予算を抑えながら高品質映像を実現する見積書の取り方|企業動画制作
- Tomizo Jinno

- 10月22日
- 読了時間: 3分
1. 見積書は企画内容に基づいて作成する
ただし、多くの企業には予算の上限があり、その範囲内でどこまでのクオリティを実現できるかが重要です。面白い企画であっても、無制限に費用をかけることはできません。
2. 予算内で実現可能な企画を考える
発注担当者が「どんな映像を作りたいか」を描いていても、予算の制約がある場合があります。経験豊富な制作会社であれば、理想の映像を現実的な形に再構築し、同じ効果を得られる代替案を提案できます。
一方、代替案でも成立しない企画であれば、理路整然と「実現は難しい」と伝えることが大切です。無理に「できます」と言うことは、後で大きなトラブルにつながります。
3. 「3分のPR動画」だけでは見積もれない理由
よくある問い合わせの例:
「3分ほどの商品PR動画をつくりたいので見積もりをください」
この情報だけでは、制作費は算出できません。
簡易的なオフィス撮影であれば10万円程度で制作可能
ブランドCMレベルでテレビ放送を目指す場合は数百万円規模
同じ“3分”でも、求められる内容や品質によって大きくコストが変わります。
4. 発注企業によって求められる映像の水準は異なる
企業規模や用途によって、必要な映像クオリティは異なります。
上場企業のVP制作やブランド動画は、高品質な映像表現や統一感が求められ、コストが増大
中小企業や個人事業の場合でも、担当者のイメージによっては高品質な映像を希望することがあります
そのため、見積もりの前に 目的・期待品質・予算感の擦り合わせ が不可欠です。
5. 見積もり算出に必要な情報
制作会社は、以下の情報をもとに現実的な見積もりを作成します。
商品やサービスの内容
撮影対象の形状や性質、技術的制約によって制作方法・コストが変わります。
動画の用途・配信先
WEB配信、テレビCM、イベント上映など、規格や求められる品位が異なります。
構成・シナリオのイメージ
参考映像やイメージがあると、制作クオリティや必要な作り込みが判断できます。
納期
短期納品の場合は人材や編集工程の制約があり、特急料金が発生する場合もあります。
予算感
予算の範囲でどのクオリティが可能かを事前に把握することで、無駄なやり取りを避けられます。
6. 腹の探り合いを避ける打ち合わせ
これらの情報を共有することで、発注担当者の頭の中の映像イメージを正確に把握できます。具体的な条件が一つでもあると、見積もり精度は格段に上がり、完成映像もイメージに近づきます。
「腹の探り合い」では時間を浪費するだけでなく、最終的な映像の質にも影響します。オープンな情報共有が、高品質映像を予算内で制作する近道です。
7. まとめ
映像制作の見積書は 時間や長さではなく、企画内容と目的に基づいて作られる ことを理解しましょう。
事前に企画・用途・予算・納期を整理
制作会社と現実的な代替案や品質の擦り合わせを行う
実現可能な企画で最大限の制作クオリティを確保
これが、スムーズで予算内、かつ高品質な映像制作を実現する基本です。

【執筆者プロフィール】
株式会社SynApps 代表取締役/プロデューサー。名古屋を中心に、地域企業や団体のBtoB分野の映像制作を専門とする。プロデューサー/シナリオライターとして35年、ディレクター/エディターとして20年の実績を持つ。(2025年10月現在)




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