SP(エスピー)
1986年にSonyが発表した業務用ビデオフォーマットです。またはSales promotionの略語で、日本語にすると販売促進であり、営利活動を行う様々な分野・業種で行われる売り上げ向上策、ないしはその施策を実施することです。
Betacam SPは、1986年にSonyが発表した業務用ビデオフォーマットで、オリジナルのBetacamから画質・音質を向上させた「Superior Performance(優れた性能)」の略称であり、1980年代後半から2000年代初頭まで放送業界の標準として世界中で使用されました。
映像制作会社としての視点
1986年に登場したこのフォーマットの「SP」はSuperior Performance**の略であり、従来の酸化鉄テープを用いたベータカムを大幅に進化させたものでした。
1. メタルテープの採用
ベータカムSPの最大の特徴は、磁性体にメタル(金属)粒子を採用したことです。
高密度記録: 従来の酸化鉄テープに比べ、より高い周波数特性と保磁力を持ち、圧倒的なS/N比の向上(ノイズの低減)を実現しました。
耐久性: 編集現場での過酷なシャトル・ジョグ操作に耐える強靭なバインダーが使用されています。
2. 輝度と色の「コンポーネント記録」
家庭用のVHSやベータが輝度(Y)と色(C)を混ぜて記録する「コンポジット方式」だったのに対し、SPはこれらを分けて記録する「コンポーネント方式」を徹底しました。
色滲みの解消: Y信号とC信号を別々のトラックに書き込むため、色が境界からはみ出す「色滲み(ドット妨害)」や「クロスカラー」がほぼ発生しません。
CTDM方式: 色信号(R-Y, B-Y)を時間軸で圧縮して1つのトラックに交互に記録する「CTDM(Compressed Time Division Multiplex)」という高度な技術が使われています。
3. 解像度と周波数特性
SPグレードになったことで、解像度は以下のように向上しました。
水平解像度: 約340本以上(無印ベータカムは約300本)。
輝度帯域: 30Hz〜4.5MHz(PVWシリーズなどの上位機種)。これにより、アナログながらSD放送レベルのシャープな画質を維持できました。
4. カセットのサイズ展開
現場の運用に合わせて2種類のサイズがありました。
Sカセット(スモール): 主に取材用カムコーダーで使用。最大30分収録。
Lカセット(ラージ): 主にスタジオの編集用デッキ(VTR)で使用。最大90分収録。
5. 音声記録の4チャンネル化
MA作業において重要だったのが、音声の「4チャンネル記録」です。
縦長トラック(1ch / 2ch): テープの端にあるリニアトラック。
FMトラック(3ch / 4ch): 映像トラックと同じヘリカルスキャンで記録される高音質トラック(AFM)。 これにより、ステレオ放送のメイン音声と、解説用や完パケ前の素材音声を同時に保持することが可能になりました。
執筆者・神野富三
株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
大学時代のラジオ番組の構成演出に始まり、映像ディレクター・プロデューサーとして、40年以上の業界経験を基に映像業界に関する知見を発信しています。

