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動画・映像制作用語

【サンプリング周波数】

samplingrate

「サンプリング周波数(サンプリングレート)」とは、アナログ信号をデジタル信号に変換する際に、1秒間に信号の値を測定(サンプリング)する回数のことです。

単位はヘルツ(Hz)で表され、kHz(キロヘルツ)のように1,000倍の単位もよく使われます。例えば、44.1kHzのサンプリング周波数であれば、1秒間に44,100回信号の値を記録していることになります。




高音質とサンプリング周波数の関係



音質への影響

一般的に、サンプリング周波数が高いほど、元の音に含まれる高い周波数成分をより正確にデジタルデータとして記録できるため、高音質になります。


データ量

サンプリング周波数が高いほど、1秒あたりのデータ量が多くなるため、ファイルサイズが大きくなります。




説明


1. ナイキスト・シャノンのサンプリング定理(標本化定理)

この定理は、「元の信号に含まれる最も高い周波数成分の2倍以上のサンプリング周波数でサンプリングすれば、元の信号を完全に再構成できる」と述べています。

  • 音は様々な周波数の成分が混ざり合ってできています。高い周波数成分は、音のきらびやかさや繊細さを表現する上で重要です。

  • サンプリング周波数が低いと、高い周波数成分の情報が十分に捉えられず、デジタル信号に変換される際に失われたり、実際には存在しない低い周波数成分として記録されてしまう現象(エイリアシング)が発生したりします。

  • サンプリング周波数を高くすることで、より高い周波数成分まで正確に捉えることができ、エイリアシングのリスクを減らすことができます。

例: 人間の可聴域は一般的に約20kHzまでと言われています。音楽CDのサンプリング周波数が44.1kHzなのは、この可聴域の2倍以上の周波数でサンプリングすることで、元の音に含まれるほとんどの周波数成分を忠実に記録するためです。



2. 時間解像度の向上

サンプリング周波数が高いほど、1秒間に多くの「点」で音の波形を捉えることになります。これは、時間軸上での解像度が高くなることを意味します。

  • 音の波形は時間とともに細かく振動しており、高い周波数成分ほどその振動は速くなります。

  • サンプリング周波数が低いと、速い振動を捉える間隔が粗くなり、波形の細かな変化を正確に記録できません。これは、アナログ信号の情報を「間引いて」記録するようなものです。

  • サンプリング周波数を高くすることで、音の波形のより細かい変化まで捉えることができ、結果として、元の音のニュアンスや微細な表現をより忠実にデジタルデータとして記録できます。




サンプリング周波数の例


音楽CD

一般的な音楽CDのサンプリング周波数は44.1kHzです。これは、人間の可聴域(一般的に20Hz~20kHz程度)の約2倍の周波数まで記録できるため、十分な音質が得られるとされています(ナイキスト周波数定理)。


ハイレゾ音源

ハイレゾ音源では、96kHzや192kHzといった、CDよりも高いサンプリング周波数が用いられることが多く、より原音に近い、高精細な音質を実現しています。


サンプリング周波数

​【関連用語】

1. 量子化


アナログ信号の振幅(音の大きさなど)を、有限の段階的な数値で近似する処理。



2. ビット深度(量子化ビット数)


 量子化の際の段階数を表すビット数。ビット深度が高いほど、より細かく振幅を表現でき、ダイナミックレンジやS/N比が向上します。



3. PCM (Pulse Code Modulation)


アナログ信号をデジタル信号に変換する基本的な方式。サンプリングと量子化によって実現されます。



4. WAV


 非圧縮の音声ファイルフォーマット。サンプリング周波数やビット深度の情報を含みます。



5. AIFF


Appleが開発した非圧縮の音声ファイルフォーマット。WAVと同様の情報を持ちます。



6. MP3, AAC, FLAC など


圧縮された音声ファイルフォーマット。エンコード時にサンプリング周波数が設定されます。

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ブログカテゴリー「録音・音声」

 

 

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