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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。
アクションつなぎ
映像に映る人や乗り物、モノ、あるいはカメラの動きを利用して、その動きの要素が一致している別なアングルや別のアクションを繋ぐ編集手法のことです。
「マッチカット」の手法のひとつと言えるこのつなぎは、作者も視聴者にも非常にわかりやすいため、映像編集を覚えると最初にやってみたくなる編集手法かも知れません。私がそうでした。たくさんのカットを短く繋いで音楽に乗せると、とても気持ち良いからです。
1. 手法
・ 一連の動作を複数のカットに分割し、動作の途中でカットを切り替える。
・異なる被写体、異なる場所、異なる時間に起こったアクションやインパクトが類似した瞬間を捉えて、次々にカットを切り替える。
2. 効果
・映像にリズム感や躍動感を与える。
・時間や場所を飛び越える。
なお、一連のアクションを分割してつなぐ場合、撮影ではサイズや角度の違うカットを複数カット撮影する必要がありますので、演者の方には何度も同じ演技をしてもらわなくてはなりません。

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。
映像制作会社としての視点
困ったときの一手ですが、あまり上質な「つなぎ」とは考えていない人もいます。
この技法が「困ったときの一手」とされるのは、適切なカットがない場合や編集点が不自然になりそうな際に、動きを利用すれば比較的容易につなぐことができるためです。視聴者の注意が動作に向くため、多少のジャンプカットや空間の不連続も目立ちにくくなります。
しかし批判的に見る人々は、これを安易な解決策と捉えます。本来であれば、カット割りの設計段階で適切な構図やタイミングを計画し、動きに頼らずとも意味的・視覚的に自然につながる編集を目指すべきだという考え方です。アクションつなぎに頼りすぎると、映像のリズムが単調になったり、本来伝えるべき情報や感情の流れが動作優先で損なわれる可能性があります。
とはいえ、熟練した編集者が意図的に使うアクションつなぎは、テンポや緊張感を生み出す効果的な手法でもあり、技法そのものの良し悪しではなく、使い方と文脈次第と言えます。
