物を公表するかしないかを決定する権利。

  2. 氏名表示権: 著作物に著作者名を表示するか、表示しないか、またどのような名で表示するかを決定する権利。

  3. 同一性保持権: 著作物の内容や題号を、著作者の意に反して改変されない権利。 これらは著作者の創作活動に対する敬意を表し、その名誉や感情を保護する重要な権利です。

【当サイト関連ブログ】

著作者人格権とは

 

 

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