動画・映像制作用語
【DX】
dx
DX（ディーエックス）」とは、Digital Transformationの略語とされ、単なるIT導入ではなく、データとデジタル技術を活用したビジネスモデルや組織文化を含む広範な変革という意味で使われます。
Digital Transformationという言葉自体は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」という、広範な社会現象を指すものでした。
日本においては、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート ～ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開～」が大きな契機となり、「DX」という言葉が広く認知されるようになりました。
このレポートでは、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義し、より経営戦略と結びついた意味合いで捉えられるようになりました。
なお、日本の高度成長期に市場に増えてきた高額商材（自動車やホテルの客室）を効率的に販売するため、同じ商材でありながら装備などを変えることでグレード分けして、料金に差をつけるビジネスが生まれました。中でも高級感を示す「Delux」を表す略語「DX」がよく使われていたため、昭和世代はDXの文字を見ると「デラックス」を連想する人が多くいます。たぶん。
【関連用語】
映像制作業界のDX
1. 企画・制作の変革
データドリブンな企画
視聴者の属性、視聴履歴、エンゲージメントなどのデータを分析し、より効果的な企画を立てることが可能になりました。
リモートワークとコラボレーション
クラウドベースの編集ツールやコミュニケーションツールを活用することで、地理的に離れた場所にいるスタッフとの共同作業が容易になりました。
AIを活用したプレビジュアライゼーション
AI技術を活用して、撮影前に映像のイメージを生成したり、最適なカメラアングルや照明をシミュレーションしたりすることが可能になりつつあります。
2. 編集・ポストプロダクションの進化
クラウド編集の普及
高速インターネット環境とクラウド技術の進化により、場所を選ばずに編集作業が可能になりました。
AIによる効率化
AIが映像内のオブジェクトを認識して自動的にトラッキングしたり、不要な部分を自動的にカットしたり、音声のノイズを除去したりする機能が登場しています。
リアルタイムレンダリング
高性能なGPUとソフトウェアの進化により、複雑なVFXや3Dグラフィックスのレンダリングがリアルタイムに近づいています。
3. 配信・視聴体験の変化
多様な配信プラットフォーム
YouTube、Vimeo、Netflix、Amazon Prime Videoなど、多様な配信プラットフォームが登場し、視聴者は好きな時に好きな場所で映像コンテンツを楽しめるようになりました。
インタラクティブな映像体験
VR（仮想現実）、AR（拡張現実）、インタラクティブ動画などの技術が登場し、視聴者は映像コンテンツに積極的に関与できるようになりました。
パーソナライズされた視聴体験
視聴者のデータに基づいて、おすすめのコンテンツを表示したり、広告を最適化したりするなど、パーソナライズされた視聴体験が一般的になりつつあります。映像制作会社は、このようなパーソナライズに対応したコンテンツ制作や配信戦略を検討する必要があります。
4. ビジネスモデルの変革
サブスクリプションモデルの普及
映像コンテンツの視聴方法として、買い切り型から月額課金などのサブスクリプションモデルが主流になりつつあります。
データ分析による収益化
視聴データを分析し、コンテンツの改善や新たな収益源の発見に繋げる動きが活発化しています。
企業内製化の動き
DX推進の一環として、企業が自社で映像コンテンツを制作するケースが増えています。